第三特異点 封鎖終局四海 オケアノス
- 時代
- 西暦1573年 / 大航海時代のただ中
- 舞台
- 四海(オケアノス)。大陸が見当たらず、島だけが点在する海域
- 脅威
- 聖杯と契約の箱で四海の王になろうとするイアソンとアルゴノーツ
- 聖杯
- 二つ。ドレイクを選んだ元からの聖杯と、黒髭が持っていた外来の聖杯
発生タイムライン
- 到着より前
- 1573年・到着当日
- 到着当日
- 到着当日の宴
- 到着の翌日
- 約十時間の航海後
- 迷宮の島を出た後
- 漂着した島で
- 補修を終えて
- 同日
- 同日
- 同日・嵐の中
- 同日
- 同日
- 撤退後、四つ目の島
- 四つ目の島で
- 同日
- 同日
この章について
1573年の海に降りたカルデアは、到着したその日に聖杯を見つけた。海賊フランシス・ドレイクが酒杯に使っていた金の器である。ドレイクはカルデアより先に、大渦から浮上したアトランティスで海神を名乗る巨体と争い、この杯を奪っていた。崩れかけた人理定礎は、そのとき一度持ち直している。器を譲り受けても時代のボルトは外れず、Dr.ロマンはもう一つの聖杯がこの海にあると見た。
二つの聖杯が拮抗するかぎり、海は崩れもせず元にも戻らない。修復の条件は、外から持ち込まれた聖杯だけを回収することに絞られた。その聖杯を持っていたのは海賊の黒髭である。黒髭を刺した配下のヘクトールが、それをアルゴノーツの船長イアソンへ届けた。イアソンはもう一つ、ダビデの宝具である契約の箱を探していた。女神エウリュアレを箱に捧げれば力が手に入ると聞かされていたからである。
実際には、神霊を箱に捧げれば箱が暴走し、特異点ごと時代が死ぬ。イアソン本人は、最後の戦いの直前までそれを知らなかった。カルデアは十の命を残すヘラクレスを箱に触れさせて消し、逃げるアルゴー号に追いつく。そこでメディア〔リリィ〕が聖杯を使い、イアソンを序列三十・海魔フォルネウスに変えた。
七十二柱の魔神が現れたのは、第二特異点のレフに続いて二度目である。ソロモン王の父ダビデは、フォルネウスの名を聞いてソロモンの魔神だと言い当てた。魔神など空想上のものだと考えていたDr.ロマンも、ソロモン王の関与だけは否定できなくなる。帰還したカルデアは、紀元前1000年の地球を観測すると決めた。
章の流れ
海賊島の聖杯
レイシフトの着地点は、漂流中の海賊船の甲板だった。羅針盤も地図も役に立たず、乗っていた海賊たちは自分がどの海にいるのかも分かっていない。マシュは彼らを退け、同業から噂を聞いたという海賊島へ船を向けさせた。島の主はフランシス・ドレイクで、マシュの予想と違って女性だった。ドレイクは話がしたければまず自分を倒せと言い、カルデアに敗れると一行の味方に付いた。
ドレイクは生身の人間でありながら、サーヴァントのマシュを苦戦させた。Dr.ロマンは、彼女から魔力の反応を拾っている(この場面を読む)。理由はその日の宴で分かった。ドレイクが酒を注いでいた金の器は、聖杯だった。
部下の話では、明けない夜が七つ続き、大渦の中から沈没都市アトランティスが浮上した。そこにいた海神を名乗る巨体は、オリンポス十二神の名で大洪水を起こすと宣言していた。ドレイクはその巨体と争って宝を奪い、都市ごと渦に沈めている。人理定礎が到着前に崩れかけ、ドレイクがそれを知らずに防いでいたとマシュは気付いた。
聖杯を譲られても、時代のボルトは外れたままだった。Dr.ロマンはこれを元からこの時代にあった聖杯と見て、レフが持ち込んだ聖杯が別にあると推した。二つが拮抗しているので、ドレイクがいる限り時代は崩れず、元にも戻らない(この場面を読む)。ダ・ヴィンチに願いを問われたドレイクは、海賊が祈って財宝を得るのは悪い冗談だと退けた。この海はドレイクの願いで出来たものではないと分かる。
