Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
- 時代
- 女王暦2017年 / 女王モルガンが治める妖精國
- 分岐点
- B.C.12000(1万4千年前) / 星の内海で聖剣が造られない
- 暦
- 女王暦(それ以前は妖精暦)
- 舞台
- 光の壁に囲まれたブリテン島。氏族の街と、大穴の縁のキャメロット
- 脅威
- 崩落。島の消滅が白紙化地球へ伝わり、惑星ごと無に帰す
- 聖杯
- 聖杯は出てこない。空想樹は女王暦元年に止まり、のちに燃やされた
発生タイムライン
- 妖精暦4000年
- 妖精暦400年
- 妖精暦400年末
- 女王暦元年
- 西暦・出撃当日
- 女王暦2017年 上陸日
- ソールズベリー着翌日
- 競売の夜
- シェフィールド落城の夜
- 滞在26日目
- 滞在27日目
- 滞在30日目
- ノリッジ攻略の朝
- ロンディニウム籠城中
- 防衛戦の日
- 防衛戦の翌日
- オークニー到着日
- 通告の翌日正午
- 44日目の1日半前
- 滞在45日目
- 戴冠式の日
- ボーダー発進2時間後
- 楽園での3時間
- 出現まで30分
- 出現から20分
- 閉塞まで5分
- 西暦・待機50日
この章について
第6の異聞帯はブリテン島にある。人間ではなく妖精が治める妖精國で、女王モルガンの支配は2000年に及ぶ。年号はモルガンの支配から数える女王暦で、汎人類史の西暦と同じ年に始まった。カルデアが上陸した年は女王暦2017年にあたる。その前の時代は妖精暦と呼ばれ、救世主トネリコの伝説が残っていた。
この島に空想樹はもう無い。空想樹は女王暦元年に働きを止め、数ヶ月前にオリュンポスへの攻撃で燃やされた。ダ・ヴィンチは女王暦の妖精國を異聞世界と呼び、新しい編纂事象の一つと見ている。それでも島は滅びに向かい、その消滅は白紙化した地球へ伝わって惑星ごと無に帰すと予測された。カルデアはこれを崩落と呼び、原因の調査と聖槍ロンゴミニアドの確保を目的に上陸した。
異聞帯の起点は1万4千年前にある。汎人類史では、星の内海で造られた聖剣が白い巨人セファールを退けた。このブリテンでは、聖剣を造る係の『ろくにん』が仕事を怠けた。地上の滅びを招いた『ろくにん』は、監督役の神ケルヌンノスと最後の人類である巫女を殺している。過ちを正すために楽園から送られた妖精は二人いた。一人目のヴィヴィアンはモルガンになって使命を拒み、二人目が『予言の子』アルトリア・キャスターである。
モルガンは決戦のさなかに妖精たちの手で殺された。そのあと島には大厄災が起こり、大穴の底からケルヌンノスの死骸が起き上がる。これを祓った直後、道案内を務めてきたオベロンが正体を現した。オベロンはブリテン島の意思が生んだ奈落の虫で、妖精國は虫に呑まれて消えた。カルデアが持ち帰ったのはロンゴミニアドではなく、聖剣の基型である。
章の流れ
崩落と名なしの森
リンボの撃滅から3週間後、シオンはブリテン異聞帯が24時間後に消えると告げた。消滅は津波のように白紙化地球へ伝わり、惑星は重力崩壊して無に帰す。オリュンポスの空想樹を撃った聖槍ロンゴミニアドは、ブリテンの異聞帯の王が放ったものだった。カルデアは異星の神への切り札としてこれを求め、王との交渉を目的の一つに据える。
ストーム・ボーダーは光の壁を破ったところで機能を失い、島の南西沖に不時着した。ホームズとネモは重い不調に陥り、霊基グラフの英霊もすべて止まる。動けるのは、デミ・サーヴァントのマシュとホムンクルスの体のダ・ヴィンチだけだった。ゴルドルフは45日以内の生還を期限に定める。
ダ・ヴィンチはこの島を、英雄が存在しない歴史と診た(この場面を読む)。弓の名人も王も生まれない土地には、汎人類史の英霊が立つ土台も無い。上陸直後にトリスタンが呼び出されたのは、コーンウォールという土地の縁による例外と取れる。
