魔術協会
この用語は何か
魔術協会とは、魔術という技術とその担い手を管理する、魔術世界の統括組織である。カドックはこれを「魔術協会とは『人類史そのものを一つの伝承』と して捉え、これを発展させてきた組織だ。」と定義する。成立は西暦初頭で、始まりの時点からすでに三つの部門に分かれていた——ロンドンの時計塔、エジプトのアトラス院、北海の彷徨海バルトアンデルス。三者は本部と支部の関係ではなく、魔術をどう扱うかという理念ごと別々の勢力である。21世紀において「魔術協会」と言えば実質的に最大勢力の時計塔を指すため、作中でも両語はしばしば同じものとして使われる。
FGO でこの語が重いのは、設定の背景としてではなくカルデアの出資者にして監督者だからである。設立資金の七割はロンドンの魔術協会——アニムスフィア家が出しており、所長人事も、レイシフトを実施してよいかどうかの決議も、事後の査問も協会の側が握っている。カルデアが「国連主催の組織」と名乗りながら実態は「魔術協会……アニムスフィアの研究施設」だと説明されるのはそのためで、第1部の主人公たちは終始、この後ろ盾と目付役を同時に背負って動いている。
そして第2部で、その前提が消える。地球白紙化によってロンドンごと協会が滅びたという報告が、以後のカルデアの立場を決定づける。上司も査問会も援助も存在しない世界で戦うのが第2部であり、その状況を作っているのがこの語である。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正体 | 魔術世界の統括組織。人類史そのものを一つの伝承として捉え、これを発展させてきた集団 |
| 成立 | 西暦初頭。その始まりからして三部門に分かれていた |
| 三大部門 | 時計塔(ロンドン・最大勢力)/アトラス院(エジプト・錬金術)/彷徨海バルトアンデルス(北海・神代の魔術のみを認める) |
| 通称 | 21世紀において「魔術協会」と言えばロンドンの時計塔を指す |
| 拠点 | ロンドン本部が協会発祥の地。大英博物館の地下に入口があり、周囲に複数の学術都市を持つ |
| 対立組織 | 聖堂教会。長く対立している、もう一つの神秘組織 |
| カルデアとの関係 | 設立出資金の七割を拠出。所長人事・レイシフトの許認可・査問の権限を持つ |
| 協会の外 | アインツベルンのように協会に属さない魔術一族があり、中華系の山嶺法廷など別系統の魔術組織も存在する |
| 作中の現況 | 第2部開始時点で消滅。以後は回想・資料参照の対象としてのみ現れる |
章別解説
特異点F 炎上汚染都市 冬木
協会は初回から、カルデアを取り上げうる立場として登場する。 マシュがカルデアの成り立ちを説明する場面で、設立の出資金は各国合同ながらその七割はロンドンの魔術協会——アニムスフィア家が出していると明かされる。カルデアは国連の特務機関であると同時に、一魔術家門の資本で回っている施設である。
この構図がオルガマリーの焦燥をそのまま説明する。カルデアスから百年先の未来が消えたとき、協会とスポンサーから非難が殺到し、彼女には一刻も早い事態の収束というオーダーが課せられた。冬木で救助を待つという案を退けるときも、理由は敵ではなく協会である——人材集めにも資金繰りにも一ヶ月ではきかず、その間に抗議が積み上がり、最悪カルデアは「連中」に取り上げられる。所長が急ぐのは人理のためだけではなく、組織を奪われないためでもある。
協会はまた、人員の供給元でもある。新人向けの訓示でオルガマリーは、協会から派遣されてきた魔術師は学生意識が抜けきっていないと名指しし、素人同然のマスター候補を送り込んできたことについても「協会は何を考えているのかしら」と毒づく。カルデアの職員構成そのものが協会からの出向で成り立っている。 一方で終盤、大聖杯を作ったアインツベルンが「魔術協会に属さない」一族と紹介され、協会に属さない魔術師がいることも同じ章で示される。
- 〔大橋を調べる〕マシュ —「カルデア設立の出資金は各国合同となっていますが、 その七割はロンドンの魔術協会―――」(この場面を読む)
- 〔霊脈地へ〕オルガマリー —「人材集めも資金繰りも一ヶ月じゃきかないわ。 その間、協会からどれほど抗議があると思っているの?」(この場面を読む)
- 〔大橋を調べる〕Dr.ロマン —「今まで保証されていた百年先の未来が視えなくなった。 協会やスポンサーから非難の声は山のように届いた。」「名門中の名門、十二のロードの一家、 魔術協会の天体学科を司るアニムスフィア家。」(この場面を読む)
- 〔大聖杯目前〕Dr.ロマン —「魔術協会に属さない、人造人間(ホムンクルス)だけで 構成された一族のようですが。」(この場面を読む)
→ 章別解説: 特異点F 炎上汚染都市 冬木
第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン
協会が建物として画面に現れる唯一の章である。魔霧の正体を調べる資料を求めた一行に、アンデルセンはここはロンドンなのだから行き先は決まっていると告げ、ジキルが魔術協会——通称・時計塔だと補う。モードレッドはすでに下見を済ませており、協会はリージェントパークからウェストミンスターにかけての地下にあり、入口は大英博物館だと語る。
道中でジキルが説明するのが、協会の物理的な成り立ちである。ロンドン本部は協会発祥の地であり、何百年か後に規模が大きくなったので施設を増やした——それがロンドンを囲むように点在する学術都市群だという。地上と地下、本部と衛星都市という二重構造が、この章で初めて具体化される。
現地に着いた一行が入り込むのは、無限に続く迷宮のような地下だった。襲ってくる書籍型の敵性体について、ジキルは地下の魔術協会に秘蔵されていた魔術書が魔霧の影響で変質したのだろうと推測する。協会の地下は蔵書庫であり、同時に危険物の保管庫でもある。 別の場面ではパラケルススが、そこが時計塔の地下施設の隔離区画であり、世界に実体化しかけた邪悪なるものを封じた一冊の本が眠っていると告げる。
この地下書庫は、物語の情報源としても機能する。アンデルセンは聖杯戦争というシステムに瑕があると睨んで協会で資料を漁り、英霊召喚はもともと七つの力を一つにぶつける儀式であり、聖杯戦争はそれを人間が利己的に使えるようアレンジしたものだという結論を持ち帰る。作中で語られる根幹設定のひとつが、協会の蔵書から出てきている。
- 〔もうひとつの謎〕モードレッド —「魔術協会ってのは、あれだろ。リージェントパークから ウェストミンスターにかけての地下にあるとかいう?」(この場面を読む)
- 〔死せる魔術協会〕ジキル —「ロンドン本部は協会発祥の地で、その後何百年かあと、 規模が大きくなったんで施設を増やしたんだ。」(この場面を読む)
- 〔死せる魔術協会〕アンデルセン —「これはどうも、もう一段階、裏がある。 そう考えて魔術協会で資料を漁った。」(この場面を読む)
