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大聖杯

分類: 世界観 / 別名・関連表記: なし

この用語は何か

大聖杯とは、聖杯戦争という儀式を成立させている炉心そのものである。日本の地方都市・冬木の地下大空洞に据えられた巨大な魔術設備で、霊脈の豊かな土地を土台に、七騎の英霊の召喚と維持、そして最後の「願いの成就」までを一手に賄う。初めてこれを目にしたオルガマリー・アニムスフィアは「超抜級(ちょうばつきゅう)の魔術炉心」と評し、なぜ極東の島国にこんなものがあるのかと絶句する。

まぎらわしい三語の関係を、先に押さえておきたい。

  • 大聖杯 — 炉心そのもの。土地に固定された設備であり、持ち運べない。
  • 小聖杯 — 敗退したサーヴァントの魂を回収して炉心に注ぐ器。大聖杯を開く「鍵」であり、第四次では人造人間アイリスフィールがその役を負っていた。
  • 聖杯 — 儀式の果てに現れる願望機カルデアが七つの特異点で回収して回るのはこれで、大聖杯そのものは回収対象ですらない。

大聖杯の設計思想は、個人の願いを叶えることではない。七騎ぶんの魂を溜めて第三魔法を起動し、根源へ到達することが本来の目的であり、「万能の願望機」という触れ込みは参加者を集めるための実利的な果実にすぎない。しかも FGO が扱う冬木の大聖杯は既に壊れている。アンリマユに汚染されており、そこから出現するのは願望機ではなく呪いである。ロード・エルメロイⅡ世の言い方を借りれば、この儀式には初めから勝利者など存在しない。

さらに「大聖杯」は固有名詞ではない。冬木から強奪されてトゥリファスに隠された大聖杯、ごと株分けしてアメリカに再現されたスノーフィールドの大聖杯のように、聖杯戦争の基盤として機能する炉心は一様にこの名で呼ばれる。冬木の一基だけを指す語だと思って読むと、後半のイベント章で必ず躓く。

基本データ

項目内容
正体聖杯戦争を成立させる魔術炉心。オルガマリー評「超抜級の魔術炉心」
所在冬木市の地下大空洞。半分天然・半分人工の地下工房を降りきった先
製作魔術協会に属さない錬金術の一族アインツベルン。ユスティーツァを輩出した家
燃料敗退したサーヴァントの魂。小聖杯が回収して注ぐ
稼働条件七騎のうち五騎目が脱落した後に限定稼働(エルメロイⅡ世の経験則)
本来の目的第三魔法の起動=根源への到達
現状アンリマユに汚染済み。出現するのは願望機ではない
同名の別物Apocrypha の大聖杯/スノーフィールドの大聖杯/魔王尊大聖杯/ネコ大聖杯ほか

章別解説

特異点F 炎上汚染都市 冬木

「大聖杯」という語を最初に持ち出すのは、カルデア側ではなく現地のサーヴァントである。生き残っていたキャスターは、契約を交わすなり目的の確認だと言って、おまえたちが探しているのは間違いなく大聖杯だ、と断定する。これに対して Dr.ロマンは「大聖杯……?」と聞き返す——人理保障機関の側は、その名すら把握していなかった。キャスターは大聖杯を「この土地の本当の“心臓”」と呼び、特異点があるとすればそこ以外にありえないと言う。

  • 〔影のサーヴァント〕キャスター —「アンタらが探しているのは間違いなく大聖杯だ。」「この土地の本当の“心臓”だ。」 / Dr.ロマン —「大聖杯……?」 (この場面を読む

案内された先は、半分天然・半分人工の地下工房を延々と下った地下大空洞だった。実物を見たオルガマリーは絶句し、これを「超抜級(ちょうばつきゅう)の魔術炉心」と評する。Dr.ロマンが資料から補足するのは製作者の素性で、錬金術の大家アインツベルン——魔術協会に属さず、人造人間だけで構成された一族の作だという。そしてその前に立ちはだかったのが、黒く汚染されたセイバー=アルトリアだった。大聖杯は誰かが持ち去るものではなく、誰かが居座って守るものとして最初から描かれている。

