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封印指定

分類: 技術・魔術 / 別名・関連表記: 封印指定執行者、封印指定水準

この用語は何か

封印指定とは、ロンドンの時計塔が「一代かぎりの希少能力者」と認定した魔術師に下す処分であり、対象は本人の意志と関係なく永久に「封印(ほぞん)」される。バゼット・フラガ・マクレミッツによるこの一連の説明が、本編でもっとも整理された定義にあたる。

建前と実態は本文中ではっきり食い違って提示される。名目は「不世出の才能が損なわれないよう保護する」こと。実態は、才能が突出しすぎた魔術師を狩り出して標本にすることであり、当人にとっては研究の中断を意味する迷惑でしかない。そのため指定された魔術師は雲隠れして協会と袂を分かつのが常であり、それを追う職種が封印指定執行者——探索・交渉・戦闘のすべてをこなし、依頼に感情を持ち込まず対象を狩る狩人である。

言及は重複除去後 15 件・6 章と少なく、指定の等級・審査の手続き・執行者の人数といった制度の細部は語られない

基本データ

項目内容
下す主体ロンドンの時計塔(=魔術協会)
認定の条件一代かぎりの希少能力者であること。突出した魔力量なども対象になる
名目不世出の才能が損なわれないよう保護する
実態捜索・捕縛。当人にとっては研究の中断
指定後の常道雲隠れし、協会と袂を分かつ
解除協会への貢献と引き換えに解除される例がある
執行封印指定執行者。探索・交渉・戦闘をこなす狩人
作中で名前の挙がる執行者バゼット・フラガ・マクレミッツ

章別解説

Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス

制度の説明がまとまって行われる唯一の場面である。きっかけはキリシュタリアの異常な強さで、複数のサーヴァントを赤子の手をひねるように殲滅した事実に対し、ホームズはそれが人間の業ではないと断じる。もし彼にそれだけの魔力量があったならとうに「封印指定もの」として記録が残っていたはずだ——ところがその兆候は資料になかった、という推理の材料として封印指定が持ち出される。

マスターが語を知らないと見るや、元法政科のゴルドルフが解説を引き受ける。封印指定とは「天才の領域を逸脱してしまった、 特異な魔術を修めた者の行き着く末路」であり、その中身は「『興味深いのでとりあえず監禁or標本にするね?』 という宣言のようなもの」だという。協会においては最大の名誉だが、当人にとっては迷惑なことこの上ない——指定される魔術師はたいてい研究好きであり、封印されればそれ以上の研究ができないからである。

だから指定された者は雲隠れして協会と袂を分かつのが常だ、とゴルドルフは結論し、ただし協会への貢献と引き換えに解除される強者もいる、と例外にも触れる。指定は一方通行の終着点ではなく、取引の余地がある処分である。

  • 〔流星の如く煌めかん〕ホームズ —「確かにキリシュタリアは天才だったが、 そんな膨大な魔力量があれば、封印指定ものだよ。」 / ゴルドルフ —「天才の領域を逸脱してしまった、 特異な魔術を修めた者の行き着く末路だ。」 (この場面を読む
  • 〔流星の如く煌めかん〕ゴルドルフ —「結論として、『封印指定』された魔術師はその時点で 雲隠れし、協会とは袂(たもと)を分かつのが常だが……」「……たまに協会への貢献と引き換えに、 『封印指定』を解除されるような強者もいるがね。」 (この場面を読む

→ 章別解説: Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス

バレンタイン2022

執行者の側から制度が語られる章である。バゼット・フラガ・マクレミッツは自らを「探索も交渉も戦闘もこなせる、 選りすぐりの封印指定執行者」と名乗り、依頼に感情を持ち込むことなく狩人として対象の魔術師を狩る、そんな世界で生きてきたと述べる。彼女がこれを口にするのは、海神マナナン・マク・リールが「与える者」であるのに対し自分は奪うことしかできない人間だ、という自己認識を説明する文脈である。