- 〔デビルズ・クエスト〕パラケルスス —「ここは、魔術協会―― 時計塔と呼ばれる組織の地下施設、その一部です。」(この場面を読む)
→ 章別解説: 第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン
第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット
三部門のうち二つ目に足を踏み入れる章である。砂漠の異界に行き着いた一行に対し、マシュがアトラス院は魔術協会の一部であり、協会は大きく三つの流派に分かれていると説明する。ここで「魔術協会」が時計塔だけを指す語ではなく、複数の学派を束ねる上位概念であることが初めてはっきりする。
同時に、協会とカルデアの関係にもう一本の線が引かれる。マシュいわく、カルデアが魔術協会や国連に認められる程の組織になったのもアトラス院の協力あってのものだという。トリスメギストスをはじめとする中核技術はアトラス院の寄贈であり、カルデアは時計塔の資本とアトラス院の技術という、協会内の二つの部門にまたがって成立している。 ホームズはアトラス院を三大部門の一つ「蓄積と計測の院」と呼び、Dr.ロマンはこの時代のアトラス院を「魔術協会ができるより前の」ものと言い表す。
この章はまた、カルデアの正体を最も端的に言い切る章でもある。マシュの出自を語るくだりで、ロマンはカルデアが国連主催の組織でありながら内情は魔術協会——アニムスフィアの研究施設であり、だからこそ人類の未来という大義のもと非人道的な試みも行われたと述べる。デミ・サーヴァント実験の背景には、協会の系譜にある組織だという事情が置かれている。
- 〔炎の村〕マシュ —「アトラス院は魔術協会の一部です。 魔術協会は大きく三つの流派に分かれていますが、」「カルデアが魔術協会や国連に認められる程の組織に なったのも、アトラス院の協力あってのものだとか。」(この場面を読む)
- 〔秘匿の研究〕ホームズ —「魔術協会、その三大部門の一つ、蓄積と計測の院。」(この場面を読む)
- Dr.ロマン —「ここカルデアは国連主催の組織だけど、 その内情は魔術協会……アニムスフィアの研究施設だ。」
→ 章別解説: 第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット
終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン / 亜種特異点期
人理修復が終わると、協会は戻ってくる監督官庁として姿を現す。ダ・ヴィンチは、地球上のすべての知性活動が一年間停止した件について原因と経緯を報告せよという要求とともに使節団が送られてくると告げ、レイシフトも以前のように気軽にはできない、国連と協会の許可が下りてから行うものだったと確認する。カルデアの一年間の戦いは、制度上はすべて無許可の行為だった。
亜種特異点の各章は、この官僚機構との折衝が背景に流れ続ける。新宿では、やってきた協会の人間がカルデアの蓄積したデータ量に面食らって早々に退散し、ダ・ヴィンチは山盛りの協定違反を自認しながら、協会の肝煎りがまだ到着していない隙を突いて主人公に特異点修正を頼み込む。同じ章でスタッフたちが主人公の記録を書き換えようとするのも、功績が大きすぎると協会の政治抗争に巻き込まれ、暗殺か行方不明という結末になりかねないという判断からである。
セイレムでは、協会の実務組織としての姿が最もはっきり描かれる。北米支部との連携、現地エージェント(ただし北米では数が少ない)、協会所属の魔術師が投入した使い魔——それらがすべて通信途絶する。各地に根付いた協会や聖堂教会の構成員に加えてカルデアの局員も配置されていることが語られ、神秘の世界には協会・教会・カルデアという三系統の現地要員が並存していることが分かる。そして章の終わりに、協会と国連はこの疑似霊子転移を最後にレイシフトを封印すると決定し、カルデアの地下炉心は協会からの厳命ですでに停止させられている。第1部の終わりにカルデアを縛り上げたのは敵ではなく、後ろ盾だった協会である。 なお同じ章の回想で、魔神ラウムは伝承科を「ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌」と呼んでおり、Lostbelt No.7での学科解説と接続する。
- 〔帰還〕ダ・ヴィンチ —「魔術協会からも急いで使節団が送られてくるそうだよ。」「そう、以前のように気軽にはできない。 レイシフトは国連と協会の許可が下ってから行うものだった。」(この場面を読む)
- ダ・ヴィンチ —「本来、レイシフトは魔術協会と国連が綿密な議論を重ねた末に ようやく決議される大イベントなんだぜ?」「北米の魔術協会支部とも連携中だ。 ことはカルデアスで観測された事象(モノ)ではないからね。」「すでにカルデアの地下炉心は停止させられている。 協会からの厳命でね。」
- 〔最後の結び目〕魔神ラウム —「魔術協会における伝承科。我らの王の弟子のひとり、 ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌だ。」(この場面を読む)
→ 章別解説: 終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン/亜種特異点Ⅰ 悪性隔絶魔境 新宿/亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム
序/2017年 12月26日
協会がカルデアに対して実力を行使する、唯一の章である。査問団と新所長の来訪を前に、技師たちは協会から選ばれた新所長が取り巻き50人を連れてくるらしいと噂し、管制室スタッフは、カルデアがほぼ壊滅した以上その立て直しには協会の援助が不可欠だと冷静に認める。受け入れるしかない、という力関係がまず提示される。
ダ・ヴィンチが整理する罪状の一覧が、協会という組織が何を禁じているのかをそのまま示している——協会に無断での人事異動、一般スタッフへの機密知識の開示、七騎までの制限付きだったサーヴァント召喚の多用、そして国連の許可なしでのレイシフト敢行。世界を救ったかどうかは審査項目ではない。 対抗策としてダ・ヴィンチとホームズが選んだのも制度上の手段だった。この一年、協会への報告書にはホームズの名を一字も書かず、カルデアにシャーロック・ホームズなど存在しないことにしてある。「敵には見えていない味方」は、協会への虚偽報告によって作られている。
到着した[[ゴルドルフ・ムジーク]]はカルデアの制圧は容易いと宣言し、これは魔術協会の意向と思えと言い放つ。しかしダ・ヴィンチは兵の数が四十人しかいない点を突き、これはあくまで独断で協会の決定とは違うのではないか、今すぐ協会に連絡を取って確認してもいいのか、と切り返す。協会の名は権威として振り回せるが、同時に照会すれば嘘がばれる権威でもある。 コヤンスカヤが場を取り繕うために「私ども魔術協会に従わない極悪人」と口にするのも、同じ看板の使い方である。
