第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット
- 時代
- 西暦1273年 / 十字軍の壊滅後
- 舞台
- 聖地の荒野と、紀元前から転移したエジプト領の砂漠
- 脅威
- 聖槍ロンゴミニアドを掲げる獅子王と、ギフトを受けた円卓
- 聖杯
- 太陽王が十字軍から没収して保管。試練の後、褒美として渡す
発生タイムライン
- 到着の約半年前
- 召喚の後
- 1273年・到着当日
- 到着当日の夕
- 到着から丸二日
- 聖抜の夜
- 聖抜の翌日
- 聖抜の翌日
- 東の村で一週間余り
- 廟へ発った翌日
- 廟から戻った夜
- 院を出た直後
- 決戦の四日前
- 決戦当日 7時
- 決戦当日
- 決戦当日
- 決戦当日
この章について
西暦1273年の聖地エルサレムは、もう残っていない。半年ほど前に現れた獅子王と円卓の騎士が十字軍を壊滅させ、聖地の上に白亜の聖都を築いた。周りの荒野は聖槍の光に穿たれ、西の砂漠には紀元前のエジプト領がまるごと転移している。聖杯を握る王と時代を壊した王は、この特異点では別人である。
第六の聖杯は太陽王オジマンディアスの手にあり、王はそれを最後まで使わなかった。時代を歪めていたのは、聖都の玉座に座る獅子王の聖槍ロンゴミニアドである。獅子王の正体は、聖剣を返されないまま聖槍を持ち続けたアルトリア・ペンドラゴンだった。長く持ちすぎた聖槍のせいで属性が天の側へ移り、今は英霊より神霊に近い。
獅子王の目的は、人間の保存にある。聖抜の儀で秩序・善の魂だけを聖都に集め、聖都ごと聖槍に収めて人理焼却にも耐える塔にする。塔が立てば、その外の世界は消える。ギフトという祝福を受けた円卓の騎士は、選ばれなかった難民と山の民を斬って回った。
同行する隻腕の騎士ベディヴィエールは、サーヴァントではなかった。右腕の銀の腕は聖剣エクスカリバーで、彼はアーサー王の最期に聖剣を湖へ返せなかった騎士本人である。玉座での決着は、その聖剣の返還でついた。
砂漠の底のアトラス院では、カルデア自身の来歴に関わる答えが出る。マシュに力を預けた英霊は、円卓の騎士ギャラハッドだった。2004年に日本で行われた聖杯戦争の勝者は、カルデア前所長のマリスビリー・アニムスフィアである。最後に獅子王が七つ目の聖杯の性質を明かし、第七特異点の時代が決まった。
章の流れ
三すくみの砂漠
十三世紀の聖地を目指したレイシフトは、砂嵐の砂漠に着いた。一行は山の民のアサシンに攫われかけた女王ニトクリスを取り返し、誤解から彼女の神獣と戦う。そこへ割って入った隻腕の騎士がルキウスと名乗り、銀色の右腕でスフィンクスを消し去った。騎士はほどなく一行と別れる。ニトクリスの案内で着いた大神殿では、太陽王が聖杯を持っていると明言した。この地に降りた際に十字軍から取り上げたもので、使う気はないという。
大気の魔力は紀元前のもので、太陽王の国が土地ごとこの時代へ転移していた。東の荒野に出たところで、ダ・ヴィンチは太陽王が聖杯を使わない理由を言い当てる。人理定礎の乱れが進み、特異点の内側にも人理焼却の波が届いている。この大地はじき燃え尽きるので、願望機に頼る意味がない(この場面を読む)。太陽王自身も後に、聖杯を求める者が出ないよう手元に封じてきたと漏らしている。
聖杯を手に入れれば特異点が閉じる、という前提がここで外れた。太陽王は元凶として聖都の獅子王を名指しし、一行をエジプト領から送り出す。荒野の難民によると、十字軍はすでに獅子王に滅ぼされ、人が住める場所は聖都しか残っていない。エジプト領と聖都、山岳地帯のアサシン教団という三つの勢力のうち、時代を壊しているのは聖都の側だった。
聖抜の儀
聖都へ向かう荒野で、一行は円卓のトリスタンを目にする。山の翁の一人が自分の首と引き換えに民を逃がそうとし、トリスタンは約束の形だけを守って民を残らず斬った。その夜、一行は千人近い難民に紛れて聖都の正門に着く。月に一度の聖抜の儀である。ガウェインのギフトで夜空に日が昇り、正門の上から獅子王が魂を選んだ。光を帯びた三名だけが招かれ、残る難民には粛正騎士の剣が向けられる。