終盤の独白が、本編でもっとも制度そのものを説明した箇所になる。魔術の総本山であるロンドンの時計塔から一代かぎりの希少能力者と認定されれば、その魔術師は永久に「封印(ほぞん)」される。それは本人の意志などおかまいなしに強制的に行われ、執行者と呼ばれる狩人の手によって実施される。続けて彼女は、これまで何人の魔術師を狩ってきたか、任務の障害となった人々からも全てを奪い取ってきたと数え上げる。執行が対象以外の犠牲を伴う職務として描かれるのはここだけである。

  • 〔第3節 後より出でて先に断つもの〕バゼット —「探索も交渉も戦闘もこなせる、 選りすぐりの封印指定執行者です。」 (この場面を読む
  • 〔第4節 おもてなしの女神〕バゼット —「封印指定執行者……そう呼ばれる 魔術師の事をご存知ですか。」「受けた依頼に感情を持ち込む事なく、 ただ、狩人として対象の魔術師を狩る……」 (この場面を読む
  • 〔第7節 与える者、奪う者〕バゼット —「魔術の総本山、ロンドンの時計塔から、 一代かぎりの希少能力者と認定されれば……」「その魔術師は、永久に『封印(ほぞん)』される事となる。」「―――執行者と呼ばれる狩人(ハンター)の手によって。」 (この場面を読む

→ 章別解説: バレンタイン2022

五月連休温泉 隈乃

指定される側から制度が否定される章である。温泉旅館での殺人騒ぎのさなか、バゼットは相手を蒼崎橙子だと思い込んで戦いを挑み、敗れて「薬物実験でも改造実験でも好きにすればいい……」と観念する。相手が蒼崎青子だと分かった直後、青子は橙子への執着からバゼットの職種を言い当て、そのうえで要約する——封印指定とは不世出の才能が損なわれないよう保護する、なんて名目だけど、実際は魔術師を捜しだして捕縛する処刑人ではないか、と。建前を先に読み上げてから否定する形になっており、その落差が正面から言葉にされる唯一の箇所である。

同じ章では、時計塔の暗号文書として執行者の職掌も示される。1999 年に日本のある市の観測記録が存在しないという異常について、協会は現地にいる封印指定執行者を、教会は現地にいる司祭代行を担当とする——伝承科君主ブリシサン名義の指示書である。執行者が魔術師狩りだけでなく、現地の異常調査にも動員される要員であることが分かる。

  • 〔3.温泉では治せない〕蒼崎青子 —「封印指定…… 不世出(ふせいしゅつ)の才能が損なわれないよう保護する、」「なんて名目だけど、実際は魔術師を捜しだして 捕縛する処刑人じゃない。」 (この場面を読む
  • 〔4.そして誰もいなくなったッス〕蒼崎青子 —「『この異常の調査については  協会は現地にいる封印指定執行者を』」 (この場面を読む

→ 章別解説: 五月連休温泉 隈乃

断片的な言及(幕間の物語/第六特異点?/星屑盤上冥路 アステロ・アキハバラ)

残る用例は短いが、それぞれこの語の位置づけを別角度から示す。

幕間の物語でホームズは、シゲルソン時代の事件の犯人像を二つの極で挟む——時計塔の落ちこぼれか、真逆で封印指定の魔術師か。落ちこぼれと封印指定魔術師が能力の両極として並べられているわけで、指定を受けた者が協会の外で動く高位の危険人物と見なされていることが分かる。

**第六特異点?**では、フラットが突飛なスキルの覚醒を騒ぐのをエルメロイⅡ世が制止する。ここで封印指定は抑止力と並べられ、協会の内規というより「世界から排除する機構」の一つとして扱われている。他の章にはない角度である。

星屑盤上冥路 アステロ・アキハバラでは、悪化する歌舞伎町を見たガネーシャが「封印指定水準寸前」と叫ぶ。本来は個人に下る処分が地域の異常度を測る目盛りに転用されており、続く「黒塗り抹消」の語とあわせて、封印指定と秘匿体制が地続きであることを示している。

