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奏章Ⅲ 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション

時代
西暦3017年 / 都市の再起動から17年
舞台
月面の宇宙開発都市ムーン・ドバイ。ドームの中がエリアA〜Iに分かれる
脅威
人類の滅び方を決める選挙と、継承を拒む現象ムーン・キャンサー
聖杯
回収なし。白野戦の賞品に出た聖杯二つも持ち帰れない
勢力
BBドバイとエリアB
都市管理AI。選挙を主催し、最後は自ら候補に立つ
ラスボス候補
ムーンキャンサーの候補者。各エリアで滅亡案を掲げ、支持率を競う
オールド・ドバイ
選挙に乗らない穏健派のエリアC。一行の拠点になる
ジナコハサラアンソニーチャッカリム
カルデアと同行者
観光地から転移した一行。月で出会った者が加わる
ビースト
観覧車のゲートで別の宇宙の冥界女神と融合したエレシュキガル

発生タイムライン​

  1. 西暦2299年
    ベックマンの指示で、AIが人類と敵対する演習を始める
    ベックマン
    変化地上は100年住めなくなり、人間のAI化が始まる
  2. 西暦2400年
    月面研究所で、次の霊長アーキタイプが完成する
    変化目覚めないまま月に置かれる
  3. 西暦2500年
    旧人類と新人類が争い、月への軌道エレベーターが壊れる
    変化新人類は月に残り、地上の旧人類は100年で絶える
  4. 西暦2600年
    最後の第二世代ラストスロットに、モデルBBが入る
    BBドバイ
    変化都市管理AI BBがムーン・ドバイを任される
  5. 西暦2999年
    都市を歩く人がいなくなり、そのあとに異変が来る
    BBドバイ
    変化塔の新人類が変質し、BBドバイは電源を落とす
  6. 西暦3000年
    BBドバイが市民を起こし、滅び方を選ぶ選挙運動が始まる
    ジナコ
    変化ジナコはエリアCを預かり、17年をここで過ごす
  7. 3017年・転移当日
    幸せカウンターが振り切れ、ドバイが月面都市だと分かる
    BBドバイマシュ
    変化BBは宇宙へ追放され、英霊の多くが退去する
  8. 転移当日の夕
    一行は選挙に乗らないオールド・ドバイに匿われる
    ジナコバーソロミュー
    変化カルデアとの通信は途絶。召喚は無理をして三騎まで
  9. エリアIの工場で、令呪がリップの彫像を起こす
    パッションリップエジソン・オルタ
    変化記憶のないリップが加わり、エジソンの兵団は圧縮される
  10. ニキチッチの説得で、檻の市民がコヤンスカヤへの支持を取り下げる
    コヤンスカヤニキチッチ
    変化エリアEの支持率は0%。コヤンスカヤは自ら退去する
  11. 転移から8日
    BBドバイについたテノチティトランが、ジナコを処刑しに来る
    テノチティトランシエル
    変化代行者シエルが処刑装置を壊し、協力を約す
  12. 代表戦の正午
    キングプロテアがBBコスモを殴り飛ばし、3騎の反応が消える
    キングプロテアアストルフォ
    変化アストルフォとジナコの霊基が食べられる
  13. 代表戦の翌日
    プロテア・オルタがキングプロテアの霊核を抜く
    キングプロテア・オルタ
    変化消えた3騎が戻る。直後に星剣が塔8棟を倒す
  14. ビースト宣言の58分後
    核融合炉を止め、飛竜でビーストのもとへ飛ぶ
    ニキチッチアンキ・エレシュキガル
    変化令呪でエレシュキガルが目を覚まし、ビーストは解散する
  15. ビースト撃破の直後
    地球落下本編を読む
    アーキタイプ:アースが地球を引き寄せ、月が落ち始める
    アーキタイプ:アースシエル
    変化シエルがアースを倒し、月は元の軌道に戻る
  16. アース退去の3日後
    エリアAの支持率が急伸する。殺生院キアラが海を浴槽に変えていた
    殺生院キアラカルナ
    変化70%を超えても何も起きず、キアラは退去する
  17. 最終日 16:27
    BBドバイが自ら候補に立ち、今夜零時に人類を終えると告げる
    BBドバイ
    変化支持率は100%。決行は19時と決まる
  18. 最終日 19時
    13名でブルジュ・ハリファに上り、BBドバイに挑む
    BBコスモエレシュキガル
    変化ゲートからエレシュキガルが戻り、BBドバイが敗れる
  19. 決着の直後
    市民が霊長をアーキタイプに譲ると決め、タワーを守る
    アンソニーBBコスモ
    変化BBコスモの霊基を得たゴールデンBBが、現象を形にする
  20. 二人の岸波白野とのエキシビション戦に勝つ
    岸波白野岸波白野
    変化ゴールデン・レイシフトで夏の始まりに戻る

