第二特異点 永続狂気帝国 セプテム
- 時代
- 西暦60年 / 第五代皇帝ネロ・クラウディウスの治世
- 舞台
- ローマ帝国(首都ローマ・ガリア・地中海の島・連合首都)
- 脅威
- 連合ローマ帝国。死んだはずの「皇帝」たちが帝国の半分を奪う
- 聖杯
- 連合首都の宮廷魔術師レフが所持。最後はアルテラが取り込む
発生タイムライン
- 西暦60年
- 到着当日
- 到着当日
- 到着翌朝
- ガリア到着の日
- ガリアからの帰路
- 島に渡った日
- ローマへの帰路
- 凱旋の日
- 進軍中
- 砦攻めの日
- 決戦の日
- 決戦の日
- 決戦の日
- 決戦の日
- 王宮戦の直後
- 帰還後
この章について
西暦60年のローマ帝国は、二つに割れている。首都ローマを中心とする正統ローマ帝国を治めるのは、第五代皇帝ネロ・クラウディウスである。残る半分は、死んだはずの「皇帝」たちが統べる連合ローマ帝国に奪われた。Dr.ロマンの知る史実では、皇太后アグリッピナの毒殺は先年のことで、ネロ晩年の危機はまだ先にある。首都の近くで本格的な戦いがあった記録もない。カルデアのマスターとマシュはネロの客将となり、二つ目の聖杯を追った。
連合の首魁は、ローマの建国王ロムルスだった。聖杯を持つのは連合の宮廷魔術師で、正体は冬木で所長を殺したレフ・ライノールである。神祖は人類の滅びを望んでいなかったので、レフは自分で手を下すしかなかったとDr.ロマンは見る。レフは七十二柱の魔神の一柱フラウロスを名乗り、その魔神柱が敗れると古代ローマを生贄にアルテラを喚んだ。アルテラはその場でレフを両断し、聖杯を取り込んだ。
連合の将のうち、一行の前に「皇帝」として現れたのはネロの伯父カリギュラとカエサルである。レオニダスはカエサルの穴を埋めるためにレフが喚び、ダレイオス三世は戦場の前方に突然現界した。ネロの側には、ブーディカをはじめ時代の側に立つサーヴァントが将として並ぶ。地中海の島の女神ステンノと、レフに喚ばれたアレキサンダーは、誰の命令でもなく自分の考えで動いた。
章の流れ
二つのローマ
一行が着いたのは首都ローマではなく、郊外の丘陵地帯だった。丘の向こうでは、首都へ向かう連合の大部隊を数名の小部隊が押し返している。率いていたのは皇帝ネロ本人で、一行は加勢して二度の波を退けた。続いて現れた敵将はネロの伯父カリギュラで、狂化したまま姪への執着を口にする。敗れたカリギュラは霊体化して退いた。
ネロの館で、帝国が割れた経緯が分かる。連合は前触れなく現れて帝国の半分を奪い、送った斥候は一人も戻らない。ネロ自身の宮廷魔術師も、すでにカリギュラの手にかかって死んでいた(この場面を読む)。この時代の魔術師をたやすく殺せる以上、相手はサーヴァントだとDr.ロマンは判断する。マシュと二人で、「皇帝」の誰かが聖杯を手にしたと見当をつけた。古代ローマ帝国の存続そのものが特異点で、その崩壊を防ぐことが修正になるとDr.ロマンは見立てている。
ネロは一行を客将に迎え、聖杯探しを後援すると約束した。Dr.ロマンは連合の前線にいるという魔術師をレフと疑い、二人を前線に置いてほしいと頼む。一行はその夜まで東門の防衛に立ち、翌朝にはエトナ火山の霊脈で召喚サークルを確立した。カルデアはこの時代でも、戦力を送り込める足場を得た。
ガリア遠征
エトナから戻ると、ネロは連合との最前線の一つであるガリアへの遠征を決めた。野営地で一行を迎えた将軍は、ブーディカとスパルタクスである。ブーディカはネロの軍団に殺されたブリタニアの女王で、自分の死の直後のこの時代に現界していた。復讐も考えたが、連合に荒らされる土地の人々を見て体が動いたという。ネロには死んだことを伏せ、生きていた好敵手だと思わせている。