マシュは聖杯をドレイクに返し、回収の対象は外来の聖杯一つに絞られた。ドレイクの銃弾は、のちに地下迷宮の怪物にも通じる。聖杯がその願望を叶え続けているからだとマシュは見ており、ドレイクの船からも宝具並みの魔力が計測された。ドレイクの見立てでは、この海には大陸がなく、イングランドも見当たらない。一行は翌日、新しい拠点を探すドレイクの船に同乗して海に出た。
迷宮の二人
出航後最初の島には、ルーン文字の石版が残されていた。文面はエイリーク血斧王の復活を告げている。島を探る途中、ドレイクはマシュを世界一周の旅に誘った。欲しいものはないと答えたマシュに、望みがないのが一番の難題だとドレイクは返す(この場面を読む)。商人として、望みのない客には売る品物がないという理屈である。直後に襲ってきた血斧王を退け、一行はヴァイキング船から周囲の海図を手に入れた。
海図にあった北西の島で、カルデアとの通信が途絶えた。地震のあとで船に戻ると、船体が固められたように動かない。マシュは島に結界が張られていると判断した。張り主は地下迷宮のアステリオスで、迷宮の奥にはエウリュアレもいた。一行は先にアステリオスと戦い、とどめの寸前でエウリュアレが割って入った。
結界は一行を閉じこめるためではなく、外から来る敵を防ぐためのものだった(この場面を読む)。エウリュアレは海賊のサーヴァントに追われ、アステリオスに守られていた。結界を解くか彼が死ぬかの二択で、エウリュアレは一人になるよりましだと解く方を選ぶ。ドレイクは二人を船に誘い、アステリオスを用心棒に雇った。彼はエウリュアレが行くなら付いていくと答えている。
女王アンの復讐号
次の海で、ドレイクを以前から追い回していた黒髭の船が現れた。黒髭はエウリュアレに執着しつつ、聖杯を渡せと迫る。こちらの砲弾は相手の装甲に弾かれた。倒したはずのエイリーク血斧王が黒髭の側にいたので、Dr.ロマンは黒髭がサーヴァントを召喚したと見る。退く途中でアン・ボニーの銃撃が船底を破り、沈みかけた船をアステリオスが担いで近くの島まで運んだ。
血斧王が倒れた瞬間、黒髭の船が帯びていた魔力は落ちていた。女王アンの復讐号は乗せた部下が強いほど強くなる宝具だ、とDr.ロマンは推す(この場面を読む)。黒髭がエウリュアレを欲しがるのも、乗せれば船が強くなるからかもしれないと彼は見た。メアリー・リードも、目的は聖杯でエウリュアレはおまけだと黒髭に念を押していた。
漂着した島で、一行はワイバーンの鱗を集めて船底と衝角を張り直した。そこで出会ったのが、オリオンの代わりに召喚に応じた女神アルテミスである。本来のオリオンは、小さなぬいぐるみの姿で彼女に付き添っていた。再戦ではアルテミスが敵船に乗り込んで暴れ、オリオンが火薬庫に火を付ける。鱗の衝角で体当たりした一行は乗り込み、メアリーとアンを倒した。
ヘクトールの裏切り
致命傷を負った黒髭に、ドレイクは海の宝に正しい持ち主はいないと告げた。黒髭がその結論に同意した直後、配下のヘクトールが彼を刺す。表に出た聖杯を奪うと、ヘクトールはエウリュアレも攫い、用意していた小船で逃げた。黒髭は首を刎ねられずに死ぬと言い残し、ドレイクに看取られて消えている。
聖杯が表に出たのを見て、マシュは黒髭がこの時代の特異点だったのかと驚いた。愚か者に聖杯を預ければ時代が狂う、という話だったとヘクトールは漏らす。それを食い止める航海者が現れたとも言い、その相手はドレイクだった(この場面を読む)。外来の聖杯は黒髭に預けられ、ドレイクの聖杯がそれを抑えていたと取れる。ヘクトール自身は、乗り込む前から黒髭を裏切るつもりでいた。
同じころアルゴー号では、イアソンがエウリュアレ確保の報せを喜んでいた。あの御方の言うとおり女神を捧げれば力が増し、聖杯と契約の箱で四海の王になれると信じている。追う側のドレイクは嵐の中でも帆を張り続け、竜の鱗で補強した船でヘクトールに追いついた。ヘクトールは捕らえたエウリュアレに、女神を生贄にして世界を吹き飛ばすのが目的だと話していた(この場面を読む)。
アルゴー号とアステリオス