一行は霧の立ちこめる名なしの森に迷い込み、名前と記憶を失ってはぐれた。主人公はコーンウォールの村で目を覚まし、そばの少女は呼ばれるままにマシュと名乗る。人間だと知られた途端に村の妖精は殺し合いを始め、二人は村を逃れた。そこへ妖精王オベロンが現れ、少女はアルトリア・キャスターの名を取り戻す。主人公の数える日数は実際より10日ほど短い、と後にダ・ヴィンチは見立てた。
女王暦の妖精國
一行は南部の自由都市ソールズベリーに着き、酒場で働いていたダ・ヴィンチと再会した。ダ・ヴィンチによると、年号はモルガンの支配から女王暦に改められ、その切り替わりは西暦と一致する(この場面を読む)。外の汎人類史は西暦2017年で止まり、妖精國は女王暦2017年にある。その前の妖精暦には、何度も厄災から島を救った救世主トネリコがいた。
妖精國の人間は、妖精に飼われる道具だった。オベロンによると、妖精は一万四千年のあいだ人間を飼育し、その創造力を娯楽にして栄えてきた。妖精のほうも令呪を刻まれ、年に一度の存在税で生命力を取り立てられる。払えない妖精は死ぬ。ダ・ヴィンチの聞き込みでは、ブリテンの外の国を知る者は一人もいなかった。鏡の氏族の長は16年後に救世主が現れると予言しており、女王は今年16歳になる妖精を捕らえて幽閉していた。
オベロンはアルトリアこそ予言の子だと明かした。予言では、六つの鐘が響くとき偽りの女王が倒される。風の氏族長オーロラは陰で手を貸すと約し、ノリッジの厄災溜まりを祓えば鐘を開くと条件を出した。西の人間牧場では、パーシヴァルの円卓軍が収容された人間を解き放つ。そこへ妖精騎士ガウェインが現れ、トリスタンは追撃を食い止めて倒れた。
グロスターの競売
キャメロットの氏族長会議で、モルガンは女王暦2017年の終わりに妖精國がこの星の支配者になると公言した。光の壁を消し、外の世界を自分たちの世界で上書きするという。オベロンはモルガンの真の目的を、地球全土の妖精郷化と説明している(この場面を読む)。後にベリルの前でモルガンが挙げた敵は、オリュンポスの異聞帯だけだった。
翅の氏族長ムリアンが治めるグロスターでは、競売の目玉に予言の子が出品された。中身は千子村正で、アルトリアは妖精騎士トリスタンと競り合って落札する。ムリアンは満座の前で、アルトリアが本物の予言の子であり、主人公が汎人類史のマスターであると明かした。
村正は異星の神の命令で、異聞帯の王を始末しに来ていた。ブリテンが予定にない成長をしている、というのが命令の理由である(この場面を読む)。異星の神にとっても、この島は計算の外にあると分かる。村正は玉座に迫ったところを妖精騎士ランスロットに阻まれて大穴へ落ち、以後はモルガンを倒すまで一行に加わった。
シェフィールドの鉄の妃
はぐれたマシュは記憶を失ったまま、行商の妖精たちにシェフィールドへ運ばれた。領主ボガードは彼女を62人目の花嫁に迎え、仕立屋のハベトロットが盾の書き込みからマシュの名を読み取る。ボガードはノリッジの厄災溜まりの排除を掲げ、女王に兵を挙げた。
女王軍は三人の妖精騎士とベリル・ガットを加えて街を囲んだ。ボガードが撃ったブラックバレルは女王兵600翅あまりを消したが、その毒は味方と住民も殺した。マシュは妖精騎士ギャラハッドを名乗ってランスロットに挑み、白い狼の正体だった賢人グリムに救われる。天守では妖精騎士トリスタンがボガードの心臓を魔術で解体し、ベリルは自分こそモルガンのマスターだと名乗った(この場面を読む)。
街は落ち、ボガードは逃げ延びた洞窟で息を引き取った。マシュはハベトロットと白い狼を連れ、ノリッジを救うために旅立つ。
ノリッジの厄災
オベロンの領地ウェールズの森で、主人公とダ・ヴィンチはアルトリアの巡礼に手を貸すと決めた。グロスターから付いてきた妖精ガレスが見習い騎士として加わり、一行は妖精國滞在26日目に港町ノリッジへ着く。土の氏族長スプリガンが紹介した予言の子、妖精騎士ギャラハッドはマシュだった。ただし記憶は戻っていない。街ではペペロン伯爵を名乗るペペロンチーノが一行を匿った。