  • 〔グランドオーダー〕オルガマリー —「これが大聖杯……超抜級(ちょうばつきゅう)の魔術炉心じゃない……」 (この場面を読む

この章の後、冬木の大聖杯は「壊れて残った場所」としてカルデアからレイシフト可能な状態で保存され、多くの幕間の舞台になる。セイバーオルタはその内側を「何処でもない断篇」と呼び、一時的に特異点と化した者を再現する場だと説明する。Dr.ロマンによれば内部は空間が安定しておらず、レイシフトしても弾かれて戻される——にもかかわらずマシュたちが跳んだ先はフランスだった。大聖杯の内側は、外の座標と対応しない別の領域であることが、ここで実演される。跡地を訪れたギルガメッシュは、その有り様を一瞥して「これが大聖杯とやらの末路か。」と切り捨てている。

  • 〔オルタの系譜〕セイバーオルタ —「ここは大聖杯の中であり、何処でもない断篇だ。」 (この場面を読む
  • 〔値するもの〕ギルガメッシュ —「これが大聖杯とやらの末路か。」 (この場面を読む

→ 章別解説: 特異点F 炎上汚染都市 冬木

第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン

大聖杯が規模の基準器として使われる章である。ロンドン全域に魔霧を吐き出していた巨大蒸気機関アングルボダを前にして、マシュはその魔力量を冬木の大聖杯に酷似していると報告する。アングルボダは炉心に聖杯を組み込んだ機械であって大聖杯そのものではないが、「冬木の大聖杯級」という物差しがここで確立し、以後の章でも巨大な魔力炉心を測るたびに引き合いに出されるようになる。

  • 〔アングルボダ〕マシュ —「……冬木の大聖杯に酷似していますね。」 (この場面を読む

同じアングルボダを舞台にしたギルガメッシュの幕間では、その炉心が「大聖杯」として扱われたうえで製作者の話になる。マシュがアングルボダを造ったのはマキリ・ゾォルケンという魔術師だと言うと、彼はマキリ風情が魔法の大釜を造れるものかと一蹴し、自分が見ているのは大聖杯の跡ではなくこれを造りあげたモノの性根なのだと言う。名は明かさない——自分以外の遠見たちが揃って口をつぐんでいるからだ、と。停止した機械に憎しみが宿るはずもないのに気配が残るのは、造りあげた馬鹿者の妄念のせいだ、という見立てである。設備としての大聖杯には、製作者の執念が残留物として刻まれている——本編で正面から検証されることのない指摘だが、第四次異聞録で御三家の五〇〇年を見たあとに読み返すと重みが変わる。

  • 〔開闢の理〕ギルガメッシュ —「我(オレ)が見ているものは大聖杯の跡ではない。」「花の魔術師マーリン。話に聞く能力が真実であれば、」 (この場面を読む
  • 〔開闢の理〕ギルガメッシュ —「今のは、この大聖杯を作りあげた馬鹿者の妄念だ。」 (この場面を読む

→ 章別解説: 第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン

Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング

大聖杯の製作者の家名が明かされる章である。カルデアの前に現れた疑似サーヴァント・シトナイが自分の器を「アインツベルンの娘」と名乗ったとき、その家名に反応したのはマシュだった。彼女はデータベースの知識として、アインツベルンがオリジナルの聖杯戦争に深く関わる御三家のひとつであり、冬木市の大聖杯を造り出した稀代の魔術師ユスティーツァを輩出した家だと説明する。特異点Fで Dr.ロマンが「錬金術の大家」としか言えなかった部分が、ここで人名まで下りてくる。

  • 〔もうひとりの女神(後編)〕マシュ —「冬木市の大聖杯を造り出した稀代の魔術師、」 (この場面を読む

またこの章では、ボーダー付近に突如発生した巨大魔力反応を前にムニエルが「ロンドンで見た大聖杯、アングルボダに匹敵する怪物」と叫ぶ。前章で立った物差しがそのまま運用されている用例である。

→ 章別解説: Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング

終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン

なぜ大聖杯が起動されなかったのかが明かされる章である。冒頭の回想は 2004 年、冬木の聖杯戦争に勝利したマリスビリー・アニムスフィアが、自ら召喚したキャスターを前に語る場面から始まる。彼は、この大聖杯に七騎のサーヴァントの魂が満ちれば根源に至るための炉心に灯が点る、と述べたうえで——起動させないと宣言する。第三魔法などどうでもいい、自分が欲しいのは願望機としての聖杯だけだ、と。