  • 〔失われた時を想って〕ホームズ —「おおかた時計塔の落ちこぼれあたり、 或いは真逆で、封印指定の魔術師の仕業なのだろう。」 (この場面を読む
  • 〔第四幕 ロック・ストック〕エルメロイⅡ世 —「魔術師たる身でありながら、封印指定なり抑止力なりで 真っ先に世界から排除されるようなスキルを想定するな。」 (この場面を読む
  • 〔最後のゲーム:バトル・オブ・《新宿》〕ガネーシャ —「歌舞伎町全域、封印指定水準寸前! 黒塗り抹消待ったなし!」 (この場面を読む

→ 章別解説: 幕間の物語第六特異点?星屑盤上冥路 アステロ・アキハバラ

本編で語られない部分

FGO 本編が封印指定について語るのは、認定の条件(一代かぎりの希少能力者・突出した魔力量)/名目と実態の食い違い/指定後の常道と解除の余地/執行者という職種までである。指定に等級があるのか、誰がどんな手続きで審査するのか、執行者は何人いてどう任命されるのか、「封印(ほぞん)」された魔術師が実際どこでどう保管されるのかは、作中では一度も説明されない。またキリシュタリアが実際に指定を受けたかも断定されない——ホームズの言い方はあくまで「そんな膨大な魔力量があれば、封印指定ものだよ。」という仮定であり、記録に兆候がなかったという事実を導く材料として使われているにすぎない。

読み取れる設定

  • 指定の基準(確定)ホームズは膨大な魔力量について「そんな膨大な魔力量があれば、封印指定ものだよ。」と述べ、突出した才能・能力が指定の対象になることを示す。ゴルドルフの「貴様のようにへっぽこであれば、何があろうと 封印指定されることはあるまい!」も裏側から同じ基準を示す。
  • 名目と実質(確定):保護(名目)/捕縛(実質)。蒼崎青子による。
  • 指定後の行動(確定):雲隠れして協会と袂を分かつのが常。ただし協会への貢献と引き換えに解除される例もある(ゴルドルフ)。
  • 執行者の職能(確定):探索・交渉・戦闘のすべてをこなす。依頼に感情を持ち込まず、狩人として対象を狩る(バゼット)。
  • 執行者の現地配備(確定):9166 で読み上げられる協会文書「『この異常の調査については  協会は現地にいる封印指定執行者を』」——執行者は現地要員として動員される。
  • 抑止力との並置(確定)エルメロイⅡ世「魔術師たる身でありながら、封印指定なり抑止力なりで 真っ先に世界から排除されるようなスキルを想定するな。」——封印指定は世界からの排除機構のひとつとして抑止力と並べられる。
  • 水準としての用法(確定):ガネーシャ「歌舞伎町全域、封印指定水準寸前! 黒塗り抹消待ったなし!」——地域の異常度を測る目盛りとしても使われる。
  • 【推測】 ホームズの「おおかた時計塔の落ちこぼれあたり、 或いは真逆で、封印指定の魔術師の仕業なのだろう。」という推理から、封印指定された魔術師は協会の外で活動する高位の危険人物という社会的イメージを持たれている。落ちこぼれと対極に置かれる点が示唆的である。

揺れ・矛盾

  • 制度の目的について、公式説明と当事者の証言が正面から食い違う。 協会側の名目は「封印指定…… 不世出(ふせいしゅつ)の才能が損なわれないよう保護する、」というものだが、蒼崎青子は同じ文で「実際は魔術師を捜しだして 捕縛する処刑人じゃない。」と否定する。作中でこの矛盾を調停する説明は与えられない。
  • 執行者の性格づけが章で異なる。 バゼットは自らを「狩人」と規定し感情の排除を強調するが、8366 での彼女の実際の振る舞いは女神との交渉に終始する。9166 では青子から「というより、橙子(とうこ)に固執しているって事は 協会の封印指定(ふ う い ん し て い)執行者ね、貴女。」と看破された直後に「ほらやっぱり。 そういうこと言った。(ぷいっ)」と拗ねてみせる。職務上の自己規定と作中の描写に落差がある。
  • キリシュタリアが封印指定を受けたかどうかは断定されない。 ホームズの「そんな膨大な魔力量があれば、封印指定ものだよ。」は仮定形であり、実際に指定されたという記述は本文中に無い。
  • 用例は重複除去後 15 件と少なく、指定の等級・解除条件・執行者の人数などの制度詳細は本文から読み取れない。