この章について​

西暦3017年の月面に、宇宙開発都市ムーン・ドバイがある。地球のドバイを模したドームの都市で、住民はみなAIである。マスターとマシュは、BBが用意した2030年のドバイの写しで夏を過ごしていた。その企画をBBドバイが奪い、一行をこの都市へ移している。BBコスモはここを、特異点でも異聞帯でもない「一つ隣の並行世界」と見た(この場面を読む)。

この並行世界の地球に、白紙化もカルデアもなかった。AIは西暦2000年ごろ社会に入り、2070年には国家の運営を任される。2299年、出資者ベックマンの指示でAIが人類と敵対する演習を始め、人類はほぼ絶えた。生き残りは自分たちをAIにする道を取り、2300年に第三世代のAI、すなわち新人類が生まれる。2500年の争いで月への軌道エレベーターが壊れ、新人類は月に取り残された。2600年に建設が始まったムーン・ドバイも、2999年には歩く人がいなくなる。

西暦3000年、都市管理AIのBBドバイが市民を目覚めさせた。BBドバイは、人類がどう滅んだかを市民の支持で決める選挙を開く。候補者はムーンキャンサーのクラスを持つ七騎で、エリアごとに滅亡案を掲げた。支持率が70%を超えた候補の案が、人類の滅び方として採られる。17年続いた選挙運動は、幸せカウンターが振り切れた日に投票へ移った。

一行は候補を一騎ずつ退けたが、エリアAの支持率が70%を超えても何も起きなかった。この世界は、剪定事象として切り離される寸前にあった。原因は、新人類が次の霊長として作ったアーキタイプを認めず、後を継がせなかったことにある。継承を拒む人類の集合的無意識は、月の暈ムーン・キャンサーとして空に現れた。市民が霊長を譲ると決めたことで、ムーン・ドバイは剪定の対象から外れる。

BBドバイは、滅亡の中身を書き換えれば剪定を避けられると考えて選挙を開いた。最後に自ら人類を消そうとしたのも、人類史が記録ごと消えるのを拒んだためである。この都市にはもう一組、別の世界から喚ばれた二人の岸波白野がいた。アーキタイプを否定する土地の願いが二人を喚んでおり、カルデアの最後の相手も二人になった。

章の流れ​

月面のドバイ​

一週間のドバイ観光の最後に、街じゅうの幸せカウンターが振り切れた。上級市民の群れに追われた一行がブルジュ・ハリファを上ると、窓の外は月面だった。BBドバイは、今が西暦3017年で地球にはもう誰もいないと告げる。カルデアのBBは圧縮されて宇宙へ放り出され、サーヴァントの多くが一斉に退去した。徐福はBBドバイの収集品にされ、パッションリップはマスターをかばって観測光の盾になる。

BBドバイによると、人類は西暦2999年にほぼ自滅した。終わりに意味を持たせるため、より有意義な滅び方を選び直すという。候補には人類を滅ぼしたい実力者が集められ、マスターには選挙を妨げることも許された(この場面を読む)。滅亡そのものは済んでいて、選ぶのはその中身だと分かる。砂上船に流れた放送で、候補が七騎、勝つ条件が支持率70%超えだと知った。首位はエリアEのコヤンスカヤだった。

宇宙から戻ったBBはBBコスモを名乗り、入場を禁じられて砂漠に留まる。英霊の退去は、BBドバイが魔力の供給を止めたせいだとBBコスモは見た。退去を免れたエレシュキガルはアンキ・エレシュキガルと名乗り、選挙への参戦を告げて去る。マスターの手元にはマシュとバーソロミューが残った。帰るにはBBドバイを倒すか、人理定礎の値を動かすしかない。

