死想顕現界域 トラオム
- 時代
- 西暦1700年より先と観測 / 起点は2017年のエリア51
- 舞台
- アメリカと推定された土地。三つの界域と、奥に隠れたネバダ州
- 脅威
- 汎人類史に叛逆するサーヴァントの三界域と、異星の使徒モリアーティ
- 聖杯
- 三界域に一つずつ。三つとも確保したが、特異点は崩れなかった
発生タイムライン
- レイシフト前
- 到着当日
- 到着当日
- 到着当日
- 逃走の途中
- 捕縛の後
- 投獄の数日後
- 救出の後
- 合流の翌朝
- 初任務の後
- 計画の数日後
- 暗殺の数日後
- 開戦の夜半
- 同じ夜
- 撤退の途中
- 出陣の前
- 決戦当日
- 決戦当日
- 決戦当日
- 統一の後
- 野営の翌日
この章について
最後の異聞帯がある南米へ向かう途中で、ストーム・ボーダーは大規模な特異点を観測した。白紙化した地球で汎人類史の証明値が減り、過去への干渉で現在が泡沫化しかけていた。シオンの見立てでは、年代は西暦1700年より先で、場所はアメリカと推定される。人理定礎の値はERRORと出た。規格外のEXですらない値で、これまで一度も出たことがない。
特異点の中では、万単位のサーヴァントが三つの界域に分かれて戦っていた。復讐界域は女王クリームヒルトが、復権界域は皇帝コンスタンティノス11世が治める。三つ目の王道界域の王は、カール大帝を名乗っていた。界域ごとに聖杯が一つあり、サーヴァントは互いの聖杯を奪い合う。戦場では、姿を見せないマスターの令呪が敵味方の別なく空から降った。
英霊の多くは汎人類史への叛逆を公然と唱え、本能に近い飢えに突き動かされていた。全員がそうだったわけではない。王道界域のカール大帝は、汎人類史の側に立つドン・キホーテが演じる偽者だった。復権界域の女教皇ヨハンナも汎人類史のサーヴァントで、皇帝の叛逆は彼女一人を復権させるために始まっている。
外から入り込んだ者もいた。若い姿のジェームズ・モリアーティは異星の使徒を名乗り、シャーロック・ホームズを殺すためにここへ来た。ライヘンバッハの滝で、ホームズは自分自身の謎を解く。彼は2016年に異星の神が召喚した最初の使徒で、その記憶を自ら封じていた。答えを得たホームズは滝に消え、モリアーティもカルデアに敗れる。
元Aチームのカドック・ゼムルプスは、この特異点で二人目のマスターとして戦った。自分の異聞帯も逃げ込んだオリュンポスも消え、降伏するほかなかったという。魔術回路を壊す首輪を着けたまま前線に立ち、最後はヴィイの残した力でモリアーティの運命の糸を断たせた。
特異点の起点は、2017年のアメリカ合衆国ネバダ州エリア51だった。マスターは、100年前に地球へ落ちてきたという生命体である。その願いを叶えるため、サーヴァントの張角がこの特異点を作り上げた。
章の流れ
三つの界域
ストーム・ボーダーは北極圏を離れ、北米を経て南米へ向かっていた。航行中、トリスメギストスⅡの未来予測とシバの観測がそろってエラーを出す。レイシフトに同行するのはホームズとヴラド三世である。マシュは霊基外骨骼の調整が終わらず、後詰めに回った。二人目のマスターには、アトラス院製の首輪を着けたカドックが加わる。
着いた先は、魔術で一瞬のうちに編まれた無人の街だった。一行はそこで、約百騎ずつのサーヴァント軍がぶつかる戦いを目にする。弓兵は令呪を充填して宝具を一斉に放ち、令呪は見えないほど遠くの空から来たように見えた。兵には英霊級と幻霊級の区別があり、名の残らない者まで召喚されている。押していた復権の軍を王道界域のローランが背後から突き、両軍とも兵を引いた。
酒場でホームズは、三界域の主としてクリームヒルトとコンスタンティノス11世、カール大帝の名を挙げた。記録に残るサーヴァント同士の戦いは七対七が最大で、軍同士の陣取りは前代未聞だという(この場面を読む)。これだけのサーヴァントを従えるマスターが誰なのか、一行はこの時点で答えを持たない。