この章はさらに、協会の外側にある勢力を並べて見せる。ダ・ヴィンチは言峰神父を、聖堂教会——魔術協会とは長く対立している、もう一つの神秘組織からの出向だと説明し、コヤンスカヤについては魔術協会の人間でも聖堂教会の人間でもないと断じる。そして軟禁が解ける段になって、神父が上司の伝言として持ってくる言葉が象徴的である。協会は自分たちの功労者をも「秘匿体制」の名で拘束しうる組織であり、そこから保護する側に回ったのが教会だった。
- 〔序/2017年 12月26日〕カルデア技師 —「魔術協会から選ばれた新所長と、 その取り巻きが50人も来るらしい。」 / 管制室スタッフ —「カルデアはほぼ壊滅して、 立て直しには魔術協会の援助は不可欠になった。」(この場面を読む)
- 〔序/2017年 12月26日〕ダ・ヴィンチ —「魔術協会に無断での人事異動。 一般スタッフへの機密知識の開示。」「なにしろこの一年、魔術協会への報告書には ホームズのホの字も書いていない。」(この場面を読む)
- 〔序/2017年 12月26日〕ゴルドルフ —「カルデアを制圧する事は容易(たやす)い。 これは魔術協会の意向と思いたまえ。」 / ダ・ヴィンチ —「となると、これはあくまでキミの独断。 魔術協会の決定とは違うんじゃないかな?」(この場面を読む)
- 〔序/2017年 12月26日〕ダ・ヴィンチ —「言峰(ことみね)神父は聖堂(せいどう)教会―――魔術協会とは 長く対立している、もう一つの神秘組織からの出向だ。」(この場面を読む)
- 〔序/2017年 12月31日〕神父 —「『魔術協会の秘匿体制から保護してあげなさい。 我々の恩人に、せめてそれぐらいは報いたい』と。」(この場面を読む)
→ 章別解説: 序/2017年 12月26日
Lostbelt No.1 永久凍土帝国 アナスタシア
協会の喪失が宣告される章である。虚数空間から浮上した一行にホームズが地球の白紙化を告げると、ゴルドルフは西暦元年より存在する時計塔が滅びるものかと反論する。それに対するホームズの返答が、以後の全編を規定する一行になる——ロンドンの魔術協会もまた、滅びました。
この宣告は、その場で実際的な効果を持つ。ヤガの[[パツシィ]]が英霊召喚の儀式を目撃したとき、ゴルドルフは目撃者を始末しろと叫ぶが、ホームズは魔術協会もない世界でそこまでの対応は不要だと一蹴する。魔術世界の秘匿は掟としてではなく、協会という執行主体があってはじめて機能していた——その事実が、協会が消えた直後に確認される。
一方この章の冒頭では、協会がどのように利用されたかも明かされる。クリプター側の会議で[[ペペロンチーノ]]は、コヤンスカヤが魔術協会に手を回して扱いやすい新所長まで動員したのに、と愚痴をこぼす。ゴルドルフの着任そのものが、外部からの工作の結果だった。 また異聞帯の成り立ちを説明する場面では、剪定事象という機構が「魔術協会では考えられている」と紹介され、協会が学説の主体でもあることが分かる。
- 〔獣たちの帝国〕ホームズ —「いや。お言葉ですがMr.ゴルドルフ。 ロンドンの魔術協会もまた、滅びました。」(この場面を読む)
- 〔ヤガ〕ホームズ —「ははは。いやいや、まあまあ。 魔術協会もない世界でそこまでの対応は不要でしょう。」(この場面を読む)
- 〔intro.1〕ペペロンチーノ —「そうね。せっかくコヤンスカヤちゃんが 魔術協会に手を回して、扱いやすい新所長まで動員したのに。」(この場面を読む)
- 〔皇女アナスタシア〕ダ・ヴィンチ —「この機能がある事で、我々の宇宙は今も問題なく 広がっている、と魔術協会では考えられている。」(この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.1 永久凍土帝国 アナスタシア
Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング
三部門が初めて体系的に説明される章である。彷徨海バルトアンデルスからの救難信号を受けて、ゴルドルフが魔術協会は一枚岩ではないと開き直り、自分が活躍していたのはロンドンの時計塔であって彷徨海には行った事もないと白状する。それを受けてマシュが、協会は西暦初頭に成立した組織で、その始まりからして三つの部門に分かれていたと整理する。
三者の違いは、規模や序列ではなく理念の違いとして説明される。ロンドンに拠点をおいた魔術師たちは時代に適応し、人類史と共に魔術を積みあげる事を是とした——これが時計塔。エジプトのアトラス院は錬金術を極める者たちの学舎で、生まれた技術は外に持ち出してはならないという絶対原則を持つ(カルデアスとペーパームーンがカルデアに渡っているのは、初代所長が“アトラスの契約書”でこの原則を免除されたためである)。彷徨海は文明による魔術の進歩・変化を認めず、西暦以前の神代の魔術のみを魔術とする。同じ協会でありながら、時計塔と彷徨海の原則は正面から相反する。 ゴルドルフによれば、部門間の連絡は君主級でようやく最低限交わされる程度でしかない。
この三分割は後の章でさらに揺らぐ。聖杯戦線 ~白天の城、黒夜の城~では、ゴルドルフが彷徨海を原協会と呼び直し、また同じ章の冒頭で、欧州の魔術協会とは異なる中華思想に根ざした魔術組織——山嶺法廷や螺旋館——の存在にも触れる。太公望は大陸にはいくつも魔術組織があると言い切る。「魔術協会」は世界の魔術師を残らず束ねる唯一の機構ではない。
- 〔intro.2-1〕ゴルドルフ —「魔術協会といっても一枚岩ではないのだ! 私が活躍していたのはロンドンの時計塔であって、」 / マシュ —「魔術協会は西暦初頭(せいれきしょとう)に成立した組織ですが、 その始まりからして三つの部門に分かれたと。」(この場面を読む)
- 〔intro.2-1〕ゴルドルフ —「うむ。21世紀において、魔術協会と言えば ロンドンの時計塔と言って差し障りはあるまい。」 / マシュ —「次にエジプトのアトラス院。 こちらは錬金術(れんきんじゅつ)を極(きわ)める者たちの学舎です。」(この場面を読む)
- 〔プロローグ〕ゴルドルフ —「山嶺法廷(さんれいほうてい)……? 我ら欧州の魔術協会と異なる、 中華思想に根ざした魔術組織なら聞いたことがあるが。」(この場面を読む)
- 〔第17節 黒い少女〕ゴルドルフ —「……えっと、まさかそれは、魔術協会の彷徨海かね? つまりその、原協会の?」(この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング/聖杯戦線 ~白天の城、黒夜の城~
Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス / 星間都市山脈 オリュンポス