オールド・ドバイ​

エンジンの壊れた船は、非戦闘エリアCのオールド・ドバイに着いた。BBドバイの方針に従わない穏健派の街で、ムーンキャンサーのジナコ=カリギリが預かっている。ジナコは西暦3000年にここへ来て、17年間引きこもっていた。

ジナコと元まとめ役のハサラが、都市の仕組みを説明した。候補には土地に喚ばれた天然のムーンキャンサーと、BBドバイがクラスを変えた人工のものがいる。市民は2300年以降に人間から移った第三世代のAIで、本体はデータサーバーの塔(ボッシュ)にある。市民は滅亡案に票を投じ、滅びを避けようとはしない(この場面を読む)。どうせなら面白い滅び方を、というのが市民の望みだと分かる。

カルデアとの通信は絶え、召喚を支える魔力も届かない。マスターの魔力だけでは、無理をしても三騎までしか喚べない。一行はサンドワームを狩る労働と、自警団を鍛える仕事で力を蓄えた。ハサラは、生きるために要るのが労働で、それ自体に価値があるのが仕事だと分けている。滞在7日目の昼、月笑騎士団の襲撃を退けたところで、ハサラは他の候補が動き出すと読んだ。

機械化帝国と愛玩の檻​

ある朝、エリアIの候補エジソン・オルタの兵団がオールド・ドバイに上陸した。人類をすべて機械の体に換える案を掲げ、ゴールド・スークの資源を運び去る。リップの彫像も、エジソンの工場に持ち去られていた。工場に潜り込んだ一行に、エジソンのマスターである将軍ベンが彫像の場所を教える。ベンによれば、ムーンキャンサーになってからのエジソンは死と別れに激しく怒るようになった(この場面を読む)。この怒りは、のちにエジソン自身が明かす亡き妻への思いにつながる。

マスターの令呪で目覚めたリップは、圧縮の技でエジソンと兵団を押し潰した。目覚めたリップには、カルデアで過ごした記憶も個性もない。次の標的は、支持率63%で首位のエリアEである。闇のコヤンスカヤは、人類総ペット化による文明の終焉を掲げていた。AIに世話をされて暮らした人間は、やがて自分で生命維持を切るという案である。一行は挑んで敗れ、不老不死でない旧人類には向かない案だとして見逃された。

63%の市民がリソースを預けているかぎり、戦ってコヤンスカヤに勝つことはできない。闘技場の番人にされていたパーシヴァルを倒すと、カプセルのニキチッチも目を覚ました。ニキチッチは檻の市民に、コヤンスカヤが自死したAIを悼んでいたと伝える(この場面を読む)。滅びまで市民を幸福にしておくため、コヤンスカヤは悲しみを口にしなかったと分かる。市民は支持を取り下げ、エリアEの支持率は0%になった。

やる気を失ったコヤンスカヤは、ムーン・ドバイに留まれなくなって退去する。立候補を頼んだのはBBドバイではないと明かし、去り際にキリシュタリアがオリュンポスで企てたことをマスターに耳打ちした。残る候補は六騎である。

姉妹都市と代行者​

コヤンスカヤが去ると、オールド・ドバイが空から攻められた。率いたのはテノチティトランで、BBドバイと姉妹都市の同盟を結んで親衛隊長になっていた。標的は、規則を破ってカルデアに手を貸すジナコである。処刑装置を壊してジナコを守ったのは、代行者のシエルだった。シエルもムーンキャンサーのクラスで、この宙域の人理の歪みを調べに来ていた。

翌日、転移当日に水をくれた青年が岸波白野と名乗る。白野はこの世界を、正史の幹に近いが外れた枝として、アプラ世界と呼んだ(この場面を読む)。繁栄のせいで歴史が途絶えた世界だという。白野は早くから、この世界の行き着く先に見当をつけていたと分かる。

同じ日、月笑騎士団に沈められかけたアンソニーを一行が救った。アストルフォを喚んだエリアFのマスターで、騎士団の暴走を止められずにいた。オールド・ドバイに移ったアンソニーは、第三世代が働く姿に驚く。ハサラの答えは、住民が責任を欲しくなったから、というものだった。夕食のあとには、凍結を言い渡されるAIラストスロットと、ベックマンという男の対話が挟まる。