ガリアを治める「皇帝」はカエサルだった。カエサルは本陣から動かず、兵には死なない程度に戦えと命じていた。一行が本陣に着くと、カエサルは最初の打ち合いのあとで褒美として聖杯の在処を告げる。聖杯は連合首都の城にあり、持ち主は宮廷魔術師の男だという。名前は伏せたまま本気を出し、カエサルは一行に敗れて消えた。
同じころ、連合の側ではレフが減った戦力を補っていた。カリギュラはネロを襲えという命令に逆らい、レフは令呪がないことを悔やんで別の術式をかける(この場面を読む)。そのうえで、カエサルの代わりにレオニダスを喚んだ。レフは英霊を自在に喚べても、思いどおりに動かせてはいないと分かる。
ガリアは名実ともにネロの手に戻った。ネロは名君カエサルを客将の手にかけさせたと受け止め、ローマを取り戻すまで立ち止まらないと誓う。時代の側に立つはぐれサーヴァントは、オルレアンに続いてこれが二例目になる。Dr.ロマンは冬木を数えれば三例目だと言い、すべての特異点に同じ味方がいると見込んだ(この場面を読む)。
女神の島
ガリアからの帰路、地中海の島に古き神が現れたという噂が数日で四度も耳に入った。Dr.ロマンは、神霊がサーヴァントとして現界するのは不可能に近いと答える。ネロは帰りを海路に変え、自ら舵を取って島へ渡った。待っていたのはゴルゴン三姉妹の一柱、女神ステンノである。
ステンノは祝福と称して洞窟の宝を示したが、奥にいたのは骸骨の群れとキメラだった。仕掛けの試運転には、ステンノが現界のときに連れてきたエリザベートとタマモキャットが付き合っていた。そこへ海からカリギュラが上陸し、ネロは伯父に引導を渡すと宣言して一行とともに討ち取る。島に上がろうとしたサーヴァントを退けた礼も兼ねて、ステンノは連合首都の正確な位置を教えた。
Dr.ロマンはステンノの反応に、数値で測れるほどの神性を見た(この場面を読む)。サーヴァントになった神霊は力を削られているはずだ、という見立てもステンノは否定しない。戦うことを求められない女神もいる、というのが本人の言い分だった。直前に出た不可能という結論は、ここで例外を抱えた。
二人目の「皇帝」カリギュラが倒れ、所在の分からなかった敵の首都が座標で分かった。ネロは連合首都への本格的な侵攻を決める。
炎門と特別遠征軍
首都を目前にした帰路で、一行は拠点を守るレオニダスとぶつかった。従える数百の兵はサーヴァントに近い気配を持ち、Dr.ロマンは宝具によるものと見る。レオニダスは義のない戦いだと認めたまま戦い、守るもののない戦いだったと言い残して消えた。蘇ったのが「皇帝」だけではないと知り、ネロはブーディカも死者ではないかと疑い始める。
ガリアからの凱旋で首都が沸いた日、別働の特別遠征軍が連合の大軍に足止めされた。救援に向かった一行は、ネロの客将として戦う荊軻と呂布奉先に会う。荊軻は、二人ですでにサーヴァントの「皇帝」を三体殺したと話した(この場面を読む)。連合の「皇帝」は、一行が会った者で全部ではなかったと分かる。
呂布を除けなかったと知ったレフは、ライダーのサーヴァントを新たに喚んでネロの抹殺を命じた。姿を見せない声が、その英霊に連合の軍勢を貸し与える。ガリアからはブーディカとスパルタクスが合流した。マシュを含めて五騎のサーヴァントを擁する正統ローマ軍が、連合首都への進軍を始める。
大王の問い
進軍は日々続き、連合はサーヴァントを出さないまま押されていった。後方への奇襲は二度あり、二度目で呂布とスパルタクスは敵を追って戦線を離れる。前方ではダレイオス三世が現界して一行を足止めし、その間に左右からの別働隊がブーディカを捕らえた。荊軻が見つけた敵の砦で待っていたのは、レフに喚ばれたアレキサンダーと軍師のロード・エルメロイⅡ世である。
エルメロイⅡ世は、バーサーカーの二騎を誘導しやすい自動機械と見ていた。二正面の奇襲は、その見立てどおりに組まれている。前方のダレイオス三世については、アレキサンダーが女神の島の噂から連鎖的な召喚を思いつき、自分の好敵手が連なって喚ばれたと見ていた。マスターと相性が合わず自分の意思でここにいる、と大王は言う。目的は、戦場の真ん中でネロと話すことにあった。なぜ連合に下らず戦い続けるのかと問われ、ネロは今この時に皇帝として立つのは自分ひとりだと答える(この場面を読む)。