協会が魔術師に対して持つ権限と、蓄えている兵器が語られる二章である。アトランティスでゴルドルフが解説する封印指定は、天才の領域を逸脱した魔術を修めた者に下される処遇で、協会においては最大の名誉でありながら、指定された当人には迷惑この上ない。結果として指定された魔術師は雲隠れし、協会と袂を分かつのが常——ただし協会への貢献と引き換えに解除される例もある。処分制度でありながら取引の余地がある、というのが協会の運用実態である。
オリュンポスでは、協会の伝説がそのまま兵器として持ち出される。ホームズは、魔術協会で囁かれる伝説として世界さえ容易に滅ぼし得るという七つの魔術的兵器を挙げ、そのひとつが概念武装ブラックバレルであると明かす。アトラス院の作った七つの禁忌が、ゼウス相手の切り札になる。ゴルドルフが「これが汎人類史の魔術協会の力というものだ!」と叫ぶのも、アトラス院の技術を結集したストーム・ボーダーが雷霆を躱した直後である。すでに滅んだ組織の遺産が、第2部の戦力の実体になっている。
同じ章に挿入されるキリシュタリアの回想は、彼が魔術協会の本拠地であるロンドンの時計塔・天体科に在籍していたところから始まる。またロンドン特異点を訪れたクリプター一行の回想では、彼が「魔術協会も吹き飛んでしまっている」と評する。第2部の主要人物の大半が、協会の内側で育った魔術師である。
- 〔流星の如く煌めかん〕ゴルドルフ —「協会においては最大の名誉だが、 指定された当人にとっては迷惑なコトこの上ない。」「結論として、『封印指定』された魔術師はその時点で 雲隠れし、協会とは袂(たもと)を分かつのが常だが……」(この場面を読む)
- 〔汝、星を鋤く豊穣(Ⅳ)〕ホームズ —「ああ。魔術協会で囁かれる伝説に曰く、 世界さえ容易に滅ぼし得るという七つの魔術的兵器。」(この場面を読む)
- 〔星間都市山脈オリュンポス〕ゴルドルフ —「見たかゼウス! これが汎人類史の魔術協会の力というものだ!」(この場面を読む)
- 〔我、星を裂く雷霆(Ⅰ)〕キリシュタリア —「ロンドンまで特異点になっているとはね。 魔術協会も吹き飛んでしまっている。」(この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス/Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス
Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
ベリル・ガットの出自を語る断章で、協会が抱える分類のひとつが説明される。彼が母から教わった黒魔術の出所は、魔術世界における“廃棄物”——『魔女』と呼ばれる生き物だった。地の文は続けて、魔術協会において『魔女』というカテゴリーは“女の魔術師”という意味ではないと断り、『魔女』とは人間と違う生き物であり、協会の一部門である植物科(ユミナ)の創立者にして、第一魔法の成立に関わった超自然的な存在だと定義する。時計塔の学科のひとつが、人間ではないものによって作られたことになる。
そのうえで地の文は、『魔女』はもう魔術協会に在籍していないと告げる。文明の発展とともに彼女たちは姿と在り方を変え、大地に還ったもの、過去に還ったもの、第一に加わったものがいる。それらの転身は魔術師にとって奇跡の業として畏敬をもって語られる。一方で『魔女』としての在り方を放棄し、文明社会に埋没して“人間”に落ちた者もおり、そちらには畏敬も憐れみも与えられない。ベリル・ガットの母は後者だった。協会が定める格は、能力ではなく在り方によって決まる。
同じ章では[[スカンジナビア・ペペロンチーノ]]の経歴も参照され、カルデアの資料では彼が魔術協会で汚れ仕事を請け負っていたところをマリスビリーに見いだされ、天体科を経てカルデアに配属されたとされる。協会には汚れ仕事という職域があり、そこが有能な人材の調達先にもなっている。
- 〔ある予言〕(地の文) —「魔術協会において、『魔女』というカテゴリーは “女の魔術師”という意味ではない。」「魔術協会における一部門…… 呪い・薬物を扱う『植物科(ユ ミ ナ)』の創立者にして、」(この場面を読む)
- 〔ある予言〕(地の文) —「だが、『魔女』はもう魔術協会に在籍していない。」(この場面を読む)
- 〔ノリッジ(Ⅰ)〕ダ・ヴィンチ —「カルデアの資料では魔術協会で汚れ仕事を 請け負っている中、マリスビリーに見いだされ、」(この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
この語の定義が、作中でただ一度だけ正面から与えられる章である。ストーム・ボーダーのライブラリで[[デイビット・ゼム・ヴォイド]]の経歴を洗ったカドックが、その前提として魔術世界の枠組みを読み上げる。協会には三つの勢力があり、エジプトのアトラス院、北海の彷徨海、そして最大勢力であるロンドンの時計塔。通常「魔術協会」と言えばこの時計塔を指す——ここまでは他章の説明の再確認である。
踏み込むのはその先だ。カドックは、魔術協会とは人類史そのものを一つの伝承として捉え、これを発展させてきた組織であると定義する。だからこの組織にとって『神話の伝承』は『常識』と同じで、一学科で専門的に学ぶほどのものではない。各国の神話は個体基礎科・降霊科・天体科・考古学科でも「人類の築いてきた共通の法則、学問」として扱われる。協会が扱う対象は魔術ではなく人類史であり、神話も天使も悪魔もその内側の一般常識にすぎない。 その常識より上に置かれるもの、すなわち地球の物質ですらない超遺物を扱うのが伝承科であり、そこに属した者は生涯を地球外の脅威の解読に費やす——という説明が、この定義から導かれる。モリアーティも冒頭で、南米に眠る『領域外の生命』を協会が伝承科に区別される絶対の禁忌としていると述べている。
章の終盤、マリスビリーが[[デイビット・ゼム・ヴォイド]]を勧誘する回想で、協会は隠す相手として名指しされる。計画を秘匿する形として、魔術協会からも、仲間であるカルデアからも、世界からも隠す——だからAチームの魔術師はマスターではなく秘匿者(クリプター)である、と。協会は監督者であると同時に、初代所長が真っ先に欺いた相手でもあった。
- 〔第四冥界ヤヤウキ〕カドック —「魔術世界における『協会』は三つの勢力が存在する。 エジプトの『アトラス院』。北海の『彷徨海』。」(この場面を読む)
- 〔第四冥界ヤヤウキ〕カドック —「魔術協会とは『人類史そのものを一つの伝承』と して捉え、これを発展させてきた組織だ。」「協会において『神話の伝承』は『常識』と同じ。 一学科で専門的に学ぶ程のものじゃない。」(この場面を読む)
- 〔オープニング〕モリアーティ —「南米に眠る『領域外の生命』。 魔術協会では『伝承科(でんしょうか)』に区別される絶対の禁忌。」(この場面を読む)
- 〔宇宙樹〕マリスビリー —「だからこういう形で隠すんだ。 魔術協会からも、仲間(カルデア)からも、世界からも。」(この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