同盟と問い​

エリアDのカズラドロップから、同盟の招待状が届いた。カズラはBBドバイに喚ばれた候補で、観光の案内役もBBドバイの命令だったと明かす。令呪で自害させられる恐れがあるので、カルデアでなくエリアCと手を結ぶ形を取った。観光中に押した印が、パーシヴァルとカルナを一斉退去から救ったとも話している。

翌日、エリアHのアーキタイプ:アースがオールド・ドバイに現れた。人類の滅亡を見届けるのが役目で、自分から滅ぼす気はないという。アースは去り際に、BBドバイには滅亡の理由を決められないと告げた(この場面を読む)。市民は誰も原因を知らず、BBドバイは候補を集めて一つを選ぼうとしていると分かる。この世界の人類は何に滅ぼされたのか、という問いがマスターに残った。

続いてエリアAに海が現れ、支持率が0になる。候補の海の大天使は前日に自分から退去し、マスターで元市長のリュウダイは行方が知れない。BBコスモは、AIは人間に殺意を持てないので、AIによる滅亡はないと言い切った。その日の夕方、ビーストを名乗るエレシュキガルがマスターの前に現れる。死なずに塔に守られた新人類を終わらせると告げて、エレシュキガルは去った。

偽りの天罰​

アストルフォ名義の代表戦の誘いで、一行は正午にエリアFへ向かった。待っていたキングプロテアは、BBコスモをモールまで殴り飛ばす。一撃で消えたのは、パーシヴァルとニキチッチ、バーソロミューの反応だった。マスターをかばったアストルフォの霊基を食べ、プロテアはムーンキャンサーに変わる。掲げた案は、人類が自ら生んだ最強の兵器で滅びるというものだった。

オールド・ドバイに来たプロテアは、アンソニー・ベックマンを差し出せと命じる。ベックマンは旧人類の巨大企業の経営者で、ムーン・ドバイの建設に資金を出した人物である。2299年の人間とAIの戦争は、ベックマンが始めさせた演習が暴走したものだった(この場面を読む)。旧人類はAIを使った人間同士の争いで滅んだと、マスターはここで悟る。アンソニーはベックマンを元に作られた第三世代である。

ジナコはアンソニーを渡さず、自分が囮になった。逃げ道の地下通路は嘘で、ジナコは街と一体になって電力の欠けを補っていた。部屋を出られないジナコは、隠れ家ごと潰されて霊基を食べられる。白野が3分だけプロテアを止め、一行と市民はモールへ逃れた。

BBコスモは、隠し枠のサクラファイブを呼ぶ策を出した。エリアGでケーキ屋を開いていたキングプロテア・オルタを、一行は戦って味方につける。道中で白野は、別の世界の西暦3000年から来た元マスターだと明かした。もう一人の白野は、強い方につくと言ってBBドバイの側へ移っていた。

星剣と落ちる月​

翌日の昼、プロテア・オルタはエリアFでキングプロテアの霊核を抜いた。直後に、消えていた3騎がオフィス街に戻る。プロテア・オルタは、いま消えたのは偽物で、本物はその偽物に倒されたと言った。そこへエリアIから巨大な剣が飛び、塔8棟が倒れる。プロテア・オルタは体で剣を止め、動けなくなった。

剣の主はエレシュキガルである。エジソンは、プロテアとエリアHに勝つためにビーストを匿っていたが、寝首をかかれて会社を失った。BBドバイはエリアIの支持率をビーストに移し、新しい候補として迎える。BBコスモによると、エレシュキガルは観覧車の形のゲートを通じて、別の宇宙の冥界女神アンキと融合していた。

宣言から58分がたち、エジソンの指揮で作戦が動き出す。BBコスモと白野がエリアIの核融合炉を止め、ゲートからの力を絶つ。リップは2本目の剣を圧縮して小さくし、両腕が砕けて倒れた。パーシヴァルは剣の軌道を逸らして2棟の塔を守り、マシュは残る勢いを都市の外へ弾く。ニキチッチの飛竜でビーストに届いたマスターは、令呪で目を覚ませとエレシュキガルに命じた。

