序/2017年 12月26日
- 時代
- 2017年12月26日 / グランドオーダー完遂の一年後
- 舞台
- 南極の山中に隠されたカルデア本部と、麓の氷原
- 脅威
- 殺戮猟兵を率いる襲撃者と、異聞帯から来た皇女のサーヴァント
- 聖杯
- 聖杯は出ない。焦点は英霊との縁を写した霊基グラフ
発生タイムライン
- 12月26日 朝
- 12月26日
- 12月26日
- 12月27日 夜明け後
- 12月27日
- 12月31日 16時半
- 同日
- 同日
- 同日
- 同日
- 同日
- 同日
- 同日
- 同日
この章について
2017年12月26日、カルデアは新しい体制への引き継ぎを待っていた。グランドオーダーの完遂から一年が経ち、レイシフトは凍結された。召喚されたサーヴァントは契約を解いて退去し、残るのは所長代行のレオナルド・ダ・ヴィンチだけになる。マスターの職務も終わり、旧スタッフの大半は年内にカルデアを去る予定だった。
外の世界は、カルデアの戦いを記録でしか知らない。魔術協会が選んだ新所長ゴルドルフ・ムジークは、国連の査問団を連れて乗り込んでくる。査問会が確かめるのは、グランドオーダーの間に破った禁則が故意だったかどうかである。ダ・ヴィンチとシャーロック・ホームズは、半年近くかけてこの日に備えていた。
12月31日、カルデアは所属不明の兵士とサーヴァントに襲われた。冷凍保存されていたAチームの7人はコフィンから消え、東館は氷に閉ざされる。ダ・ヴィンチは言峰神父に心臓を貫かれて消滅した。マスターたち11名はホームズの運転する車両で山を下り、カルデアが南極にあったと知る。
敵の正体は、この日のうちに一部だけ分かる。コヤンスカヤは皇女と仰ぐ少女を異聞帯のサーヴァントと呼び、汎人類史のサーヴァントでは敵わないと言った。最後にキリシュタリア・ヴォーダイムが、7人のクリプターを代表して汎人類史の終了を告げる。キリシュタリアは、コフィンから消えたAチームのリーダーだった。
汎人類史という語は、敵が口にする前に章冒頭の語りで使われている。過去の改竄は汎人類史への叛逆行為にあたり、それを可能にするレイシフトは凍結された(この場面を読む)。
章の流れ
職務の終わり
12月26日の朝、カルデアは臨時休暇だった。前日にクリスマスの片付けが済み、夜には送別会が開かれる。マシュは全員の退館後も少し残り、召喚システムとの切り離しを済ませる予定だった。館内では、カルデアに残る技師ダストンとロンドンへ移るシルビアが新所長の噂をしていた。新所長と取り巻きの一行は、すでに山の麓まで来ている。
ダ・ヴィンチは、カルデアの置かれた立場をマスターに説明した。スタッフの八割を失ったカルデアは自力では続かず、ゴルドルフが私財で利権を買い取った。国連の査問団は、許可のないレイシフトや七騎を超えた召喚を重犯罪と見ている。外の人間は人理焼却を眠ったまま過ごし、記録と違反だけで判断すると分かる(この場面を読む)。新所長はマスターを不要とし、年内で職を解くと通告していた。
その場にホームズが現れ、マスターを驚かせた。ダ・ヴィンチはこの一年、協会への報告書にホームズの名を一度も書かず、見えない敵への備えとして残していた。協会の動向の調査や霊基グラフの隠匿も、大半はホームズの仕事だという。ダ・ヴィンチは、5日あれば移し替えが終わるトランクも見せた。マスターの職務はここで終わり、表向きのサーヴァントはダ・ヴィンチ一騎になった。
新所長と査問団
12月27日、夜明けとともに晴れた空をヘリが飛び、ゴルドルフと査問団の44名が入館した。ゴルドルフは全権の引き継ぎを告げ、すぐに旧スタッフを拘束しようとする。ダ・ヴィンチは兵の少なさを指摘し、協会の決定ではないのではと揺さぶった。ゴルドルフは船に三倍の警備員を残していると返し、旧スタッフを4人1組で個室に軟禁する。同行した言峰綺礼は、聖堂教会から来た査問団の顧問と名乗った。
ゴルドルフがカルデアを買った理由も、この場で分かる。カルデアは七つの部門に分けて売りに出されており、ゴルドルフはムジーク家の私財をすべて投じて分割を止めた。彼にカルデアを紹介したコヤンスカヤは、半年ほど前にロシアで報じられた民間警備会社NFFサービスの人間である。新スタッフの学者もNFFの者だった。彼らだけで解凍手術をすれば十中八九失敗する、とダ・ヴィンチは見る(この場面を読む)。Aチームの7人を失わせるのが目的かもしれない、とも疑っている。