幕間の物語
個々のサーヴァントの幕間では、協会は近づけない場所として扱われる。モリアーティの幕間では、微小特異点の発生源が時計塔——魔術協会の総本山だと名指しされ、ダ・ヴィンチもそれを認める。もっともモリアーティの目的は解決ではなく、無人になった協会の地下に籠もることだった。協会の施設は、悪党にとって最良の隠れ家でもある。
ダ・ヴィンチの幕間では、修復途上のロンドンの地下が再訪される。マシュは魔術協会がまだ完全に修復されていないと観測し、ロマンはこの迷宮じみた場所が彼ら魔術協会の秘中の秘であり、特別大切な稀覯本ばかりを収納した一種の兵器庫だと説明する。修復が進めば結界が再稼動してカルデアからの干渉を弾く、とも述べられる。協会の防衛機構は、味方であるはずのカルデアも締め出す。
ジキルの述懐は、外側から見た協会の遠さを言葉にしている。医学博士・法学博士・王立科学協会会員であり、最後には錬金術の秘奥の一部に達した自分でさえ、魔術師も魔術協会も時計塔も知らずに死んだ、と。当代最高峰の知識人でも、協会には届かない。 一方でホームズはそれを知っていたと認め、エレナ・ブラヴァツキーの幕間では、19世紀末の西欧が空前のオカルト流行の渦中にあり、時計塔——魔術協会も完全には無視できない状況だったと語る。天草四郎の幕間でも、生前の彼の魔術の特異性について「当時の協会も放置しなかっただろう」とロマンが評しており、協会は目に付いた才能を放置しない組織として一貫して描かれる。
このほか、アスクレピオスの幕間では、旧カルデアを退去する際に「彼のデータはどこまで細かく協会に提出していいものか」とダ・ヴィンチが迷ったことが語られる。サーヴァントの診療記録すら協会への提出物である。
- 〔静かなる時を求めて〕モリアーティ —「時計塔があるだろう? そう、魔術協会の総本山。」 / ダ・ヴィンチ —「確かにモリアーティの言う通り、 微小特異点の発生源は魔術協会にあるんだけど……。」(この場面を読む)
- 〔其処には、万能の手でも届かない〕Dr.ロマン —「この迷宮じみた場所は特にね。 彼ら魔術協会の秘中の秘だろうし。」(この場面を読む)
- 〔其処には、万能の手でも届かない〕Dr.ロマン —「魔術協会に本来あるハズの結界が再稼動して、 カルデアからの干渉をある程度弾いてるのかもしれない。」(この場面を読む)
- 〔失われた時を想って〕ジキル —「魔術としての錬金術に触れたというのに…… 魔術師、魔術協会、時計塔。等々を僕は知らずに死んだ。」 / シゲルソン —「かの時計塔――― 魔術協会も完全には無視できない。」(この場面を読む)
- 〔医の記憶〕ダ・ヴィンチ —「彼のデータはどこまで細かく協会に 提出していいものか、って。」(この場面を読む)
→ 章別解説: 幕間の物語
第四次異聞録 冬木
協会と聖堂教会の関係が、対立ではなく共謀として語られる章である。冬木で五回も聖杯戦争が行われながらどう隠蔽していたのかと問われたエルメロイⅡ世は、自分の世界では魔術協会と聖堂教会の二つが結託して隠蔽工作をしていただけだと答える。長く対立する二組織は、神秘の秘匿という一点では手を組む。
さらにケイネスを説得する場面では、聖杯戦争そのものが協会の権力構造の産物として説明される。七人の参加者のうち協会のために用意された枠がたった一つしかないこと、万能の願望機を奪い合う大儀式が時計塔を遠く離れた僻地で開催されたこと——それらを根拠に、Ⅱ世はこれがアーチボルト家の政敵トランベリオ一派の陰謀であり、ロード・エルメロイを一定期間ロンドンから引き離し、その隙に協会内部の勢力を拡大する企みだと語る。もっともこれはケイネスを冬木から撤退させるための口から出任せであり、真実として語られたものではない。ただし**「協会の内部抗争ならその程度のことは起こりうる」と当のケイネスが納得してしまう**点に、この組織の実像が滲む。
- エルメロイⅡ世 —「私たちの場合、魔術協会と聖堂教会、 この二つが結託して隠蔽工作をしていただけさ。」
- 〔ACT-11 「孔明の罠」〕エルメロイⅡ世 —「七人を募った参加者のうち、魔術協会のために 用意されたのがたった一枠限りしかない点……。」「その留守の隙に乗じて一気に魔術協会内部の勢力を 拡大しようという企みなのです!」(この場面を読む)
→ 章別解説: 第四次異聞録 冬木
五月連休温泉 隈乃
協会に属さない魔術師から見たカルデアが描かれる章である。隈乃温泉で魔術戦になった久遠寺有珠は、マシュたちを時計塔の魔術師だと断じる。マシュが自分たちはカルデアという研究機関の所属だと否定すると、有珠はそれを見え透いた嘘だと切り捨てる——魔術協会にカルデアなんて名の組織はないはずだけれど、と。協会の名簿に載っていない組織は、外の魔術師から見れば存在しないに等しい。 カルデアの秘匿がどれほど徹底していたかが、逆側から確認される場面でもある。
蒼崎青子がその場を取りなす言い分も、協会との距離感を示している。有珠は「魔術協会の魔術なんて子どもだまし」と言いながら、英霊を喚び出すという破格の魔術には興味を隠せない。協会の外にいる魔術師にとって、協会の魔術は見下す対象であると同時に、無視できない体系でもある。
- 〔1.隈乃温泉にようこそ(前編)〕久遠寺有珠 —「……見え透いた嘘ね。魔術協会にカルデアなんて 名の組織はないはずだけれど。」(この場面を読む)
- 〔1.隈乃温泉にようこそ(後編)〕蒼崎青子 —「この娘『魔術協会の魔術なんて子どもだまし』とか 言いながら、興味があって仕方がないの。」(この場面を読む)
→ 章別解説: 五月連休温泉 隈乃
読み取れる設定
- 定義(確定): 「魔術協会とは『人類史そのものを一つの伝承』と して捉え、これを発展させてきた組織だ。」(カドック、LB7)。神話の伝承はこの組織にとって『常識』の側にある。
- 成立(確定): 西暦初頭。「その始まりからして三つの部門に分かれたと。」(マシュ、LB2)。ゴルドルフは時計塔について「西暦元年より存在する」と述べる。
- 三部門(確定): 時計塔(ロンドン)/アトラス院(エジプト、別名「蓄積と計測の院」)/彷徨海バルトアンデルス(北海)。理念は一致せず、時計塔と彷徨海は「相反する理念」とされる。ゴルドルフは彷徨海を「原協会」とも呼ぶ。
- 代表(確定): 「うむ。21世紀において、魔術協会と言えば ロンドンの時計塔と言って差し障りはあるまい。」(ゴルドルフ、LB2)。ただし「魔術協会といっても一枚岩ではないのだ!」とも強調される。
- 所在(確定): ロンドン本部が発祥の地で、大英博物館の地下に入口がある。周囲の学術都市は後年の増設。「ロンドン本部は協会発祥の地で、その後何百年かあと、 規模が大きくなったんで施設を増やしたんだ。」(ジキル、第四特異点)。
- 地下施設(確定): 迷宮状の書庫兼兵器庫であり、隔離区画には封印物が置かれる。「彼ら魔術協会の秘中の秘だろうし。」(Dr.ロマン、幕間)。侵入者向けの結界・自律型使い魔による防衛機構を持つ。