異星の使徒
酒場を襲ったアサシンを退けた直後、シバが異星の使徒用の特殊警告を出した。残る使徒はラスプーチンのはずだったが、現れたのは若い姿のモリアーティである。彼はカルデアの排除を目的と言い、ヴラド三世の宝具を受けても傷一つ負わない。モリアーティがヴラドの頭に指を当てて叛逆を命じると、ヴラドは自分が叛逆者に入れ替わると悟った。他人に強いられるのを嫌ったヴラドは、宝具の杭で自分を縛りつける。一行はその間に逃げた。
ヴラドは、サーヴァントたちがああなる理由をこの命令で理解した(この場面を読む)。叛逆の衝動は、命令ひとつで外から植えつけられるものと取れる。ホームズはモリアーティに関わることだけ考えが及ばず、モリアーティはホームズの動きを読み切っていた。
逃げる途中で、マスターは張角の術に捕らわれた。ホームズは目潰しを残し、カドックと二人で逃げ延びる。復讐界域の城でクリームヒルトは歴史そのものへの復讐を宣言し、マスターに処刑を言い渡す。
ホームズとカドックは復権界域の都に入り込み、変装したヨハンナに連れ出された。ホームズの推理を、ヨハンナはほぼ全面的に認める。推理では、三つの界域にそれぞれ聖杯があり、英霊は一騎残らず汎人類史に叛逆している。マスターは令呪を使うが、姿を見せず命令も下さない(この場面を読む)。ヨハンナは皇帝に、カルデアは二人だけと報告した。聞き出すふりで情報を渡したと見たホームズは、次の行き先を王道界域に決める。一行はヴラドを欠き、マスターを敵地に取られた。
復讐界域の牢
牢には、人理の側を名乗る囚人がいた。スキルも宝具も封じられ、名を問われてシートンと答える。水も食事も無かったマスターに、サロメが果物と料理を運んだ。張角が拷問に来たときも、止めたのはサロメである。
牢では、名乗らない七騎のサーヴァントがマスターの話し相手になった。翌日、七騎はカール大帝の命で救出に来たと明かす。七騎は王道界域の潜入兵で、マスターを捕らえた斥候部隊そのものだった。サロメは見逃すと言ったうえで、連れて行かないなら暴れると押し切って同行する。界域全体に、脱走者とマスターを殺せという告知が流れた。
七騎は追手を一騎ずつ引き受けて倒れていく。サロメはマスターと仮契約を結び、百貌のハサンを倒した。ヨカナーンを探す衝動はサロメの中で強まり、森でついにマスターの首を求める。マスターがまだ生きたいと答えると、サロメは彼がヨカナーンではなかったと悟った。それでもサロメは追手を引き受け、王道界域の騎士が待つ丘でマスターと別れる。背を向けたサロメは、復讐界域の狙撃手に霊核を撃ち抜かれて消えた。
七騎のライダーは、命令だからであり、悪くない者が憎まれるのは気分が悪いからだと救出の理由を話していた(この場面を読む)。叛逆側の界域の中に、人理の側で動く者がいたと分かる。サロメは別れ際、マスターと過ごした数日を素敵な日々だったと振り返る(この場面を読む)。逃げる途中の夢では、モリアーティが特異点の核は復讐だと言い、マスターに席を譲れと迫った。マスターはこれを断り、王道界域で目を覚ます。救出に加わった七騎は全滅していた。
カール大帝の正体
ホームズとカドックは崖を登り、怪鳥に襲われたところをアストルフォに救われた。王道界域は天嶮に守られた牧歌的な町で、徹底した情報封鎖を敷いている。玉座のカール大帝はうなずくばかりで、女性の秘書が代わりに話した。カドックは救出の代価として、全面的な恭順を受け入れた。
マスターが合流すると、ホームズは大帝のなりすましを指摘した。カール大帝はドン・キホーテで、秘書はサンチョ・パンサである。サンチョにはロシナンテやドゥルシネーアの要素も混ざっていた。サンチョによると、召喚された者の多くは初めから汎人類史への叛逆を唱えていた。抑止力として呼ばれた者は数で迎え撃たれ、何騎かは叛逆側へ回る。叛逆側が思想で割れたとき、二人はアストルフォとローランを誘って第三の界域を名乗った。以来、復讐と復権のどちらかが突出しないよう釣り合いを取ってきたという。