翌27日目、海から千を超えるモースが押し寄せ、続いて巨大な呪いの手が現れた。桟橋で盾を構えたマシュの背に主人公が手を添え、令呪で支える。マシュは記憶を取り戻し、厄災を押し返した。その直後、空の暗雲からモルガンの水鏡が降り、マシュは一行をかばって消える。
ボーダーの分析では、暗雲は厄災溜まりではなかった。100km以上離れた場所からモルガンが放った転移の魔術である(この場面を読む)。マシュの専属を名乗るハベトロットが一行に残り、女王は予言の子との謁見を許した。
女王の宣戦
妖精國滞在30日目、一行は妖精騎士ガウェインの護送でキャメロットに着いた。道中でガウェインは、女王暦1000年のモース戦役で嵐の王を討ったのがウッドワスだと話している。謁見の場でベリルは女王の夫を名乗る。モルガンはアルトリアを本物の予言の子と認めたが、ロンゴミニアドを渡すことは拒んだ。崩落は自分の領土の拡大であり、汎人類史の敵は自分だという。宣告は「おまえたちの世界を救いたければ、私を倒せ。」(この場面を読む)。
巡礼の鐘を鳴らすまで、諸侯は一行を攻撃してはならない。鳴らせば女王はカルデアともども敵として兵を挙げる。マシュの居場所を問われると、モルガンは盾の騎士を捕らえているとだけ答えた。
城を出たダ・ヴィンチは矛盾に気づく。2017年の末に来たベリルが、2000年前から君臨する女王を召喚できるはずがない(この場面を読む)。キャメロットの正面には、十基を超えるロンゴミニアドが据えられていた。
妖精暦400年のマシュ
水鏡がマシュを運んだ先は、女王暦2017年から約2400年前の妖精暦400年だった。空想樹は健在で、島を囲む光の壁もない。マシュは救世主トネリコと妖精騎士トトロット、黒騎士エクターの旅に加わる。人間の騎士ウーサーが五つの氏族をまとめ、ロンディニウムでの戴冠を半年後に控えていた。
トネリコの考えでは、妖精暦は空想樹の上の歴史で、何が加わっても女王暦の始まりは動かない(この場面を読む)。モルガンが厄災を妖精暦へ送っていたのは、そのためと分かる。大穴を7450mまで降りたマシュは、底にいる死んだ神ケルヌンノスを見た。トネリコの選定の槍は反転して大聖堂に封じられ、使い手の寿命を吸う武器になっていた。
妖精暦400年の終わりにロンディニウムは滅び、マシュはオークニーで初代妖精騎士として棺に眠った(この場面を読む)。女王暦との食い違いを隠すための、トネリコの策である。トネリコは空想樹を枯らしに向かい、妖精暦は400年後の冬の戦争で終わった。
円卓軍と三つの鐘
キャメロットを離れた一行は、北の女王ノクナレアに捕まって勝負に勝ち、解放された。王の氏族を率いるノクナレアは、モルガンと戦いながら人間の円卓軍も潰すと言う。一行は人間の拠点ロンディニウムで、円卓軍を率いるパーシヴァルと手を組んだ。円卓軍を組織して資金を出していたのは、オベロンだった。
スプリガンが女王軍を呼んでノリッジの妖精を粛清しようとすると、円卓軍とアルトリアは夜通し行軍して街を押さえた。アルトリアはノリッジで一つ目の巡礼の鐘を鳴らす。スプリガンの正体を、ダ・ヴィンチは汎人類史から流れ着いた人間と見抜いた(この場面を読む)。鐘が鳴るとすぐ、モルガンは予言の子を国の外敵と宣告している。
ロンディニウムの籠城中、妖精騎士ガウェインの率いる女王軍がウェールズの森を焼いた。救援は半日遅く、アルトリアは真名バーゲストを暴いて彼女を退ける。バーゲストはマスターを殺せという命令を拒み、兵を引いた。ソールズベリーでオーロラが二つ目の鐘を開いたあと、ペペロンチーノは異聞帯の行く末について提案を持ちかける。この異聞帯は空想樹を切除しても消えない新しい人類史で、妖精は汎人類史へ移り住める、という案だった(この場面を読む)。アルトリアはモルガンを倒すのが先だとして、これを退けた。