- 学科と部門(確定): 時計塔に十三学科。伝承科は学院長ブリシサンがカテゴライズした「常識以上の存在」を扱う学科(カドック、LB7)。植物科(ユミナ)の創立者は『魔女』であり、第一魔法の成立にも関わった超自然的存在とされる(地の文、LB6)。
- 君主(確定): 「そうだ。魔術協会の中心、時計塔を運営する十二の貴族。 私はその一つの代表だよ。最下位の十二位だがね。」(エルメロイⅡ世、第二特異点)。
- カルデアとの関係(確定): 設立出資金の七割(マシュ、特異点F)。国連主催の看板の下、内情はアニムスフィア家の研究施設(Dr.ロマン、第六特異点)。所長を選任し(序)、査問を行い(序)、レイシフトの実施を決議し(新宿・終局特異点)、炉心停止を厳命できる(セイレム)。
- レイシフトの許認可(確定): 「本来、レイシフトは魔術協会と国連が綿密な議論を重ねた末に ようやく決議される大イベントなんだぜ?」(ダ・ヴィンチ、新宿)。セイレム後は協会と国連が揃って封印を決定する。
- 現地要員(確定): 各地に支部とエージェントを置くが密度は地域差が大きく、北米では「協会のエージェントの数は とても少ない」(ダ・ヴィンチ、セイレム)。各地に根付いた協会・聖堂教会の構成員と、カルデア独自の局員が並存する。
- 聖堂教会との関係(確定): 「長く対立している、もう一つの神秘組織」(ダ・ヴィンチ、序)。ただし冬木の聖杯戦争では両者が結託して隠蔽工作を行っていた(エルメロイⅡ世、第四次異聞録)。
- 封印指定(確定): 協会においては最大の名誉。指定された魔術師は雲隠れして協会と袂を分かつのが常だが、協会への貢献と引き換えに解除される例もある(ゴルドルフ、アトランティス)。
- 協会の外(確定): アインツベルンのように協会に属さない魔術一族があり(Dr.ロマン、特異点F)、中華思想に根ざした山嶺法廷・螺旋館など別系統の魔術組織も存在する(ゴルドルフ・太公望、聖杯戦線)。久遠寺有珠のように協会と敵対する魔術師もいる。
- 喪失(確定): 「ロンドンの魔術協会もまた、滅びました。」(ホームズ、LB1)。以後、魔術世界の秘匿を執行する主体も失われる。
- 【推測】ゴルドルフの着任は「コヤンスカヤちゃんが 魔術協会に手を回して」(ペペロンチーノ、LB1)の結果とされるが、協会側のどの機構がどう動いたのかは作中で説明されない。
- 【推測】協会の意思決定機関がどこにあるのかは明示されない。作中で「協会の決定」「協会の意向」「協会の厳命」と呼ばれるものが、時計塔の君主会議なのか三部門の合議なのかは特定できない。
揺れ・矛盾
- 語の指す範囲: カドックとゴルドルフは魔術協会=時計塔という略式用法を明言するが、マシュは三部門の総称として使う。さらにゴルドルフは彷徨海を「原協会」と呼び、アトラス院についても「アトラス院は魔術協会のひとつだぞ!」と述べる。どこまでが協会かは話者と場面で揺れる。
- アトラス院の成立時期: マシュは「アトラス院は魔術協会の一部です。」とする一方、Dr.ロマンは紀元前のアトラス院について「じゃあ魔術協会ができるより前の アトラス院になるね……」と語る。協会成立と部門成立の前後関係が整合しない。
- 滅びの範囲と時系列: ホームズはLB1で「ロンドンの魔術協会もまた、滅びました。」と断じるが、幕間ではマシュが「魔術協会はまだ完全に修復されてはいないようです。」と述べる。後者は第1部・ロンドン特異点の修復過程を指しており、両者は別の時点の話だが、ページ上では同じ語が正反対の状態を指すことになる。
- 同一場面内での所在説明のぶれ: 第四特異点でDr.ロマンは、協会がロンドン郊外に幾つかの学術都市として存在しているのではと言った直後に、「魔術協会が掘り進めていたのは 大英博物館の真下だけだからなあ……」と述べる。地上の都市群と地下の掘削範囲を混同した言い方になっている。
- 語の多義: 「協会」は王立科学協会・神智学協会など実在の学術団体の名にも含まれ、機械検索ではそれらも混入する。本ページは魔術協会の文脈の用例に限って扱っている。
関連
- 時計塔 — 三大部門の最大勢力。実質的に「魔術協会」と同一視される
- アトラス院 — 三大部門のひとつ。錬金術と七つの禁忌
- 聖堂教会 — 長く対立する、もう一つの神秘組織
- Aチーム / クリプター — マリスビリーが協会から隠した計画の当事者
- カルデア — 協会の出資と監督を受ける機関
- 魔術師(メイガス) / 魔術回路 / 魔術刻印
- 魔術世界の秘匿 — 協会が守らせる大原則
- 封印指定 — 協会が運用する処分制度
- 錬金術 — アトラス院の専門領域
- レイシフト — 実施に協会と国連の決議を要する
- 根源 / 冠位(グランドクラス)
- 聖杯戦争 — 協会と教会が結託して隠蔽していた儀式
- 白紙化(白紙化地球) — 協会が失われた原因
- 魔術協会(機関記事) / カルデア(機関記事) / その他の組織
- 用語集: FGO用語集:組織
引用元の人物
- レオナルド・ダ・ヴィンチ — 本ページ引用 18 件の話者
- ロマニ・アーキマン — 本ページ引用 11 件の話者
- マシュ・キリエライト — 本ページ引用 8 件の話者
- ジェロニモ — 本ページ引用 3 件の話者
- シオン・エルトナム・アトラシア — 本ページ引用 3 件の話者
言及の多い章
- 序/2017年 12月26日 — この語の実質言及 28 件
- 第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン — この語の実質言及 21 件
- 幕間の物語 — この語の実質言及 13 件
- Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン — この語の実質言及 9 件
- 特異点F 炎上汚染都市 冬木 — この語の実質言及 8 件
- 亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム — この語の実質言及 8 件
- 第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット — この語の実質言及 7 件
FGO全シナリオ(メインストーリー・イベント・幕間・バレンタイン)を機械走査し、『魔術協会』および別名表記(協会)を含む発話を全件収集したうえで構成している。引用はすべてゲーム内テキストの原文(演出タグを除去した表示テキスト)であり、要約・改変を行っていない。編者の解釈のうち原文から確実に読み取れないものには 【推測】 を付す。再生データの無いスクリプト(章前ブリーフィング等)を出典とする引用には場面リンクを付けていない。
付録: 原文引用アーカイブ
原文引用アーカイブ(機械収集・81 本)— 本文で扱わなかった言及もここに残してある