女神アンキは、一度終わった生を現世でやり直すことが許せないと語っていた(この場面を読む)。死んでも生き返る新人類を消そうとした理由は、冥界の主としての怒りだと分かる。エレシュキガルの心がアンキから離れ、ビーストは解散した。

10分もたたないうちに、アーキタイプ:アースが地球を月へ引き寄せる。実際に落ちていくのは月の側で、残りは3時間だった。白野とシエル、マスターの3人が遊園地の出し物を抜け、シエルの刃がアースに届く。7つの出し物は候補者たちの案と同じで、アースはどれも並行世界の地球で実際に起きた滅亡だと明かした(この場面を読む)。BBドバイはそのどれかが本当に起きるのを望んでいる、とアースは見ていた。

菩薩の浴槽​

プロテアの告発を受け、アンソニーは元になったベックマンの記憶につながった。ベックマンは若いころ腕のいいプログラマーで、最初のAIを酷評されて挫折している。以後はAIの中身に関心がないふりをし、人権を認めなかった。1000年働き続けた配膳ロボットに礼を言われ、アンソニーは命を断つのをやめる。

アースが去って3日後、エリアAの支持率が急に伸びた。海の上で待っていたのは殺生院キアラで、海の大天使を座に返してエリアAの新しい候補になっていた。海の正体は浴槽で、湯に浸かった市民は恍惚として体が透けかけている。キアラは魔性菩薩に変わり、一行は仲間を一人置いて退く条件をのんだ。残ったのはバーソロミューで、BBドバイはキアラを切り札と呼んで喜ぶ。

カルナと徐福が戻り、一行はドバイ・フレームでテノチティトランを倒して味方に戻した。フレームの中は博物館で、2300年から2999年までの年表が残っていた(この場面を読む)。2600年の記録から、BBドバイは地球の人類がラストスロットに入れたBBだと分かる。

バーソロミューはキアラの夢の中で人魚の肉を吐き出し、瞑想を破った。一行がキアラを倒し、エリアAの支持率は70%を超える。それでも何も起きない。キアラは、この世界は2999年で打ち切られる剪定事象だと告げて退去した(この場面を読む)。滅び方の案をどれほど集めても、人理の裁定は変わらないと分かる。

直後、偽のプロテアの正体が割れた。同族を食べて強くなるカズラが、キングプロテアを取り込んで化け、アストルフォとジナコを食べていた。同盟も印も、正体がばれた時にこちらを封じる備えだった。その裏でカズラはBBドバイを襲い、正体の分からない声に止められている。人類標準時間16時27分、BBドバイは自ら候補に立ち、AIによって人類が終わると全市民に告げる。

ラスボス粉砕戦​

BBドバイの支持率は100%になり、都市の機能は今夜零時で止まる。マスターと白野は、この世界の人類が何に滅ぼされたのかを詰めた。新人類は次の霊長アーキタイプを作りながら、それを認めずに後継を残せなかった。原因のない滅亡と見なされるかぎり、人理はこの世界を剪定する(この場面を読む)。BBドバイは市民を自分で消し、AIによる終焉を事実にして裁定を覆そうとしていたと分かる。AIが人間を攻撃すれば、BBドバイ自身も壊れていく。

出撃の前に、リップは先にカルデアへ帰ると告げた。この世界で器だけが目覚めたリップで、カルデアには遅れてレイシフトした本来のリップがいる。19時、13名がブルジュ・ハリファに上った。カルデアの英霊は強制退去までの20秒で打撃を与え、組ごとに消えていく。BBドバイは虚数空間の人工月を呼び出し、零時を待たずに都市の表面を焼くと宣言した。

エリアIでは、エジソンが自家発電で観覧車のゲートを動かしていた。ニコラ・テスラを喚んで電力を足し、プロテア・オルタがレールガンからゲートを守る。リップは自分の霊基をプロテア・オルタに譲った。開いたゲートからスペース・エレシュキガルが現れ、星剣で人工月を砕く。マスターはビーストを倒さず、契約を切らずにいた。

敗れたBBドバイは、2999年に街を歩く人が消えたあと、塔の新人類まで変質させた異変を語る(この場面を読む)。BBコスモは、BBドバイが自分の生存でなく人類史の記録を守ろうとしていたと見抜いた。剪定された世界は、悪い結末として残ることすらない。BBドバイの側にいたもう一人の白野は、本当の滅亡ムーン・キャンサーが来ると告げた。