防衛戦の日、牙の氏族長ウッドワスがロンディニウムへ総攻撃をかけた。背後に回ったパーシヴァルの隊とガレスの突撃で流れが変わり、パーシヴァルの選定の槍がウッドワスを敗走させる。パーシヴァルの隊が女王の援軍に阻まれなかったのは、オベロンが前夜にコヤンスカヤと取引していたからだった(この場面を読む)。翌日のムリアンの舞踏会で、アルトリアは三つ目の鐘を鳴らす。妖精騎士トリスタンの正体は、ダーリントンの吸血鬼バーヴァン・シーと暴かれた。
竜と雨の氏族
一行は少人数で北のオークニーを目指した。途中のマンチェスターで、バーゲストはキャメロット攻めでの寝返りを約す。見返りは、ボーダーで妖精500人を汎人類史へ連れ出すことだった。バーゲストは愛した恋人を食らってきた妖精で、今は病弱な人間の少年アドニスを館に守っていた。湖水地方では、竜の骸を狙ったコヤンスカヤを妖精騎士ランスロットが退けた。ランスロットは暗い沼のメリュジーヌと名乗り、自分はアルビオンの末裔だと告げる。沼の肉片だった彼女を抱き上げ、妖精の姿と名を与えたのはオーロラだった。100年前にモルガンの誘いで妖精騎士となり、パーシヴァルを姉として10年見守ってきた。
北の果てのオークニーでは、賢人グリムが待っていた。正体はクー・フーリンで、神霊オーディンの代理として1年前から召喚されている。崩れた城の鐘撞き堂で、マシュは2400年のあいだ氷の棺に眠っていた。棺が開く前に、トネリコとマシュの最後の会話が挟まる。ウーサーを毒殺されたトネリコは救世を捨て、マシュを棺に納めて真名モルガンを告げていた(この場面を読む)。
目覚めたマシュの話をもとに、ダ・ヴィンチは妖精暦をB.C.の年に読み替えて年表を組んだ。B.C.4000年、楽園の妖精を育てた雨の氏族は四つの氏族に滅ぼされる。本来の歴史では楽園の妖精もここで死に、島はB.C.1年の大厄災で死の大地になるはずだった(この場面を読む)。楽園の妖精が生き延びた二度目の歴史が、今の妖精國につながると分かる。アルトリアはここで四つ目の鐘を鳴らした。
北の同盟とクリプター
エディンバラでは、モルガンがノクナレアに最後通告を送っていた。予言の子を討たなければ、先代の女王と結んだ条約を破るという。ノクナレアは自分の下につくことを同盟の条件にし、アルトリアは一対一の勝負で応えた。菓子作りの勝負に負けたノクナレアは、北の軍の指揮権をアルトリアに譲る。グリムは軍師として北の軍に残った。
オックスフォードへ向かう途中、バーヴァン・シーが呪物の失意の庭に主人公とアルトリアを閉じ込めた。二人を救い出したのはマシュで、ペペロンチーノも手を貸している。その頃ベリルは、モルガン召喚の経緯を思い返していた。汎人類史のモルガンを召喚した翌朝、そこにいたのは異聞帯のモルガンだった。召喚されたモルガンは数時間でレイシフトを解き明かし、自分の情報を妖精暦4000年の楽園の妖精へ送っていた(この場面を読む)。異聞帯ですら2000年前に滅びるブリテンを、モルガンは許せなかった。
ニュー・ダーリントンの地下で、ベリルの実験が生んだモース人間は数百人に及んだ。ペペロンチーノは一人でそれを殺し、呪いを背負う。ウッドワスの霊基を写したベリルが彼に致命傷を与えると、呪いはベリルへ移った。ベリルは逃げ延び、ペペロンチーノは息を引き取る。
円卓軍はオックスフォードを無血で開かせ、五つ目の鐘が鳴った。投降した牙の氏族を、ムリアンは自分の妖精領域に閉じ込めて皆殺しにする。かつて翅の氏族を滅ぼされた復讐である。その直後、ロンディニウムは円卓軍に紛れた兵に内側から焼かれた。ガレスは子供を守って戦い、自分が鏡の氏族の生まれ変わりだと悟って死ぬ。巡礼の鐘は、命を終えた氏族長の亡骸が変わったものである。アルトリアはガレスの亡骸で六つ目の鐘を鳴らした。
女王の最期
妖精國滞在44日目の夕刻、円卓軍と北の軍が合流し、ノクナレアはモルガンに宣戦を布告した。翌朝の決戦で、バーゲストは密約どおり女王軍を離れ、ランスロットは自ら負けを認めて退く。城下で倒したモルガンは分身で、本体は玉座から反乱軍を焼き払った。オベロンはアルトリアをかばって消える。