用途はカルデアスである。彼は自分の未完成の擬似地球を大聖杯になぞらえ、理論は完成しているのに動かすための燃料がない、と語る。大聖杯が英霊の魂を求めるのに対し、カルデアスが要求するのはもっと現実的な資源だ——つまり、聖杯戦争の賞品を私的な観測装置の燃料に転用したというのが人理焼却の前提にある構図である。地の文はそれを「この大聖杯という道具は根源に至る為ではなく、『個人』の願いを叶える為に使おうと。」と要約する。

  • マリスビリー —「この大聖杯に七騎のサーヴァントの魂が満ち、」「私は大聖杯を起動させない。」「第三魔法など、どうでもいい。」
  • (地の文) —「この大聖杯という道具は根源に至る為ではなく、」

終盤、Dr.ロマンは改めて冬木の大聖杯を「聖杯戦争の起点であり、原因となった魔術炉心」と定義し直す。七つの特異点の大本を一語で指し直す締め方になっている。

  • Dr.ロマン —「冬木の大聖杯を覚えているかい?」

→ 章別解説: 終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン

第四次異聞録 冬木

大聖杯の内部構造・稼働条件・壊し方が、本編を通してもっとも具体的に語られる章である。舞台は第四次聖杯戦争の最中の冬木。案内役を務めるのは、五度の顛末を知っているロード・エルメロイⅡ世である。

彼の説明はまず、この儀式には勝者がいないという結論から入る。冬木の大聖杯は戦闘で脱落したサーヴァントを生け贄として取り込むことで完成するが、そこから出現するのは願望機ではなくアンリマユである。他の魔術師を殺してまで手に入れた報酬が真逆のものだ、と Dr.ロマンは絶句する。

  • 〔ACT-2「武力介入」〕エルメロイⅡ世 —「冬木の大聖杯は戦闘で脱落した」「だがそこから出現するのは願望機ではなくアンリマユ……」 (この場面を読む

続いて示されるのが稼働の閾値である。彼の経験上、大聖杯が限定的にでも動き始めるのは七騎のうち五騎目が敗退した後だ——裏を返せば、最低でも三騎を健在のまま戦線離脱させれば儀式は有耶無耶に終わり、器だけを確保できる。以後この章の作戦目標は「サーヴァントを倒す」ではなく「サーヴァントを守る」に反転する。聖杯戦争を扱う章としては異例の作戦方針である。

  • 〔ACT-2「武力介入」〕エルメロイⅡ世 —「私の経験上、大聖杯が限定的ながらも稼働を始めるのは、」 (この場面を読む

大聖杯が土地の霊脈と不可分であることも、この章の細部から読める。カルデアが補給用のサークルを設営しようとすると、冬木一帯の霊脈が遠坂家の術式で保護されていて介入できない。エルメロイⅡ世は要石を破壊して主導権を奪うと決め、その位置を知っている理由をこう漏らす——次の代の遠坂を継ぐのは自分の教え子で、最終的には彼女の協力を得てここの大聖杯を解体することになる、と。彼にとって大聖杯の解体は未来の既定事項であり、それゆえ土地の構造を把握している。

  • 〔ACT-3「セカンドオーナー」〕エルメロイⅡ世 —「次の代の遠坂を継ぐのは私の教え子でね。最終的には」 (この場面を読む

中盤、アイリスフィールを狙うアサシンとの対峙のなかで**小聖杯の正体が明かされる。彼女はセイバーのマスターを装っているが、実際の役目は脱落した英霊の魂を回収し大聖杯を開く鍵となることであり、エルメロイⅡ世はこれを「儀式の祭具に自律的人格を与えた存在」と表現する。さらに彼は、この第四次だけが過去や未来の失敗と違ってまず間違いなく成功し、大聖杯の起動に至る**ことを告白する。それこそがシバに観測された理由——この領域が特異点である原因なのだと。

  • 〔ACT-14「アイリスフィールを狙う影」〕エルメロイⅡ世 —「実際の役目は他にある。脱落した英霊の魂を回収し、」「いわば儀式の祭具に自律的人格を与えた存在だ。」 (この場面を読む
  • 〔ACT-14「アイリスフィールを狙う影」〕エルメロイⅡ世 —「今回の冬木の儀式は過去や未来のそれと違って、」 (この場面を読む

そこから作戦は大聖杯の解体へ切り替わる。ただし彼に言わせれば、これは大樽一杯に溜まったニトログリセリンを抜き取るような作業で、雑に扱えば樽が壊れて大惨事になる。安全な処理には一晩二晩では足りない入念な下準備が要る。だが中身の爆発力を封じ込めるだけの火力があるなら、樽ごと吹き飛ばす荒療治も成り立つ——抑止力の介入で戦力が揃ったことが、解体を選択肢に戻したという理屈である。