ドン・キホーテは、自分が汎人類史の側だと初めから分かっていた(この場面を読む)。逃げてきた仲間の受け皿を作ると決めたとき、王の役に手を挙げたのも彼である。部下の大半は王道界域も叛逆側だと信じ、本当の顔を知る者は一握りしかいない。
ホームズは、この特異点ではマスターを討っても意味がないと見た。代わりに二つの界域に勝ち、聖杯を奪う方針を立てる。カール遊撃隊は、マスターとホームズとカドックに徐福とディルムッドを加えた顔ぶれだった。出発の前夜、カドックはマシュとだけ話し、ホームズを召喚したのは誰かと問うている(この場面を読む)。最初の任務で、遊撃隊は界域の境の見張り塔に、復讐界域が造りかけた砲座の土台を見つけた。塔は霊脈から魔力を吸い上げ、王道界域を撃つための装置だった。
初任務の後、一行はサンチョとドン・キホーテを連れて、杭に貫かれたままのヴラドを迎えに行った。二人の宝具は、相手を魔術も神秘も無い17世紀スペインの現実へ戻す。宝具を受けたヴラドからモリアーティの洗脳が消え、叛逆の衝動も理性で抑えられるほどに弱まった。代わりにヴラドは、特異点が直るまで戦う力を失う。王道界域に戻ったヴラドは大帝の願いで軍の全権を預かり、籠城の演習で攻め手を退けて総帥と認めさせた。
張角暗殺
ヴラドは攻めに転じ、復讐界域の副将である張角を討つ策を立てた。クリームヒルトを今討てば、復讐界域が崩れて復権界域が動き出すからである。王道軍5000騎がヴォルムス砦を攻めて目を引き、その隙に少人数でアツァガウク砦の張角を討つ。暗殺班はホームズとマスターと徐福に、山の翁に届かなかったと自ら言う無名のアサシンを加えた四人だった。王道軍の内訳は英霊級が約60騎、幻霊級が4940騎で、クリームヒルトは一万騎での迎撃を命じた。
砦の地下で、張角は味方を呼べずにいた。砦には復讐界域の禁忌が隠され、張角はクリームヒルトへの叛逆の支度も進めていた。ホームズが張角に、本当に本人なのかと問う。動揺した張角をアサシンが斬り、張角はマスターを呼びながら消えた。砦は張角の死とともに崩れ、一行は脱出した。
帰還後、ホームズは張角が本物かという問いに狼狽した点を挙げ、偽者で一騎とは限らないと推理した(この場面を読む)。同じ帰り道で、モリアーティは自分の目的をホームズの殺害だと独白している(この場面を読む)。特異点を消すには跳躍する推理が要り、自分のことで思い煩うホームズには届かないと彼は見ていた。
凱旋の宴の夜、カドックとマシュは戦場の令呪を話題にした。令呪は使われるたびに敵味方を問わず空に光り、使い手は同じ一人に見える。万単位のサーヴァントのマスターになれる者などいない、とカドックは言う。同じ夜、マスターの夢に現れたモリアーティは、カルデアが世界を六度正して六度滅ぼしたと嘲った。
シルミウムの夜
暗殺の数日後、張角はクリームヒルトの前に再び現れた。前の記憶は引き継いでいない。同じ日、コンスタンティノスは王道界域に決戦を挑むと決める。王道と戦えば必ず勝つというヨハンナの啓示が、決め手の一つだった。戦場に立てないドン・キホーテに代わり、マスターが金色の大帝衣を着て替え玉を務める。使者に立ったヴラドは、王道が先に要塞化していた廃都シルミウムを決戦の地に選ばせた。
兵は復権が8000騎で、うち英霊級が100騎、王道は英霊級を含めて5500騎だった。夜の東西同時攻撃を、王道は徐福の石兵八陣とローランたちの奮戦で退ける。初戦は王道の勝ちに終わった。復権軍は二時間後に兵を返し、夜半に三方から攻め寄せる。ヨハンナが命じると北門がひとりでに開き、清姫が東門を破った。西門はコンスタンティノスの三重の防壁に押され続け、王道軍は敗走に移る。
東門を攻めていた清姫は、西門が落ちたという味方の虚報に怒った。嘘のない国だと信じて復権についていた清姫は、そのまま界域を去る。退く途中で、サンチョがヴラドを捕らえた。主を生かすため、ヴラドを手土産に復権へ降るつもりだった。サンチョとドン・キホーテは、大西洋の異聞帯から逃げてこの特異点に迷い込んだサーヴァントである(この場面を読む)。