ダ・ヴィンチは儀式の名の字が違うと言い当て、ガウェインは聖罰の開始を告げた(この場面を読む)。聖抜は、迎え入れる者の選別と残りの処刑を一度に済ませる手続きと分かる。翌日の逃走中には、円卓を斬れない理由もはっきりした。騎士たちのギフトはアーサー王伝説の救世主の聖杯による祝福で、カルデアが集める聖杯とは別物である(この場面を読む)。神秘の格で張り合えるのは、隻腕の騎士の銀の腕しかない。
一行は囲みを破って難民を逃がし、昼のガウェインに追い詰められた。そこへルキウスが戻り、銀の腕で聖剣を押し返す。ガウェインはその騎士をベディヴィエールと呼び、王に背くのかと問いただした。母を粛正騎士に殺された少年ルシュドを連れて、一行は北へ逃げる。この夜を境に一行は聖都と円卓の敵になり、ベディヴィエールが旅に加わった。補佐官アグラヴェインは、遊撃騎士ランスロットに追撃を命じている。
山の民の村
北へ逃げる途中で、ランスロットの部隊が追いついた。ダ・ヴィンチは改造したバギーで敵陣へ突っ込み、自爆して追撃を止める。一行と約五十人の難民は山岳地帯の東の村に入り、呪腕のハサンとアーラシュに迎えられた。一週間後、西の村がモードレッドに襲われる。一行はアーラシュが矢で飛ばした台座に乗って駆けつけ、村を守った。
次に一行は、円卓の砦に捕らわれた静謐のハサンを救いに向かう。道中で玄奘三蔵が加わり、牢では三蔵の連れの俵藤太も見つかった。百貌のハサンが外で陽動をかけるあいだに、一行は地下でアグラヴェインと向き合う。アグラヴェインは三蔵に円卓の空席を勧め、三蔵は砂漠の向こうで世界の果てを見たと言って拒んだ(この場面を読む)。聖都の外の世界は、すでに削れ始めていると分かる。
西の村に戻った夜は、藤太の宝具の米で宴になった。翌朝、百貌のハサンは一行を信じると言い、山の民の連合軍で聖都を攻める計画に一行を誘う。山の翁たちとカルデアの共闘は、ここで固まった。昼のガウェインを破る手立てだけが、まだ見つからない。
晩鐘と流星
ガウェインに対抗するため、呪腕のハサンは一行を初代“山の翁”の廟へ案内した。廟の主は静謐のハサンを操って一行を試し、一行は彼女を殺さずに止める。初代は、獅子王の真意と人理焼却の因果をアトラス院で知れと命じた。それが叶えば、ガウェインとの戦いで先陣に立つという。
初代は、道を違えた山の翁の首を落とす役目も負っている。初代に助けを求めた呪腕のハサンは翁の資格を手放し、務めを終えたら首を差し出すと約束した(この場面を読む)。ベディヴィエールは、この廟のことを旅立つ前に魔術師から聞いていた。
廟から戻った夜、東の村は燃えていた。トリスタンとランスロットが村を襲い、アーラシュは不意打ちで深手を負う。やがて聖槍の裁きの光が西の村を消し、次の光が東の村の真上に迫る。アーラシュは宝具の一射でその光を撃ち落とし、自分の五体は砕け散った(この場面を読む)。獅子王が人の住む村へ裁きの光を落とすのは、これが初めてである。
アトラス院
一行は再び砂漠へ入り、追ってきたランスロットをニトクリスの幻影に助けられてかわした。落とし穴の先はアトラス院で、そこにはシャーロック・ホームズが待っていた。院は2016年のもので、魔術師たちは燃え尽きて施設だけが残っている。ホームズは中心部の疑似霊子演算器トライヘルメスから、三つの答えを引き出した。
一つ目は、2004年の聖杯戦争の勝者がマリスビリーだったことである。助手として同行したのはロマニ・アーキマンで、翌年に22歳で医療部門のトップとしてカルデアに招かれ、その経歴は聖杯戦争より前にたどれない。二つ目は、マシュに力を預けた英霊がギャラハッドだったこと。召喚の年は、ホームズとダ・ヴィンチが2010年とし、章の冒頭のロマニの回想では2009年と食い違う。三つ目は聖槍の正体で、聖槍は世界の表面を星に縫い留める最果ての塔の影だった(この場面を読む)。