玉座の間には、スプリガンの手引きでウッドワスが乱入した。オーロラに吹き込まれた嘘を信じたウッドワスはモルガンを殴り倒し、その直後に事切れる。スプリガンが謀反を起こし、オーロラは風の報せでモルガンの正体を島じゅうに告げた。掌を返した上級妖精たちが、兵士の剣でモルガンを殺す。公の発表は、女王はオーロラの騎士に処断された、というものだった。
倒れる前の独白で、モルガンは自分の動機を明かしている。汎人類史のモルガンから知識を受け継ぎ、楽園の使命に背いて自分のブリテンを築いた。愛していたのは妖精ではなく、ブリテン島そのものだった(この場面を読む)。最期の言葉も、ブリテンを失いたくないという願いである。娘のバーヴァン・シーは妖精たちに斬りつけられて捨てられ、大穴へ身を投げた。
戴冠式と大厄災
モルガンが倒れ、ゴルドルフは作戦の完了を宣言した。妖精たちはロンゴミニアドを一基贈ると約し、滞在はあと7日と決まる。ホームズは、一度目の妖精暦を終わらせた大厄災の行方が分からないと警告した(この場面を読む)。予言にあるあかい災いとくろい災いのことである。アルトリアは王位をノクナレアに譲り、ソールズベリーの大聖堂で戴冠式が開かれた。ノクナレアは式の前に、玉座の正体をグリムに明かしている。トネリコが作った召喚者の玉座で、妖精暦の終わりに死んだ妖精すべての命を回し続ける仕掛けだった。
式の最中にノクナレアは倒れた。毒の酒と王の氏族の告発に加え、忠誠を失って霊基が縮み、最後は衛士の槍に貫かれた。一行は殺害の疑いをかけられて街を逃れ、島の各地でモースが湧き出す。グリムは大厄災の始まりを告げた。
くろい災いはバーゲストだった。マンチェスターの住民を殺した彼女を、ホームズは獣の厄災と名づける。大穴からは見えた部分だけで2kmを超える獣神ケルヌンノスが現れ、その手がキャメロットを壊した。瀕死のムリアンはコヤンスカヤに島を守ってと託し、ソールズベリーではメリュジーヌがオーロラを刺して人の姿を失う。6年前に鏡の氏族を滅ぼしたのは、オーロラの思いつきに従ったメリュジーヌだった。
ホームズは、滅びが地球全土に広がって異聞帯も汎人類史も消えると見た。そこへマーリンの声が届く。ブリテン異聞帯は特異点として育って汎人類史になった、それを正せば妖精國は無かったことになるという(この場面を読む)。カルデアがこれまで修復してきたものと同じ種類の歪みだと、マーリンは言い添えた。
楽園と聖剣
マーリンに導かれて、主人公たち四人は霊洞アルビオンから星の内海へ向かった。同行したのはマシュとアルトリアと村正で、作戦の時間は3時間である。洞窟の壁には巫女の記憶が映り、マーリンが創世の真相を語った。1万4千年前、聖剣を造るはずの『ろくにん』は仕事を怠け、人類はセファールを倒せないまま滅んで地上は無の海になる。『ろくにん』は監督役のケルヌンノスを毒酒で殺し、巫女を人間の素にした(この場面を読む)。大穴は、ケルヌンノスの遺体が取り残された干上がった海だった。妖精國の人間は、みなこの巫女を組み替えた複製体である。ロンディニウム防衛戦の前夜にダ・ヴィンチが見抜いたとおり、子を生む力がなく寿命も決まっている。
楽園の妖精の使命は、氏族に罪を認めさせて聖剣を造る神秘を継ぐことにあった。巡礼の鐘は氏族長が罪を認めた証で、すべてを鳴らした妖精は聖剣そのものになる。ヴィヴィアンだったモルガンは、聖剣を造れば異聞帯の前提が消えるとしてこれを拒んでいた。
楽園の関門で、アルトリアは自分の過去と向き合った。ティンタジェルでの虐待、鍛冶師エクターへの弟子入り、巡礼の失敗の記憶である。選定の場でアルトリアが聖剣の材料として溶けかけたとき、村正が鍛冶を引き継いで消えた。アルトリアは聖剣の基型を抱えて戻り、マーリンはケルヌンノスの時間を2時間巻き戻した。
ケルヌンノスと奈落の虫
ボーダーへ戻った一行を、三つ目の厄災である竜骸アルビオンが襲った。16歳のパーシヴァルは選定の槍に寿命を削られ、体は26歳まで老いていた。その彼が艦首で囮に立ち、選定の槍で竜の心臓を貫いて砕け散る。竜は炎の中へ落ちる前に、彼を弟と呼んだ(この場面を読む)。ノリッジへ降りたマシュの盾を介して、汎人類史のガウェインとランスロットが一時召喚された。マシュは二人とともに、黒犬の厄災となったバーゲストを祓う。直後にマシュを襲ったベリルは、モースの呪いに侵されて倒れた。