6時間の尋問を終えたマスターに、コヤンスカヤが近づいた。彼女は飛びかかったフォウを踏みつけ、見逃す代わりにAチームについて聞き出そうとする。マスターは7人の名前すら知らず、コヤンスカヤは何も得ずに去った。コフィンの7人を除く39人は、すでに蘇生して国へ帰っている。マシュとダ・ヴィンチはこのあと、7人を一人ずつマスターに紹介した。ダ・ヴィンチは、解凍の機材調整に4日かかると見積もる。マシュとマスターの任期は年内までで、ダ・ヴィンチは事態が動くのは31日だと読む。
空のコフィン
12月31日の16時半、ダ・ヴィンチは前夜から管制室に呼ばれたまま戻らなかった。軟禁部屋を訪れた言峰は、旧スタッフの容疑が晴れたと伝える。上司のノイ司祭の意向で、聖堂教会は旧スタッフを協会の秘匿体制から守るという。ダ・ヴィンチだけはサーヴァントなので、作業を終え次第強制的に退去させると言峰は言う。マスターは、日本まで送るという言峰の申し出を断った。
言峰が嫌うのはサーヴァントではなく、英霊という概念である(この場面を読む)。生者の世界に過去の英霊は要らない、と彼は言い切る。このあと言峰自身がダ・ヴィンチを手にかけるので、この言葉はその予告と取れる。
解凍が終わって開いたコフィン7基は、すべて空だった。中からの反応は偽装できるので、ダ・ヴィンチは4日のうちに誰かが先に開けたのではと疑う。直後に観測が途絶し、電磁波も宇宙線も検知されなくなった。地球上から観測できる天体は一つも無くなり、カルデアスには亀裂が入る。シバが止まると同時に黒い兵士がゲートを破り、ゴルドルフの警備隊は次々に連絡を絶った。
一年ぶりの盾
館内に銃声が響くと、言峰は別れを告げて部屋を出た。扉には鍵がかかり、見張りの警備兵も持ち場を離れる。やがて扉を破ろうとする気配が迫り、マシュは武装の許可を求めた。マスターは一度はためらい、最後には彼女に戦いを頼む。マシュは一年ぶりに盾を取ったが、同室のムニエルは以前の半分も力を出せていないと見た。
マシュは普通の体に戻るためのケアを受けていた。武装したことで、そのケアは一からやり直しになるとダ・ヴィンチは嘆く(この場面を読む)。霊基と同調できないまま戦えば、負荷はすべて肉体に返るとホームズはのちに説明している。
ホームズは地下の格納庫にシェルター用のコンテナがあると教え、逃げ道を示した。マスターはまっすぐ格納庫へ向かわず、ダ・ヴィンチを助けに管制室の裏へ回る。管制室では、コヤンスカヤが黒い兵士たちを殺戮猟兵と呼んで指図していた。彼女はあるグラフを探し、兵士がサーヴァント一騎を捕らえ損ねたことに苛立っている。工房で合流したダ・ヴィンチは、トランクの中身が霊基グラフの複製だと明かした。マスターが契約した英霊との縁を写したもので、霊脈と電力さえあればマシュとともに英霊召喚をやり直せる。
東館の氷
格納庫のコンテナには、西館まで逃げたスタッフが乗り込んでいた。東館へ逃げた人々は、氷で塞がれた通路の先でみな凍りついた。ダ・ヴィンチは管制室で、東館を凍らせたのが一人の少女だと確かめている。少女はカルデアの外で召喚されたサーヴァントだった。カルデアとマシュの盾のほかに召喚の手段は無い、とマシュはDr.ロマンから聞いている。
脱出の直前、館内放送からゴルドルフの悲鳴が流れた。殺戮猟兵に追われる彼は、誰にも認められず愛されたこともないと泣き叫ぶ。スタッフは自業自得だと突き放したが、マスターはマシュとともに救出へ戻った。ダ・ヴィンチは、今度こそ間に合わせようと言って二人に付き添う(この場面を読む)。救われたゴルドルフは礼を言わず、召喚システムは動かずカルデアスは着いた途端に過負荷だったと不満を並べた。
格納庫へ戻る途中、コヤンスカヤが殺戮猟兵を連れて待ち伏せていた。彼女はゴルドルフの競売相手を暗殺し、その結果協会の邪魔なく目的を果たせたと明かす(この場面を読む)。ゴルドルフの買収は、襲撃の下準備に使われていたと分かる。続いて皇女と呼ばれる少女がヴィイの邪眼を開き、コヤンスカヤは彼女を異聞帯のサーヴァントと呼んだ。ダ・ヴィンチは対霊体閃光弾で隙を作り、一行は格納庫へ走る。
格納庫の別れ