復権兵1500騎に囲まれたところで、ドン・キホーテが名乗りを上げた。カール大帝を名乗っていたことも汎人類史のサーヴァントであることも明かし、皇帝に一騎打ちを挑む。大西洋の異聞帯で、彼は世界最高の英雄が目の前で蒸発するのを見て心を折り、逃げていた。今度は逃げないと言って立ち上がる老騎士に、皇帝はとどめの一撃を放つ(この場面を読む)。
そのとき聖なる光が戦場を照らし、牢の囚人シートンが正体を明かした。彼は本物のシャルルマーニュで、カール大帝の名を借りたドン・キホーテを許すと告げる。シャルルマーニュは聖剣ジュワユーズの宝具を皇帝に放ち、ヨハンナの進言で復権軍は兵を引いた。シャルルマーニュはカール大帝の代理として来た、若い冒険者の側面である。十二勇士を足場にした連鎖召喚で現れ、マスターはおらず、48時間ほどで退去する。ヴラドはサンチョの裏切りを無かったことにし、二人はマスターと共に戦うと決めた。
皇帝の最期
撤退する復権軍を、復讐界域は21.3キロ先から狙った。撃ち手は、張角が兵器として起動した傀儡の弓兵、源為朝である。クリームヒルトが指定した標的はヨハンナだった。皇帝の三重の防壁には、施錠を忘れた門の伝説に由来する穴が開いている。皇帝がヨハンナをかばうと、その行為が施錠の忘却と同じになり、矢は皇帝の霊核を砕いた。
玉座で目を覚ました皇帝は治療を断り、術式で全軍に語りかけた。ヨハンナが汎人類史のサーヴァントであることを明かし、叛逆はすべて彼女のための自分のわがままだったと告げる。召喚された日、皇帝はヨハンナの復権を約束し、それを叛逆の理由にしていた(この場面を読む)。皇帝はブラダマンテにヨハンナを託し、嫌がる彼女を王道界域へ送らせた。
復讐界域の総攻撃は、降伏の猶予を与えなかった。残った兵と共に、皇帝は最後まで前へ進み、無人の野に出たところで笑って消える。残存兵2238騎は最後の一騎まで戦って全滅し、ヨハンナを慕う542騎が王道界域へ移る。復権の聖杯は皇帝の消滅と同時にクリームヒルトの手に渡り、女王は聖杯を二つ抱えた。
シルミウムの戦いの前に、カドックは一人で張角の砦へ向かっていた。現れたモリアーティは首輪を解くか作動させるかをマシュに迫り、カドックは協力の申し出を即座に受ける。二人は砦の奥で、張角が封じていたジークフリートを解き放った。張角は、界域の楔である女王を乱さないために彼を隠したと言う。クリームヒルトはジークフリートを夫ではなく食べ残しと呼び、誰よりも自分に復讐の権利があると言い切った(この場面を読む)。
応報門
復権界域の壊滅を受けて、ブラダマンテとヨハンナが王道界域に乗り込んだ。合流するか従わせるかを、決闘で決めたいという。決闘は王道側が勝ち、ヨハンナは残された復権の兵を囮にしないことを条件に旗印を引き受ける。連合は1005騎で、復讐界域は約12000騎と見積もられた。カドックがジークフリートを連れて戻り、ジークフリートも連合に加わる。作戦は、精鋭が突き抜けてクリームヒルトの首を取るものに決まった。
出陣の前夜、シャルルマーニュは自分が史実のカール大帝ではなく、伝説を寄せ集めた幻想寄りの者だとヨハンナに明かした。そのうえで、退去までに「それでも」と口にできるか考えてほしいと頼む。マスターはカルデアとの通信を切り、ジークフリートの頼みを一人で聞いた。ヨハンナはブラダマンテに、コンスタンティノスと相思相愛だったと指摘されて驚く。
決戦の朝、サンチョは王道の聖杯をマスターに預けた。連合は平原を中央突破し、復讐界域の正門を目指す。為朝の矢はジークフリートが受け止めたが、為朝は制御を振り切って三連射を放った。アストルフォはヒポグリフで15.8キロ先の塔へ飛び、霊核を射抜かれながら為朝の両脚からの魔力供給を断つ。ヨハンナは好きだった人を殺された仇討ちをアストルフォに頼み、聖言で彼の死をわずかに遅らせていた(この場面を読む)。為朝とアストルフォは並んで消えた。