  • 〔ACT-15「大聖杯へ」〕エルメロイⅡ世 —「こいつは喩えるなら大樽一杯に溜まった」「樽の中身の爆発力をさらに封じ込めるだけの火力があれば、」 (この場面を読む

現物の前に立ったアイリスフィールは、大聖杯の魔力が変質していることを認め、これは我々の悲願とする聖杯とは程遠い、と嘆く。ディルムッドは中身を検めるまでもなく内に潜む邪悪の気配が伝わってくると言い、迂闊に壊していいものかと迷う。エルメロイⅡ世の答えは、敗退したサーヴァントがまだ三騎ならアンリマユの覚醒には至らず、あふれ出るのは指向性のない曖昧な呪いの塊にすぎない、というものだった。壊す順序が生死を分ける装置として描かれている。

  • 〔ACT-16「王の矜恃」〕エルメロイⅡ世 —「この呪いを蓄えた大聖杯がどんな災厄をもたらすかは 歴然だろう! 世界の危機だぞ!」 (この場面を読む

これを阻んだのが間桐臓硯である。彼は大聖杯の解体に荷担するアインツベルンを御三家の悲願を忘れた失墜と罵り、この大聖杯こそ我らが古き夢の結晶だと言って譲らない。何処に至り何を成すかなどもうどうでもよい、五〇〇年を費やした結末のカタチさえ見られればいい——目的を失ったまま手段だけが残ったという、御三家の末路そのものの動機である。

  • 〔ACT-17「御三家の悲願」〕臓硯 —「大聖杯の解体に荷担するなど……貴様らは我ら御三家の」「これは我らが古き夢の結晶。断じて譲りはせぬ!」 (この場面を読む

臓硯が差し向けたバーサーカーを撃退したことで、皮肉にも五騎目の脱落が成立してしまう。臓硯はここで小聖杯を迂回する手を打つ——生贄の魔力を汲み取るまでもない、直接大聖杯に注ぎ込むと宣言し、自身の術式でアイリスフィールが蓄えていた魔力を吸い出す。小聖杯は必須の経路ではなく、代替可能な中継装置にすぎないことが、ここで実演される。そして大聖杯からは黒いアイリスフィールが——臓硯が「ユスティーツァ、天の杯よ」と呼びかける存在が——歩み出てくる。

  • 〔ACT-18「堕ちた杯」〕臓硯 —「ここまで来れば小聖杯で生贄の魔力を汲(く)み取るまでもない。」 / マシュ —「マスター! 大聖杯から誰か……人が出てきます!」 (この場面を読む

決着後、大聖杯の消失は即座に副作用を生む。アイリスフィールは、この戦いのサーヴァントたちが大聖杯の介在によって冬木に召喚されていた英霊であり、その大聖杯が消えた今は現界を保てないと告げる。アルトリアもディルムッドも、勝利の直後に消える。大聖杯は儀式の賞品であると同時に、参加者全員の生命維持装置でもあった。

  • 〔ACT-18「堕ちた杯」〕アイリスフィール —「彼らは大聖杯の介在によって冬木に召喚されていた英霊よ。」 (この場面を読む

後日談にあたる ACT-EX には、もうひとつ重要な情報がある。名乗り出た「天の衣」は、自分をこの大聖杯の精霊のようなものだと説明する。大聖杯には器の側の人格が宿りうるという前提が、ここで軽い調子のまま提示される。彼女によれば破壊が甘かったせいで小聖杯=アイリスフィールは四元素の欠片に散らばってしまった、という筋書きで周回クエストへ接続される。

  • 〔ACT-EX「廻る聖杯回収」〕天の衣 —「平たく言ってしまうと、」「この大聖杯の精霊みたいなものね。」 (この場面を読む

→ 章別解説: 第四次異聞録 冬木

Apocrypha/Inheritance of Glory

大聖杯の内側そのものが舞台になる唯一の章である。カルデアが送り込まれた先はトゥリファスの街と空中庭園しか存在しない閉じた世界で、ケイローンの説明によれば、そこは冬木の大聖杯の緊急システムを利用した十四騎の争い——聖杯大戦——を再現し続ける巨大なシミュレーションフィールドだった。登場するサーヴァントは全員が「再現体」であり、無限に等しい反復の結果として知性と人格を獲得している。大聖杯は内部に世界を持ち、そこに人格を持つ存在を無数に生成できるということになる。