聖槍に収まる魂は五百人ほどで、聖都の住民は善良な人間の標本として保管される。塔が立てば、その外の世界は消える。マシュは真名を知って腰が抜け、うれしかったと話した。ホームズは聖杯戦争の結末を黙っていたロマニを信用せず、ここでの話を伝えないよう頼んで院の出口で別れる。先に受けた依頼があり、まだカルデアとは契約できないという。
太陽王の褒美
院の出口ではランスロットが待ち伏せていた。彼は聖槍の目的を知ったうえで、なお王に仕え続けている。マシュはギャラハッドの名を名乗ってその剣を受け止め、打ち負かす。敗北を認めたランスロットは一行の側につき、隠れ村へ案内した。そこには聖抜に漏れた難民と王命に背いた騎士が匿われ、死んだはずのダ・ヴィンチもいる。自爆の瞬間、ランスロットが身を挺してかばったという。
隠れ村でダ・ヴィンチは、獅子王が聖槍を長く持ちすぎて属性が変わったと説明した。獅子王は人類という種には価値を認め、一人ひとりの命には価値を認めない(この場面を読む)。ギフトを受けた円卓は、獅子王に剣を向けた時点で燃え尽きる。騎士たちには、王を止める手段がもとから無かったと分かる。アグラヴェインだけはそれを嫌い、ギフトを受けていなかった。
兵力の足りない一行は、太陽王の神獣兵団を借りに大神殿へ向かった。三蔵は、自国の民だけを守るなら獅子王と同じだと太陽王を叱る。太陽王はそれに応えて自らを魔神柱アモン・ラーに変え、一行の力を試した。続けて自分でも戦ったあと、太陽王は聖杯を褒美として渡し、神獣兵団を貸す。聖杯を得ても人理は戻らない、と念を押したうえでの判断だった。
初対面のとき太陽王の首がずれかけたのは、初代山の翁に一度首を撥ねられ、その傷が癒えきっていなかったからである。初代が一行に味方すると聞いた太陽王は、知っていれば初めから手を貸したと笑う。第六の聖杯はカルデアの手に渡り、決戦は四日後の朝と決まった。
聖都攻略
決戦の朝、山の民と聖地の民にランスロットの騎士隊を加えた一万近い連合軍が、聖都の前に並んだ。北から髑髏の模様の砂嵐が下りて日を隠し、初代山の翁が正門のガウェインを引き受ける。正門は害意ある力を通さず、ベディヴィエールの銀の腕もキャメロットには向けられない。三蔵が宝具で正門を砕き、力を使い果たして消えた。
聖都に入った一行の前で、王城を光の壁が囲み、四方から無の空間が押し寄せ始める。最果ての塔が立ち上がりかけていた。遠くの大神殿にいる太陽王は大電球の神罰で聖都の障壁を消し、大神殿そのものを塔の上に落とす。ニトクリスは鏡で裁きの光を防ぎ続け、太陽王はそれをやめさせて玉座で休むと告げた(この場面を読む)。
円卓は一騎ずつ倒れた。モードレッドは一行に敗れて消える。百貌と静謐のハサンは毒でトリスタンを仕留めようとしたが、反転のギフトを持つトリスタンには毒が効かず、二人は討たれた。呪腕のハサンは右腕に封じた魔神の呪いを解き、受肉した魔神にトリスタンを食わせる。王城の階段ではガウェインがベディヴィエールに敗れ、アグラヴェインはランスロットを討ったあと玉座の前で力尽きた。
残った円卓は、聖槍の目的を知ったうえで王に従っていた。王に反旗を翻した六名の同胞を、召喚の後に斬ったのも彼らである。ガウェインはかつて私怨で王の死を招いたことを悔い、今度こそ王の剣であり続けると決めていた(この場面を読む)。モードレッドもガウェインも、王の最期を看取ったベディヴィエールには自分たちの思いは分からないと言い放つ。ブリテンで果たせなかった忠義を、この聖都でやり直そうとしていたと取れる。
城壁の弓兵の多くは降伏し、連合軍の優勢は覆らなかった。残る敵は、玉座の獅子王だけになる。
銀の腕
玉座の獅子王は、聖槍の化身として一行を迎え撃った。マシュは宝具の真名を解いて白亜の城を立て、聖槍の光を受け止める。その横へベディヴィエールが進み、銀の腕で裁きの光を切り裂いた。獅子王はその輝きに見覚えがあると言いながら、ベディヴィエールの名を思い出せない。同じとき、カルデアの観測は彼に霊基の反応がなく、魔術回路も人並みだと示した。