関連

付録: 原文引用アーカイブ

原文引用アーカイブ(機械収集・18 本)— 本文で扱わなかった言及もここに残してある

本節はコンコーダンス一致行を全件収録している。一致行は原文ベースで 45件、同一 war 内で完全に同一の(話者・本文)が重複する分岐台本を除去すると 15件(6章)。 これに加え、定義説明が語をまたぐ箇所については同一シーンの前後 3件 を文脈補足として引用した(同じくシナリオ本文からの直接引用)。

章の並びはゲーム内の章番号順(メインシナリオ → イベント)である。

幕間の物語(war 1003・引用1件) 〈場面:失われた時を想って〉

  • ホームズ —「おおかた時計塔の落ちこぼれあたり、 或いは真逆で、封印指定の魔術師の仕業なのだろう。」

Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス(war 305・引用5件) 〈場面:流星の如く煌めかん〉

  • ホームズ —「確かにキリシュタリアは天才だったが、 そんな膨大な魔力量があれば、封印指定ものだよ。」
  • (選択肢・ナレーション) —「封印指定……?」
  • ゴルドルフ —「結論として、『封印指定』された魔術師はその時点で 雲隠れし、協会とは袂(たもと)を分かつのが常だが……」
  • ゴルドルフ —「……たまに協会への貢献と引き換えに、 『封印指定』を解除されるような強者もいるがね。」
  • ゴルドルフ —「貴様のようにへっぽこであれば、何があろうと 封印指定されることはあるまい!」

バレンタイン2022(war 8366・引用6件) 〈場面:第3節 後より出でて先に断つもの〉

  • バゼット —「探索も交渉も戦闘もこなせる、 選りすぐりの封印指定執行者です。」

〈場面:第4節 おもてなしの女神〉

  • バゼット —「封印指定執行者……そう呼ばれる 魔術師の事をご存知ですか。」
  • バゼット —「受けた依頼に感情を持ち込む事なく、 ただ、狩人として対象の魔術師を狩る……」
  • バゼット —「バゼット・フラガ・マクレミッツは、 そんな世界で生きてきました。」

〈場面:第7節 与える者、奪う者〉

  • バゼット —「封印指定―――」
  • バゼット —「封印指定執行者として、 バゼット・フラガ・マクレミッツは……」

星屑盤上冥路 アステロ・アキハバラ(war 9076・引用1件) 〈場面:最後のゲーム:バトル・オブ・《新宿》〉

  • ガネーシャ —「歌舞伎町全域、封印指定水準寸前! 黒塗り抹消待ったなし!」

五月連休温泉 隈乃(war 9166・引用4件) 〈場面:3.温泉では治せない〉

  • 蒼崎青子 —「というより、橙子(とうこ)に固執しているって事は 協会の封印指定(ふ う い ん し て い)執行者ね、貴女。」
  • 蒼崎青子 —「封印指定…… 不世出(ふせいしゅつ)の才能が損なわれないよう保護する、」
  • 蒼崎青子 —「なんて名目だけど、実際は魔術師を捜しだして 捕縛する処刑人じゃない。」

〈場面:4.そして誰もいなくなったッス〉

  • 蒼崎青子 —「『この異常の調査については  協会は現地にいる封印指定執行者を』」

第六特異点?(war 9198・引用1件) 〈場面:第四幕 ロック・ストック〉

  • エルメロイⅡ世 —「魔術師たる身でありながら、封印指定なり抑止力なりで 真っ先に世界から排除されるようなスキルを想定するな。」