大穴の上の戦いで、アルトリアは一人でキャメロットの玉座へ降りた。玉座につながる12基のロンゴミニアドを撃っても、ケルヌンノスは倒れない。アルトリアは回線を自分の心臓へ移し、聖槍を聖剣に変えて残る魔力を撃ち尽くす。玉座には杖だけが残った。ハベトロットは隠していたブラックバレルをマシュに返し、マシュに思い出されて消える。正体は妖精暦の初代妖精騎士トトロットだった。マシュは令呪を受け、ブラックバレルで神核を撃ち抜く。グリムは、カルデアに聖剣を与えるのが自分の役目だったと告げて去った。
その直後、島じゅうで大地が舞い上がる崩落が始まった。オベロンは真名をオベロン・ヴォーティガーンと明かす。ブリテン島の意思が形を取ったもので、妖精國を滅ぼす奈落の虫そのものだった。ホームズはそのクラスを役を羽織る者、プリテンダーと名づける。オベロンは偽のブリテンの消滅に加えて、人類史の根絶を目的に挙げた(この場面を読む)。
ボーダーは虫に呑まれた。主人公の呼びかけに、楽園の妖精のまま英霊になったアルトリアが応え、オベロンを討つ。敗れたオベロンは、夢の中で本音をこぼした。妖精國はモルガンが描いた1万4千年の絵本で、それを空想と嘲る汎人類史が許せなかったという。出口のない虫の中を切り裂いたのは、最後に飛んだ竜骸の熱線だった。竜は妖精騎士メリュジーヌの名を取り戻して砕け、ボーダーは裂け目から抜け出す。オーロラは刺されてから数刻後、空の竜を見上げて息絶えた。
得たもの/失ったもの
マシュマスター
マシュ
アルトリア
アルトリア
千子村正
マーリン
ダ・ヴィンチ
マシュ
アルトリア
トリスタン
千子村正
パーシヴァル
アルトリア
ハベトロット
モルガンノクナレア
バーゲスト
メリュジーヌ
バーヴァン・シーボーダーは汎人類史の空、ブリテン島の上へ戻った。ゴルドルフは異聞帯の攻略完了を宣言し、シオンは崩落を23時間58分で止めたと伝える。主人公は妖精國を、修復された特異点と呼んだ。剪定されて修復された違う世界でも星の記憶には残る、とダ・ヴィンチは応じている(この場面を読む)。
シオンは次の課題を挙げた。ブリテンから飛び去ったビーストの幼体、過去最大の特異点が起こるおそれ、外せないカドックの大令呪である。欠員なしで勝てるのはここまで、というのがシオンの見立てだった。
関連
用語集の該当ページ。
- 異聞帯 / 空想樹 / 剪定事象 / 編纂事象 / 汎人類史
- 妖精 / アヴァロン / 星の内海 / 聖剣 / 竜種 / 神霊
- 特異点 / 白紙化 / 彷徨海 / 英霊の座
- クリプター / 異聞帯の王 / 異星の神 / コヤンスカヤ / 円卓の騎士
- ストーム・ボーダー / シャドウ・ボーダー / トリスメギストス / レイシフト
- 霊基グラフ / デミ・サーヴァント / プリテンダー / 令呪
中心人物。
- アルトリア・キャスター / モルガン / オベロン / マシュ・キリエライト
- メリュジーヌ / バーゲスト / バーヴァン・シー / パーシヴァル
- 千子村正 / ハベトロット / クー・フーリン / トリスタン / マーリン
- レオナルド・ダ・ヴィンチ / シャーロック・ホームズ / 光のコヤンスカヤ
- ベリル・ガット / ペペロンチーノ
前後の章。
- 前章: 地獄界曼荼羅 平安京
- 次章: 非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ
出典: ゲーム内シナリオ全文コンコーダンス(tools/data/concordance/lines.jsonl、war 308 の本編スクリプト 0300080010〜0300100910)。スクリプト 0300091351 はコンコーダンスに本文が無く、参照していない。