銀の腕の正体は聖剣エクスカリバーだった(この場面を読む)。伝承のベディヴィエールは、王の命を受けて三度目に聖剣を湖へ投げ入れる。獅子王を生んだ世界のベディヴィエールは、三度目も返せなかった。返されなかった聖剣が王から死を奪い、王は聖槍を携えたまま地上をさまよう亡霊の王になる。ベディヴィエールはその王を探して、千五百年近く生き延びた。聖剣は持ち主の肉体の成長を止めるが、心までは老いから守らない。
マーリンは、アヴァロンの端で岩のように動けなくなっていた彼を起こし、聖剣を義手に作り替えて送り出した。誰にも正体を見抜かれないよう、誤魔化しの魔術もかけてある。ベディヴィエールはこの戦いで魂を使い果たし、輪廻の枠から外れる。手足が土塊のように崩れるなかで、彼はマスターに四度目の機会を求め、マシュの盾に支えられて獅子王へ進んだ。
玉座と七つ目の聖杯
ベディヴィエールが聖剣を差し出すと、獅子王はあの森と、泣き腫らした騎士の顔を思い出した。聖剣が還り、ベディヴィエールは消滅する。聖槍の呪縛が解け、時代を呑もうとしていた重力変動も止まった。獅子王は召喚された英霊でなく、自力でここまで来た神霊である。聖槍を失えば退去する先もなく、聖都とともに滅びた。
獅子王が世界を閉じたのは、人間を残すためだった。神は人間なしには存在できないので、何を犠牲にしても人間の魂を保管すると決めていた(この場面を読む)。マシュは、命は終わっても先へ続くと言ってこの保管を拒んだ。獅子王は最後まで自分の行いを正しいと考え、一行に謝罪はしていない。
去り際に獅子王は、魔術王の神殿が正しい時間には存在しないと告げた。六つの聖杯は魔術王の時代以後の人類史に置かれたが、七つ目だけは魔術王自身が過去へ送ったものだという。それが人理焼却の第一手であり、神殿の座標を指す唯一の手がかりになる。Dr.ロマンはこれをもとに、第七特異点を紀元前2600年の古代メソポタミアに絞り込んだ。
聖都の外では、生き延びた呪腕のハサンの前に初代山の翁が現れた。初代は約束の首を取らず、翁の名だけを落として、この時代で山の民を立て直すよう命じる。帰還したカルデアでは、召喚可能な霊基の一覧にベディヴィエールの枠が加わっていた。
得たもの/失ったもの
マシュマスター
オジマンディアス
ホームズ
ベディヴィエール
マシュ
ベディヴィエール
呪腕のハサン
“山の翁”
ベディヴィエール
ガウェイン
トリスタン
ランスロット
モードレッド
アーラシュ
玄奘三蔵
百貌のハサン
静謐のハサン
オジマンディアス
ニトクリス失ったものの大半は、特異点の修復とともに無かったことになる。人々の記憶にも人類史にも残らない。ダ・ヴィンチは満足な礼もできないと詫び、マシュは記録に残らなくても受け取った歓びは消えないと答えた(この場面を読む)。
カルデアの内側には疑いが残った。ホームズはロマニを信用しないまま去り、マシュとマスターはアトラス院の話をロマニに伏せている。ダ・ヴィンチは二人きりの場でマスターに、ロマニが一度だけ願いを叶える手段を隠し持っていると話した。使えばロマニ自身が消えるので、本人は使えずにいるという(この場面を読む)。
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- カルデア / レイシフト / 冬木の聖杯戦争
中心人物。
- ベディヴィエール / 獅子王 / マシュ・キリエライト
- オジマンディアス / ニトクリス / シャーロック・ホームズ / マーリン
- ガウェイン / トリスタン / ランスロット / モードレッド
- “山の翁” / 呪腕のハサン / 百貌のハサン / 静謐のハサン
- 玄奘三蔵 / 俵藤太 / アーラシュ / レオナルド・ダ・ヴィンチ
前後の章。
出典: ゲーム内シナリオ全文コンコーダンス(tools/data/concordance/lines.jsonl、war 106 の本編スクリプト 0100060110〜0100063211)。冒頭のブリーフィング(スクリプト 0100060010)は /story 再生データが無いため、本文中でリンクを張っていない。