アレキサンダーはその答えに合格を出し、覇王にも魔王にもなれると言い添えた。ネロはそれ以上の言葉を拒み、一行に大王を討たせる。消える前のアレキサンダーは、花のような輝きは尊いが危ういものでもあると忠告を残した。ネロは自分は間違っていないと繰り返した。捕らわれていたブーディカは、決戦までに一行のもとへ戻っている。
神祖ロムルス
連合首都での決戦の日、王宮の入口に巨躯の男が現れ、ネロを愛し子と呼んで招いた。魔術もスキルも働いていないのに、ネロは一瞥でその男がローマそのものだと悟る。男は自らを連合帝国の首魁と名乗り、ネロは建国王ロムルスの名を呼んだ。攻め入った正統ローマ軍に、連合の兵は命を捨てる覚悟で向かってくる。ブーディカによれば民までが兵士気取りで襲いかかり、荊軻は連合の人間を盲目的と見た。
マスターと二人になったネロは、伯父やカエサルのとき以上にこたえたと認めた。自分の歩みが誤りなら、神祖に下って判断を任せたいとまで言う。それでも下れない理由は、連合の民も兵も誰ひとり笑っていないことにあった(この場面を読む)。どれほど完璧な統治でも笑い声のない国は認めない、というのがネロの結論と分かる。
ネロには、ほかにも説明のつかない兆しがある。ガリアを発つ前、ブーディカはネロがときどき呆け、そのとき薄い魔力を感じると一行に打ち明けていた。ロムルスはネロの内なる獣さえ愛そうと言い、アレキサンダーはネロを人間の業を示す獣にたとえた。どれも、この特異点の中では理由が分からないまま終わる。
話し終えたネロは明るさを取り戻し、離脱していた呂布とスパルタクスも戦列に戻った。連合首都は首都ローマによく似た都市で、城の中まで似せて作られている。荊軻の見つけた経路から少数で王宮に入り、一行は玉座のロムルスを倒す。神祖は呼びかけを繰り返さず、ネロの輝きを認めて槍を執っていた。消える前に、ロムルスは真紅と黄金の帝国をネロと後に続く者たちに託す。ローマは永遠であり、だから世界も永遠でなければならない、と言い残した。
魔神フラウロス
ロムルスが倒れたあと、玉座の間に聖杯を携えた宮廷魔術師が現れた。レフ・ライノールである。レフはロムルスの危急を見過ごしていた。フランスでの失敗のせいで神殿から追い返され、この時代の後始末に来たと本人が漏らす。オルレアンでは、時代を狂わせる者に聖杯を渡せば済んだ。この時代には人類の滅びを望む者がいなかったので、レフが自ら干渉するしかなかったとDr.ロマンとマシュは読み解く。
レフは人の姿を捨て、地に突き立つ巨大な肉の柱になって七十二柱の魔神の一柱フラウロスを名乗った。Dr.ロマンの観測では、サーヴァントでも幻想種でもなく、伝説上の悪魔の反応だった(この場面を読む)。魔神など実在しないはずだと打ち消しながら、Dr.ロマンはこの場での撃破を指示する。レフはこの姿を、王の寵愛そのものと呼ぶ。冬木でレフが口にした王は、魔神を従える側にいると取れる。
魔神柱が退けられると、レフは神殿を離れて久しいせいだと言い訳し、備えていた手を使った。古代ローマそのものを生贄にして、破壊の大英雄アルテラを喚ぶ。七つの人理定礎の一つを完全に壊すための召喚だったが、アルテラは口上の途中でレフを両断した。聖杯はそのままアルテラに吸い込まれ、アルテラは対城宝具を放つ。
神の鞭
マシュの盾にブーディカの宝具を重ね、一行は光をかろうじて防いだ。王宮の入口で暴れていた呂布とスパルタクスは光をまともに浴び、戦力から外れる。アルテラは連合首都を出て、首都ローマの方角へゆっくり歩き出した。冬木の聖剣を思わせる魔力量を前に、マシュは勝てるかどうかをためらう。