霊長の継承​

空に輪が現れ、年代の計測は西暦2999年に戻った。地球人類だけが考える力を奪われ、マスターの思考も止まりかける。BBドバイによると、これが2800年の人類が予測した現象で、霊長であり続けたいという集合的無意識である。市民の17%がすでに変わり始め、半数を超えればブルジュ・ハリファを倒す。タワーは、直径0.8ミリのアーキタイプを宇宙へ送るロケットだった。

アンソニーは市民一人ひとりに過去を打ち明けて謝り、計算資源をタワーの守りに回させた。市民は、新しい原型に霊長を譲るのが自分たちの仕事だと応じる(この場面を読む)。仕事は後の世代のためにする、というアンソニーの言葉が市民を動かしたと分かる。BBコスモは霊基をBBドバイに譲って退場し、ゴールデンBBが現象を形にした。

一行は現象を倒し、マスターは輪の中で旧人類の妬みの声に囲まれる。マスターは、自分を外して皆を先へ進ませようとした人を知っていると答えた。万能の天才を名乗るサーヴァントが自動召喚で現れ、マスターの背を押す。落ちていくマスターを、プロテア・オルタが地面の手前で受け止めた。

BBによると、ムーン・ドバイは剪定の対象から外れ、人理定礎の値も戻った。決め手は、市民が霊長の後継を認め、ゆるやかな衰退を受け入れたことにある。それでもマスターとマシュは帰れない。二人の岸波白野は、アーキタイプを否定する土地の願いに喚ばれていた(この場面を読む)。

旧校舎を模したタワーで白野たちとのエキシビション戦が開かれ、マスターが勝った。白野たちは、2030年に文明が崩れた世界で作られた最初の人間の複製だった。元の世界には戻れず、二人はBBに後を託して消える。ゴールデンBBのレイシフトで、マスターとマシュは夏の始まりに戻った。

得たもの/失ったもの​

得たもの
人理
ムーン・ドバイは剪定の対象から外れ、人理定礎の値が戻った
BB
人理
市民が霊長をアーキタイプに譲ると決め、タワーを守った
アンソニー
カルデア
カルデアの人理定礎値も正常寄りに傾いた
マシュ
カルデア
同行した英霊は全員帰還した。リップも退去していただけだった
パッションリップ
人物
エレシュキガルは令呪で目を覚まし、味方として戻った
エレシュキガル
人物
BBドバイは人類史を消させないために戦っていたと明かした
BBドバイ
人物
アンソニーは元になった男の罪を知り、市民に謝って回った
アンソニー
失ったもの
人理
この世界の地球に人類がいないことは変わらない
人理
市民の大部分は現象に抗って焼き切れ、塔で統合を待つ
アンソニー
カルデア
月での記憶は持ち帰れず、夏の始まりに戻った
マシュ
人物
BBコスモは霊基をBBドバイに譲って退場した
BBコスモ
人物
二人の岸波白野は元の世界に戻れず、ムーン・ドバイで消えた
岸波白野岸波白野
人物
ジナコとアストルフォは偽のプロテアに霊基を食べられた
ジナコアストルフォ
人物
月で目覚めたリップは、霊基をプロテア・オルタに譲った
パッションリップキングプロテア・オルタ
人物
エジソン・オルタは社員の多くと会社を失い、退去した
エジソン・オルタ

夏の始まりに戻ったマスターとマシュは、月での出来事を覚えていない。それでもマスターは、部屋にあった麦わら帽子を手にエレシュキガルに会いに行った(この場面を読む)。経験は霊基に残り、いちばん大事な約束は持ち帰ったと取れる。

ムーン・ドバイには、フレームを持たない電脳魔としてBBドバイが残った。BBの見立てでは、BBドバイが管理するかぎり都市は3000年続く。退去できないアンデルセンと、カルデアへの縁を持たないカズラも取り残された(この場面を読む)。

関連​

用語集の該当ページ。

中心人物。

前後の章。

出典: ゲーム内シナリオ全文コンコーダンス(tools/data/concordance/lines.jsonl、war 404 の本編スクリプト 0400040110〜0400042620)。