格納庫まであと一歩のところで、言峰がダ・ヴィンチの心臓を背後から貫いた。ダ・ヴィンチは腕を抜かせず、背中で言峰を押しとどめる。マシュは置いていけないと拒み、マスターは別れを告げて彼女を連れ出した。三名がコンテナに収容され、ホームズはダ・ヴィンチがいないことを知る。コンテナは格納庫のレールから排出され、標高6000メートルの斜面を滑り下りた。
ダ・ヴィンチは最期に霊基グラフを託し、便利だから守ったのではないと言った。グラフはマスターたちの旅の証明で、自分ともういない人物の誇りでもあるという(この場面を読む)。言峰はキャスターの霊基消滅を確かめ、もう一騎のサーヴァントが隠されていたと気付く。報告書からホームズを消した備えは、ここで効いたと取れる。言峰は、逃げた11名の始末をコヤンスカヤに任せた。
狙撃でコンテナが横に回ったとき、中から新しいダ・ヴィンチの声が響いた。コンテナは外側の殻で、中身はダ・ヴィンチたちが半年かけて改造したシャドウ・ボーダーである。小さな姿のダ・ヴィンチは先代の記憶を受け継いだと名乗り、ホームズは彼女を万一のためのスペアボディだと説明した。低出力の人工サーヴァントで、虚数潜航艇の航行を補助するために作られている。カルデアの頭脳は失われたが、その記憶と機能の一部は新しい体に残った。
南極と通達
管制室では、言峰がアナスタシア皇女にカルデアスの凍結を促していた。自分たちにも防げない唯一の脅威は、レイシフトによる過去の修正だという(この場面を読む)。襲撃の狙いの一つは、カルデアが過去へ手を出す手段を断つことだったと取れる。ホームズは管制室の通信と動力が止まったのを確かめ、カルデアは崩壊したと告げた。車窓の氷原を見て、マスターはカルデアが南極にあったと知る。
マシュはDr.ロマンの部屋が残るカルデアへ戻ろうとしたが、体は限界でハッチも開けられない。そのころ空からは、隕石に似た物体がまっすぐに落ちてきた。続いてカルデアの周波数で、キリシュタリアの通達が届く。人類の文明は正しくなかったとして、彼は汎人類史への叛逆を宣言した。遠いソラから降臨した神が七つの種子で指導者を選び、最も優れた異聞の指導者が世界を更新するという。通達の中で、彼は次のように言い切った。
汎人類史は、2017年を以て終了した。
名乗った主は、コフィンから消えたAチームのリーダーだった。彼は7人のクリプターを代表し、カルデアの生き残りを旧人類の最後の数名と呼ぶ。海岸には殺戮猟兵が並び、アメリカ基地からも応答がない。ホームズはアトラス院で盗み見た手順をもとに、ペーパームーンの使用を提案した。成功率は三割以下で、出る先も分からない。それでも今後の戦いのために、シャドウ・ボーダーは現実から退去して虚数空間へ潜った。
得たもの/失ったもの
ダ・ヴィンチ
ホームズ
ダ・ヴィンチ
マシュ
ホームズ
言峰綺礼
アナスタシア
ダ・ヴィンチ
言峰綺礼
マシュ外の世界がどうなったのかは、この時点では分からない。地球から観測できる天体は消え、アメリカ基地は応答せず、ソナーには何も映らない。ダ・ヴィンチは最期に、マスターが知っていたカルデアはここで終わりだと告げた(この場面を読む)。マスターとマシュが生きていれば、その先に新しいカルデアがあるとも言い残している。
関連
用語集の該当ページ。
- カルデア / カルデアス / シバ / レイシフト
- 霊基グラフ / デミ・サーヴァント / 英霊召喚
- シャドウ・ボーダー / ペーパームーン / 虚数空間 / トリスメギストス
- Aチーム / クリプター / コヤンスカヤ / 異星の神
- 異聞帯 / 汎人類史 / 人理焼却 / グランドオーダー
- 魔術協会 / 時計塔 / 聖堂教会 / アトラス院
中心人物。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ(キャスター) / レオナルド・ダ・ヴィンチ(ライダー) / マシュ・キリエライト / シャーロック・ホームズ
- 言峰綺礼 / アナスタシア / キリシュタリア・ヴォーダイム
- カドック・ゼムルプス / ペペロンチーノ / ベリル・ガット
- オルガマリー・アニムスフィア / マリスビリー・アニムスフィア / ロマニ・アーキマン
前後の章。
出典: ゲーム内シナリオ全文コンコーダンス(tools/data/concordance/lines.jsonl、war 300 の本編スクリプト 0300000110〜0300000810)。