章の時系列順に列挙する。話者名は本文中の表示名。引用は演出タグを除去した表示テキストをそのまま用いている。
特異点F 炎上汚染都市 冬木
- オルガマリー — 「人材集めも資金繰りも一ヶ月じゃきかないわ。」「その間、協会からどれほど抗議があると思っているの?」
- マシュ — 「カルデア設立の出資金は各国合同となっていますが、」「その七割はロンドンの魔術協会―――」
- Dr.ロマン — 「名門中の名門、十二のロードの一家、」「魔術協会の天体学科を司るアニムスフィア家。」
- Dr.ロマン — 「魔術協会に属さない、人造人間(ホムンクルス)だけで」「構成された一族のようですが。」
(この章の該当発話は計 8 件。上記のほか 4 件)
第二特異点 永続狂気帝国 セプテム
- マシュ — 「失礼します、エルメロイⅡ世。」「ロードというのは、あの魔術協会における君主(ロード)?」
- エルメロイⅡ世 — 「そうだ。魔術協会の中心、時計塔を運営する十二の貴族。」「私はその一つの代表だよ。最下位の十二位だがね。」
第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン
- Dr.ロマン — 「英国の特務機関なりが用意した特殊車両なり、」「当時の魔術協会による機械式ゴーレム、なりが―――」
- Dr.ロマン — 「魔術協会―――時計塔が健在であるとするなら、」「当然、ジキル氏が連絡を取り合ってると思ってたんだけど。」
- Dr.ロマン — 「魔術協会という組織は、ロンドン郊外とかに幾つかの」「学術都市として存在しているんじゃなかった?」
- Dr.ロマン — 「で、でもロンドンの事情は知っていたとも!」「マリー所長だって魔術協会からの出向だったんだしね!」
(この章の該当発話は計 21 件。上記のほか 17 件)
第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム
- ジェロニモ — 「案ずるな、星は既に動き始めた。」「ようやく魔術協会が本腰を上げた……。」
- Dr.ロマン — 「魔術協会とはあまり関わらず、独自のスタンス、」「独自の力だけで神秘学を編纂した才女だとか――」「しかし、サーヴァントとしてここにいるという事は、」「魔術協会側のエージェントだったりするのかい?」
- ??? — 「人理修復直後こそ好機。」「この霊脈を支配し、必ずや魔術協会に復讐を……!」
(この章の該当発話は計 5 件。上記のほか 1 件)
第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット
- Dr.ロマン — 「ここカルデアは国連主催の組織だけど、」「その内情は魔術協会……アニムスフィアの研究施設だ。」
- マシュ — 「アトラス院は魔術協会の一部です。」「魔術協会は大きく三つの流派に分かれていますが、」
- Dr.ロマン — 「じゃあ魔術協会ができるより前の」「アトラス院になるね……なんか危険そうだなあ……」
(この章の該当発話は計 7 件。上記のほか 4 件)
終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン
- ダ・ヴィンチ — 「魔術協会からも急いで使節団が送られてくるそうだよ。」
- ダ・ヴィンチ — 「そう、以前のように気軽にはできない。」「レイシフトは国連と協会の許可が下ってから行うものだった。」
亜種特異点Ⅰ 悪性隔絶魔境 新宿
- マシュ — 「そう言えば、やってきた魔術協会の方々は、」「すぐに退散してしまいましたね。」
- ダ・ヴィンチ — 「本来、レイシフトは魔術協会と国連が綿密な議論を重ねた末に」「ようやく決議される大イベントなんだぜ?」
- ダ・ヴィンチ — 「そして困ったことに、魔術協会の肝煎りとかいう連中は、」「まだここに到着してもいない!」
(この章の該当発話は計 7 件。上記のほか 4 件)
亜種特異点Ⅱ 伝承地底世界 アガルタ
- ダ・ヴィンチ — 「今のたった数分で、処理をしなくちゃならないこの時代の」「魔術協会の担当者、何人の人生が狂ったことか。」
- ダ・ヴィンチ — 「あとやっぱりこの時代の協会とかの責任問題が大変なことに」「なりそうだけど私は知らなーいアーアー聞こえなーい。」
亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム
- ダ・ヴィンチ — 「北米の魔術協会支部とも連携中だ。」「ことはカルデアスで観測された事象(モノ)ではないからね。」
- ダ・ヴィンチ — 「魔術協会所属の魔術師によって投入された」「“使い魔”からの通信は、すべて途絶。」
- マシュ — 「各地に根付いた魔術協会や聖堂教会の構成員の他にも、」「カルデアの局員が現地にいらっしゃるのですね。」
(この章の該当発話は計 8 件。上記のほか 5 件)
序/2017年 12月26日
- カルデア技師 — 「魔術協会から選ばれた新所長と、」「その取り巻きが50人も来るらしい。」
- ダ・ヴィンチ — 「そう。魔術協会に選ばれた新しい所長と、」「その子飼いのスタッフたちだ。」
- ダ・ヴィンチ — 「となると、これはあくまでキミの独断。」「魔術協会の決定とは違うんじゃないかな?」
- ダ・ヴィンチ — 「言峰(ことみね)神父は聖堂(せいどう)教会―――魔術協会とは」「長く対立している、もう一つの神秘組織からの出向だ。」
(この章の該当発話は計 28 件。上記のほか 24 件)
Lostbelt No.1 永久凍土帝国 アナスタシア
- ペペロンチーノ — 「そうね。せっかくコヤンスカヤちゃんが」「魔術協会に手を回して、扱いやすい新所長まで動員したのに。」
- ホームズ — 「いや。お言葉ですがMr.ゴルドルフ。」「ロンドンの魔術協会もまた、滅びました。」
- ホームズ — 「ははは。いやいや、まあまあ。」「魔術協会もない世界でそこまでの対応は不要でしょう。」
(この章の該当発話は計 4 件。上記のほか 1 件)
Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング
- ゴルドルフ — 「魔術協会といっても一枚岩ではないのだ!」「私が活躍していたのはロンドンの時計塔であって、」
- マシュ — 「魔術協会は西暦初頭(せいれきしょとう)に成立した組織ですが、」「その始まりからして三つの部門に分かれたと。」
- ゴルドルフ — 「うむ。21世紀において、魔術協会と言えば」「ロンドンの時計塔と言って差し障りはあるまい。」
(この章の該当発話は計 4 件。上記のほか 1 件)
Lostbelt No.3 人智統合真国 シン
- シオン — 「魔術協会への報告書にあったものね、そのくだり。」
- ホームズ — 「魔術協会、その三大部門の一つ、蓄積と計測の院。」
Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス
- ホームズ — 「おや、魔術協会で面識でもあったのかな?」
- ゴルドルフ — 「協会においては最大の名誉だが、」「指定された当人にとっては迷惑なコトこの上ない。」「結論として、『封印指定』された魔術師はその時点で」「雲隠れし、協会とは袂(たもと)を分かつのが常だが……」
(この章の該当発話は計 4 件。上記のほか 1 件)
Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス
- ゴルドルフ — 「見たかゼウス!」「これが汎人類史の魔術協会の力というものだ!」
- ホームズ — 「ああ。魔術協会で囁かれる伝説に曰く、」「世界さえ容易に滅ぼし得るという七つの魔術的兵器。」
- キリシュタリア — 「ロンドンまで特異点になっているとはね。」「魔術協会も吹き飛んでしまっている。」
(この章の該当発話は計 4 件。上記のほか 1 件)
Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
- ホームズ — 「コホン。話を戻していいかな?」「魔術協会・時計塔の内情はともかく、」
- ダ・ヴィンチ — 「カルデアの資料では魔術協会で汚れ仕事を」「請け負っている中、マリスビリーに見いだされ、」
- (地の文・システム表示) — 「魔術協会において、『魔女』というカテゴリーは」「“女の魔術師”という意味ではない。」
(この章の該当発話は計 5 件。上記のほか 2 件)
死想顕現界域 トラオム
- (地の文・システム表示) — 「ロンドンの魔術協会にもいたはず」
- ホームズ — 「ロンドンでは、私が魔術協会に残した情報を」「無事に入手してくれただろう?」
Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
- モリアーティ — 「南米に眠る『領域外の生命』。」「魔術協会では『伝承科(でんしょうか)』に区別される絶対の禁忌。」
- カドック — 「その事件を経て、魔術協会・時計塔の学院長(ト ッ プ)は」「この怪物が『ORT(オ ル ト)』という名称である事を発表。」
- カドック — 「そして最大勢力である、ロンドンの『時計塔』。」「通常、魔術協会と言えばこの『時計塔』の事だ。」
- カドック — 「魔術協会とは『人類史そのものを一つの伝承』と」「して捉え、これを発展させてきた組織だ。」
(この章の該当発話は計 9 件。上記のほか 5 件)
オーディール・コール
- シオン — 「シオン・エルトナムは魔術協会(まじゅつきょうかい)三大部門の一つ」「アトラス院に所属していた錬金術師で、」
終章
- シオン — 「シオン・エルトナムは魔術協会(まじゅつきょうかい)三大部門の一つ」「アトラス院に所属していた錬金術師で、」
幕間の物語
- モリアーティ — 「時計塔があるだろう?」「そう、魔術協会の総本山。」
- ダ・ヴィンチ — 「確かにモリアーティの言う通り、」「微小特異点の発生源は魔術協会にあるんだけど……。」
- マシュ — 「はい、フォウさん。そうですね。」「魔術協会はまだ完全に修復されてはいないようです。」
- Dr.ロマン — 「この迷宮じみた場所は特にね。」「彼ら魔術協会の秘中の秘だろうし。」
(この章の該当発話は計 13 件。上記のほか 9 件)
リヨイベ
- ジェロニモ — 「ほとんどは魔術使いとも呼べない一般人だろうが、」「そういう所には魔術協会の息がかかっているはずだ。」
- エジソン — 「……神秘の隠匿か。」「君も、魔術協会と同じ意見なのだな。」
- ジェロニモ — 「協会は関係ない。だが、我々はずっとこうしてきた。」「精霊の血脈を持つ者は、その資格に見合わねばならぬ。」
ホワイトデー2019
- ヴラド三世 — 「それらほとんどが協会の手に渡っていることを」「考えると、これは世にある最後の一つかもしれんな。」
- ヴラド三世 — 「(だが、ここにいるのは協会との繋がりも薄い」「魔術師二人。どうにでもなるか……)」
- 蘭陵王 — 「魔術協会とのコネもなく、」「亜種聖杯戦争に臨んで更なる飛躍を図るしかない。」
克螺旋境界式 オガワハイム
- Dr.ロマン — 「マスター君は魔術師じゃないからね。」「そこは魔術協会のエリートたちとは違うのさ。」
第四次異聞録 冬木
- エルメロイⅡ世 — 「私たちの場合、魔術協会と聖堂教会、」「この二つが結託して隠蔽工作をしていただけさ。」
- エルメロイⅡ世 — 「七人を募った参加者のうち、魔術協会のために」「用意されたのがたった一枠限りしかない点……。」
- エルメロイⅡ世 — 「その留守の隙に乗じて一気に魔術協会内部の勢力を」「拡大しようという企みなのです!」
深海電脳楽土 SE.RA.PH
- ダ・ヴィンチ — 「協会から新しい所長が赴任するまでとはいえ、責任者に」「なったからには向こうの様子を知っておかないとねぇ。」
盛夏爆走祭典 イシュタルカップ
- ダ・ヴィンチ — 「カルデアだって予算が少ないんだぜ?」「査問官が来るまで魔術協会からの援助はストップ、」
強襲牛車監獄 ケルティックプリズン
- エレナ — 「こんなに気ままに遊んだのはいつ以来かしら。」「神智学協会を設立する前には世界のあちこちを巡って、」
永久常夏祭壇 ルルハワ
- ダ・ヴィンチ — 「カルデアが保持している交通手段だと、」「魔術協会がうるさそうなんだよね。」
深海電脳楽土 SE.RA.PH
- ダ・ヴィンチ — 「協会から新しい所長が赴任するまでとはいえ、責任者に」「なったからには向こうの様子を知っておかないとねぇ。」
非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ
- ダ・ヴィンチ — 「オカルトと紐付ける向きもない訳じゃないけれど、」「少なくとも魔術協会の結論は自然現象って訳さ。」
幻想蒐集領域 パッチワーク・ロンドン
- フェイカー — 「聞いたことがないか? ロンドンの魔術協会地下、」「数千メートルから数万メートルなんて馬鹿げた地点。」
聖杯戦線 ~白天の城、黒夜の城~
- ゴルドルフ — 「山嶺法廷(さんれいほうてい)……? 我ら欧州の魔術協会と異なる、」「中華思想に根ざした魔術組織なら聞いたことがあるが。」
- ゴルドルフ — 「待て待て! アトラス院は魔術協会のひとつだぞ!」「名高きアレクサンドリア大図書館がなぜ関係する?」
- ゴルドルフ — 「……えっと、まさかそれは、魔術協会の彷徨海かね?」「つまりその、原協会の?」
五月連休温泉 隈乃
- 久遠寺有珠 — 「……見え透いた嘘ね。魔術協会にカルデアなんて」「名の組織はないはずだけれど。」
- 蒼崎青子 — 「この娘『魔術協会の魔術なんて子どもだまし』とか」「言いながら、興味があって仕方がないの。」
- マシュ — 「はい。詳細は魔術協会も掴めてはいなかった。」「なにしろ観測できていないのですから。」
(この章の該当発話は計 7 件。上記のほか 4 件)