ヘクトールから女神を取り返した直後に、アルゴー号が現れた。船長イアソンの下には、ヘラクレスとメディア〔リリィ〕がいる。アステリオスはヘラクレスを一度倒したが、ヘラクレスは蘇った。十二の試練の報酬で十二の命があり、あと十一回倒さないと消えないとイアソンは言う。ヘクトールが運んだ聖杯は、ここでイアソンの手に渡った。
撤退の途中、ヘラクレスはイアソンの制止を聞かずにエウリュアレを殺しにかかった。メディアは後で、ヘラクレスには知性が残り、鍵になる女神を殺して崩壊を防ごうとしたと見ている(この場面を読む)。そのヘラクレスに、アステリオスがしがみついた。イアソンの命でヘクトールが宝具の槍を放ち、槍は二人を貫いたまま鎖になってヘラクレスを留める。アステリオスは自分を子供を殺した怪物と見ており、名前で呼ばれたことを戦う理由に挙げた。
一行は煙幕を張って退き、アステリオスは戻らなかった。エウリュアレは、彼が名前を呼ばれただけで死を選んだと受け止めている。アルゴー号の側では、メディアが一行の魔術回路を解析していた。ドレイクは世界を拓く者なので契約の箱も見つけ出す、とメディアはイアソンに進言する。
契約の箱
箱を探して島を巡るあいだ、一行はメディアの姿が若い理由を話し合った。Dr.ロマンは、イアソンに捨てられる前のメディアが呼ばれたと見る。年齢が違っても英霊の記録は変わらないので、彼女は結末を知っているはずだとエウリュアレは返した(この場面を読む)。
三つの島を外れたあと、四つ目の島でオリオンの頭に矢文が刺さった。送り主はアタランテで、島にはダビデが待っていた。契約の箱はダビデの宝具で、箱の現物とともに召喚されるので霊体化ができない。アタランテはアルゴノーツの一員として呼ばれたものの、イアソンに従わずダビデと身を隠していた。
箱は触れた者を死なせるだけの、宝具としては三流の品だとダビデは言う。危険なのは使い方で、神として存在する魂を捧げれば箱は暴走する。神が死ねば世界も死に、本来存在しないあやふやな特異点はそれに耐えられない(この場面を読む)。イアソンは誰かに言い含められているのかもしれない、とアタランテは疑った。箱は王の資格でもなく、王が持っていた聖遺物にすぎないとダビデは言い切る。
女神を箱に捧げる計画は、王を生むものではなく時代を殺すものだったと分かる。ヘラクレスを箱に触れさせれば一度で倒せる、というダビデの見立ても出た。マスターがその条件を満たす作戦を思いつき、マシュは前線で体を張ると引き受けた。
全額勝負
アルゴノーツが島に来ると、四騎の弓兵が宝具をそろえてイアソンに撃ち込んだ。イアソンはヘクトールとメディアを護衛に残し、ヘラクレスだけを差し向ける。マスターはエウリュアレと走って逃げ、マシュはアタランテに運ばれて先回りし、足止めを繰り返した。最後にマスターが地面の箱を跳び越えると、追ってきたヘラクレスは箱の手前で止まる。マシュたちはそこへ押し込み、ヘラクレスは箱に触れて消えた。
作戦はイアソンの臆病さと、ヘラクレスへの信頼を当てにしていた。あの男は必ずそう動く、とアタランテが請け合っている(この場面を読む)。ダビデは、マスターも命を賭ける作戦だと認めたうえで賛成した。
マシュの数えでは、ヘラクレスにはまだ十の命が残っていた。その全部が、箱に触れた一度で消えている。エウリュアレは、自分の弱さを知って出来る限りのことをしたマスターをほめた。
フォルネウス
ヘラクレスを失ったイアソンは、聖杯で新しいサーヴァントを呼ぶと言って船を出した。ドレイクはアルゴー号に追いつき、一行は影のサーヴァントとヘクトールを退ける。倒れる間際、ヘクトールはエウリュアレを箱に捧げさせようとした。エウリュアレは警戒を解いておらず、宝具で彼を討つ。アステリオスを殺した相手なので、注意を払い続けていたという。