ネロは、ローマの名がいつか忘れられても、ローマが植えた芽は形を変えて続くと語った。皇帝や国や名が変わっても続くその営みを、ネロはカルデアが守る人理と同じものと呼ぶ(この場面を読む)。ネロ自身もよく分からないと認めたが、Dr.ロマンはこの言葉で勇気が出たと答えた。根拠のはっきりしない確信が、一行を追撃に向かわせたと分かる。
アルテラの魔力に引かれてワイバーンの群れが湧き、数倍に膨らんだ群れをブーディカと荊軻が引き受けた。行く手を阻んだネロは、なぜ世界を滅ぼすのかと問う。アルテラはフンヌの戦士で破壊の大王だという名乗りを繰り返し、一度だけ美しさも愛も知らないと返した。Dr.ロマンは、聖杯と一体化して暴走しているので対話では止まらないと見た。
倒れたアルテラは、自分の剣でも壊せないものが世界にあると知り、少し嬉しいと言って消えた。聖杯は一行の手に戻る。足元から薄れていく一行に、時代が修正されれば連合との戦いの記憶も残らないとマシュは伝えた。ネロは別れを言わず、感謝と薔薇を捧げると礼を述べた。
聖杯という法
帰還したカルデアで、レオナルド・ダ・ヴィンチは聖杯の正体を説明した。聖杯は、その空間で魔力をどう使うかを定める法(のり)で、世界のルールにあたる。本来は形を持たないものを、レフは結晶にして持っていた。カルデアには仕組みを解析する力はないが、封じることはできる。
出撃前に示された作戦の要旨は、特異点の調査と修正に加えて聖杯の入手と破壊だった。持ち帰った聖杯は壊さず、マシュの盾に細工した空間に収めてある(この場面を読む)。聖遺物は聖遺物の中に、という理屈である。盾に入る聖杯は一つで、カルデアが探索のたびに中身を回収する。聖杯は壊す対象から、封じて持ち帰る対象に変わったと分かる。
レフを追うという当初の目的は果たされた。ただ、レフはアルテラに殺され、人類を裏切った理由も目的も聞き出せていない。レフは魔神柱を指して、我らの御柱と複数形で呼んでいた。Dr.ロマンはそこから、レフと同じ役割の敵がまだいると見る。残る特異点は五つで、カルデアにできるのは聖杯を一つずつ回収することだった。
得たもの/失ったもの
ネロ
マシュ
ロムルス
アルテラ
ダ・ヴィンチ
マシュ
ステンノ
ネロ
ブーディカ
荊軻
アルテラ
カリギュラ
カエサル
ネロ失ったものの多くは、時代の修正とともに無かったことになる。帰還したマシュが気にかけたのは、ローマに残ったネロだった。尊敬した先達を倒し、好敵手たちとも別れて、ネロは広い帝国にひとりで残る。それでもマシュは、何度も死にかけた旅を楽しかったと振り返った。
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中心人物。
- ネロ・クラウディウス / マシュ・キリエライト / ロマニ・アーキマン
- レオナルド・ダ・ヴィンチ / フラウロス / ロムルス / アルテラ
- ブーディカ / スパルタクス / 荊軻 / 呂布奉先
- ガイウス・ユリウス・カエサル / カリギュラ / レオニダス一世 / ダレイオス三世
- アレキサンダー / 諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕 / ロード・エルメロイⅡ世
- ステンノ / エウリュアレ / エリザベート・バートリー / タマモキャット
前後の章。
- 前章: 第一特異点 邪竜百年戦争 オルレアン
- 次章: 第三特異点 封鎖終局四海 オケアノス
出典: ゲーム内シナリオ全文コンコーダンス(tools/data/concordance/lines.jsonl、war 102 の発話 5,256 件 / スクリプト 192 本)。うち本編は 69 本・2,054 件で、残りは同じ war に紐づく幕間の物語。出撃前のブリーフィング(スクリプト 0100020010)は /story 再生データが無いため、本文中でリンクを張っていない。