正門の応報門は、ランクAの対軍宝具を最低でも五発受け止める造りだった。ローランは聖遺物を収めたデュランダルを掲げ、剣も聖遺物も命も捧げて門を開こうとする。それでも足りず、最後に自分の記憶と記録のすべてを差し出した(この場面を読む)。ローランは門が開くという現象そのものになり、他人の記憶からも消える。連合は門をくぐり、カルデアの管制は門がひとりでに開いたと受け取った。
復讐の女王
門の内側で、連合は玉座へ向かう組と張角を引き受ける組に分かれた。王城でアサシンに襲われたマスターを、カドックが体を張ってかばう。そこへアナスタシアの姿を借りたヴィイが現れ、カドックを守った。ヴィイの力は、まだ少しだけカドックに残っていた。行く手を塞ぐ敵の前には清姫が現れ、焔で玉座への道を開く。この特異点を滅ぼすというマスターの答えを聞いて、清姫は手を貸した。
張角戦にはドン・キホーテとサンチョ、ブラダマンテとヨハンナ、ホームズが残った。張角が直属の英霊級を呼んだところで、復讐界域に潜んでいた狙撃手が張角を撃つ。張角は相手を破戒僧と呼んで反撃し、狙撃手は一撃で倒れた。その隙にドン・キホーテとサンチョの宝具が張角の力を奪い、ブラダマンテが張角を討った。
玉座のクリームヒルトは聖杯二つ分の後ろ盾を受け、ジークフリートを倍以上の速さで押し込んだ。カドックはヴィイの魔眼をジークフリートにつなぎ、相手の弱点を視せる。ジークフリートの一撃で女王が倒れると、聖杯が抜け出してマスターの手に渡った。クリームヒルトは生前、夫が国同士の戦を止めるために命を差し出したと知っていた(この場面を読む)。復讐が無意味だと悟ったうえで、彼女は界域の女王であり続けたと分かる。
ジークフリートは、事前に交わした約定どおり女王の側に立った。野望が潰えても彼女が生きていれば、自分が死ぬとしても彼女のために剣を振るうという約定である。最後の戦いの後、二人は手を取り合って消えた。マシュの報告では聖杯は三つとも確保され、三界域は一つにまとまっている。それでも特異点が崩れる気配は無かった。
地震とともに、モリアーティが全員に通信をつないだ。汎人類史に叛逆する最後のサーヴァントを名乗り、三界域の境の中央にあるライヘンバッハの滝でホームズを待つという。ドン・キホーテとサンチョ、ブラダマンテとヨハンナが退去した。ヨハンナはシャルルマーニュの問いに、口にできると答えて去る。ヴラドは霊基の破損が直らず、カルデアの霊基グラフへ帰った。徐福が残したメモには、マスターはサーヴァントごとに違っていたという仮説が書いてあった(この場面を読む)。
ライヘンバッハの滝
滝の前で、ホームズはモリアーティとの一騎打ちを申し出た。モリアーティはホームズに、あなたのマスターは誰かと問いかけた。その問いで、ホームズは自分の謎を解いてしまう。ロンドンで召喚されたホームズは、チャールズ・バベッジの依頼で第四特異点から第六特異点へ移っていた。マスター無しに土地を移ったのなら、確固たる召喚者がいたはずである。
ホームズは、自分が2016年の時点で異星の神に召喚された最初の使徒だったと結論した。思い出せば神に協力するほかなくなるため、自ら記憶を封じ、善に寄った自分という筋書きを作っていた(この場面を読む)。回想の中のバベッジは、人理焼却で2017年から先が消えたのではなく、初めから無かったと見ている。最後にホームズはモリアーティの力が運命の三女神ノルニルだと叫び、滝へ落ちて消えた。
モリアーティは神そのものではなく神の機構と契約した異星の使徒で、ウルズとヴェルザンディ、スクルドを組み込まれていた。運命の糸を繋ぎ直して、どんな攻撃でも死なない運命を保っていたという。ホームズを殺した彼は、次にカルデアを奪うと言い、カドックにマスターになれと迫る。カドックが受けるふりで条件を出す間に、マスターはマシュを緊急召喚した。マシュの一撃は運命の糸を断ち、マシュとシャルルマーニュがモリアーティを破る。