イアソンは、契約の箱の正体を知らされていなかった。神霊を捧げれば無敵になると教えたのは、イアソンがあの御方と呼ぶ人物である。メディアはその話を嘘ではないと認め、時代が死ねば敵もいなくなるからだと説いた(この場面を読む)。イアソンの望みは、争いのない理想の国を作ることだった。メディアは自分を裏切られる前の王女と名乗り、彼の王に選ばれたイアソンを守ってきたと言う。あの御方と彼の王は、同じ黒幕を指すと取れる。エウリュアレの見立てどおり、メディアはイアソンとの結末も覚えていた。
メディアは聖杯を使い、イアソンを序列三十・海魔フォルネウスに変えた。七十二柱の魔神の出現は、これで二度目になる。敗れたイアソンに治癒を求められても、メディアは自分も倒れると言って応じなかった。黒幕の名を問われると、魔術師としてその人物に敗れているので口にできないと答える。最後に、星を集めるよう言い残して消えた。
星の開拓者との別れ
聖杯を回収すると風が止み、ドレイクは自分たちの海が戻ってくると言った。部下の海賊も、召喚されたサーヴァントたちも順に消えていく。去り際のダビデに、マシュはソロモン王の父として魔神をどう見るかを尋ねた。ダビデは息子をろくでなしと呼んだあと、愚者でも正直者だったと言い直す。Dr.ロマンは魔神の確証を得られないまま、ソロモン王の関与だけは認めた。
時代が直ればカルデアのことを忘れると知り、ドレイクは世界一周の誘いをあきらめた。続けて、最初の島での話に答えを返す。欲のない人間はおらず、違いは自分の望みを自覚しているかどうかだという(この場面を読む)。例に挙げたのはイアソンで、支配欲の強い男にも理想郷を作る望みがあった。マシュは追跡の途中、善い人に見えるドレイクがなぜ悪人なのかと迷っていた。悪人が善行をなすこともある、というドレイクの言葉はその問いへの答えとも取れる。マシュは自覚しない方がいい側で、盾を振るう理由は最後に分かる、とドレイクは見立てた。
ドレイクが報酬として求めたのは、旅の終わりに自分との航海を楽しかったと思い出すことだった。帰還後、Dr.ロマンはカルデアスとシバで紀元前1000年の地球を観測すると決める。魔力の協力者に心当たりがあると口にして、すぐにダ・ヴィンチの隠し財産だと言い直してもいる。
得たもの/失ったもの
マシュマスター
メディア〔リリィ〕
ダビデ
ダビデ
アタランテ
マシュ
ドレイク
黒髭
ダビデ
ドレイク
アステリオス
エウリュアレ
イアソン
メディア〔リリィ〕カルデアが持ち帰ったのは外来の聖杯だけで、ドレイクの聖杯は返したままだった。人理定礎はカルデアの到着より前に一度崩れかけ、それを止めたのはドレイクである。Dr.ロマンの見立てどおり、外来の聖杯を回収すると海は元に戻った。
アステリオスは戻らず、エウリュアレは彼との再会を口にして消えた。いつかまた会い、名前を呼んであの告白をからかいたいという(この場面を読む)。ドレイクの記憶からも、カルデアと過ごした航海は消える。
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中心人物。
- フランシス・ドレイク / マシュ・キリエライト / ロマニ・アーキマン
- エウリュアレ / アステリオス / アタランテ / ダビデ
- イアソン / ヘクトール / メディア〔リリィ〕 / ヘラクレス
- エドワード・ティーチ / アン・ボニー&メアリー・リード / エイリーク・ブラッドアクス
- オリオン / レオナルド・ダ・ヴィンチ
前後の章。
- 前章: 第二特異点 永続狂気帝国 セプテム
- 次章: 第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン
出典: ゲーム内シナリオ全文コンコーダンス(tools/data/concordance/lines.jsonl、war 103 の本編スクリプト 0100030010〜0100031431)。1573年という年代は、冒頭のブリーフィング(スクリプト 0100030010)でDr.ロマンが告げる。このスクリプトは /story 再生データが無いため、本文中でリンクを張っていない。