三十年後の自分だと名乗るモリアーティが現れ、若い自分に敗因を説いた。運命の糸を視せて断たせていたのは、ヴィイの力を使ったカドックだった(この場面を読む)。マシュは、宿敵を殺した時点でモリアーティの運命が終わり、三女神の力も弱まったと見る。モリアーティは命乞いをし、特異点の奥にある重要なものへ案内すると取引した。マスターと仮契約を結んだ彼は、この特異点から出られずに死ぬと自分で言う。シャルルマーニュはマスターに別れを告げて退去した。
被検体:E
滝を発った夜、一行は野営した。カドックはキリシュタリアの全人類神化計画や、最後のクリプターであるデイビットのことを話した。ダ・ヴィンチは、カドックの首輪をとうに止めていたと明かす。残る謎として、ダ・ヴィンチは異星の神の正体と地球白紙化、空想樹の役割を挙げた。
もう一日かけて、一行は王道界域の奥にある本来のネバダ州に着いた。地下十階ほどの施設で、一行は張角の本体を見つける。張角は尸解仙と呼ばれる存在で、本体は死体だった。分身に分身である自覚を忘れさせ、本体が残る限り何度でも蘇る。蘇った分身は特異点を元に戻し、再びサーヴァントを招いて界域の戦争を起こしただろうとモリアーティは言う。本体は分身の代償にシステムとなり、今は置物にすぎない。
モリアーティによると、特異点のマスターの行いは汎人類史への報復だった。本人に報復の意志がなくとも、そうしなければならない立場にいたという。その願いを叶えるため、張角が2017年のネバダ州エリア51を起点に特異点を作り上げた(この場面を読む)。最後の扉の先は、手術室とも実験室ともつかない部屋だった。そこにいたのは、100年前に地球へ落ちてきたという生命体である。100年間ここで実験にさらされ、人類への憎しみを募らせたものを、モリアーティは被検体:Eと紹介した。
得たもの/失ったもの
マシュマスター
モリアーティ
ホームズ
バベッジ
モリアーティ
ドン・キホーテサンチョ
ヨハンナ
シャルルマーニュ
ホームズ
コンスタンティノス11世
サロメ
アストルフォ
源為朝
ローラン
ジークフリート
クリームヒルト
シャルルマーニュホームズの霊基反応の消滅は、マシュがレイシフトした直後に確認された。霊基の記録から見て、消えたのはホームズ以外にありえない。それでもマシュとゴルドルフ、ダ・ヴィンチは、彼がいつものように帰ってくる気がすると口をそろえた(この場面を読む)。
カドックの疑いにも、ここで答えが出た。滝へ向かう馬車の中で、カドックはホームズを疑っていたと本人に認め、気のせいだったかもしれないと付け加えている(この場面を読む)。
関連
用語集の該当ページ。
- 特異点 / 聖杯 / 人理定礎 / 汎人類史 / 白紙化地球
- 異星の神 / クリプター / 異聞帯 / 空想樹 / Aチーム
- サーヴァント / 幻霊 / 令呪 / マスター / 霊基グラフ
- 抑止力 / 魔眼 / アトラス院
- ストーム・ボーダー / シバ / トリスメギストス / レイシフト
中心人物。
- シャーロック・ホームズ / ジェームズ・モリアーティ / カドック・ゼムルプス / マシュ・キリエライト
- ドン・キホーテ / シャルルマーニュ / ローラン / アストルフォ / 徐福
- クリームヒルト / 張角 / サロメ / 源為朝 / ジークフリート
- コンスタンティノス11世 / 女教皇ヨハンナ / ブラダマンテ / 清姫
- ヴラド三世 / チャールズ・バベッジ / 百貌のハサン
前後の章。
出典: ゲーム内シナリオ本文(type-moon-wiki/static/data/story/scripts/03/、war 310 の本編スクリプト 0300120010〜0300122220)。war 310 の再生データは 0300122220 の被検体:Eの紹介で終わっており、本文もそこまでを扱う。