  • 〔第2節「防衛:ミレニア城塞」〕ケイローン —「この聖杯大戦は、冬木の大聖杯の緊急システムを」 (この場面を読む

この世界には管理者という役職がある。聖杯大戦の勝者として大聖杯を所有した者にその権限が渡り、世界に存在を再現することも、願望を叶える形で処理することもできる。ケイローンは邪竜ファヴニールをその管理者と呼び、我々をサーヴァントとして設定し直したのも管理者だろうと推測する。正体は聖杯大戦を生き延びたホムンクルスのジークで、彼は管理者になったことで自分の与り知らぬ場所で起きた出来事まで知ってしまった、と述懐する。大聖杯の管理者は、その大聖杯が記録した戦いの全記憶に接続される

  • 〔第2節「防衛:ミレニア城塞」〕ケイローン —「彼は邪竜ファヴニール。」「大聖杯の管理者であるならば、この世界に」 (この場面を読む
  • 〔第5節「ケイローン先生の実戦授業」〕ジーク —「俺は大聖杯の管理者になったことで、」「でも、最終的に大聖杯を獲得したのは俺だった。」 (この場面を読む

シミュレーションが暴走していた原因は、死んだ人間の願望が炉心に居座っていたことにある。六十年にわたって大聖杯を秘匿し研究を続けた魔術師ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアは、自陣のサーヴァントを裏切って吸血鬼と融合し、大聖杯へ到達する寸前に討たれた。通常ならサーヴァントは死亡後すぐ無色の魔力となって大聖杯へ取り込まれるが、彼は人間であり、赤子の魂を融合させて生き延びていたために取り込まれず、願望だけが残留して基幹システムの八七%を占拠するに至っていた。

  • 〔第7節「決戦:空中庭園」〕ジーク —「サーヴァントは死亡しても、」「六十年大聖杯を秘匿し、」 / ダーニック —「大聖杯の基幹システムの八七%は、」 (この場面を読む

ジークがダーニックに突きつけるのは性能上の限界である——壊れかけた大聖杯では、第三魔法の起動どころか根源に到達することもできない。それでもダーニックは大聖杯を求めることをやめず、最後には「疑似・大聖杯」を接続して、大聖杯の中で大聖杯を再現するという手に出る。炉心が炉心を模造できるという、この語のもっとも極端な用例である。

  • 〔第7節「決戦:空中庭園」〕ジーク —「壊れかけた大聖杯では、第三魔法の起動どころか」「まさか……大聖杯の中で、 大聖杯を再現する気か!?」 (この場面を読む

決着後、大聖杯は安定した状態に戻り、再現体たちは消えていく。去り際のヴラド三世が管理者に告げるのは、あの大聖杯がなくとも人間は必ず魔法に到達するという一言である。根源到達装置としての大聖杯を、装置の側の登場人物が否定して締める形になっている。ジークは大聖杯の管理者としてこの世界にとどまる役割を選びつつ、直前に作成した“端末”を流用してカルデアの旅に同行することを申し出る。

  • 〔第9節「そしてまた穏やかな眠りへと」〕ヴラド三世 —「そしてあの大聖杯がなくとも、」 / ジーク —「この世界も消えていく。」「大聖杯も安定した状態に戻った。」 (この場面を読む

→ 章別解説: Apocrypha/Inheritance of Glory

第六特異点?

大聖杯が余所で再現された章である。舞台はアメリカに造られた観光都市スノーフィールド——の、さらに裏側にある夢の世界。冒頭の独白が経緯を語る。アメリカ政府の一部の魔術機関が、冬木の土地から大聖杯の『泥』を盗み出し、その一部を「人」と見立てて科学的かつ魔術的に培養する。下地として龍脈の活発な土地を奪いとり、聖杯戦争のための土地を——いや、都市そのものを生み出した。再現など不可能なはずだったのに、冬木の大聖杯に似た『何か』は完成してしまった

  • 〔第一幕 パルプ・フィールド〕(地の文) —「冬木の土地から大聖杯の『泥』を盗み出して、その一部を」「冬木の大聖杯に似た『何か』は完成した。してしまった。」 (この場面を読む

この報告を聞いたエルメロイⅡ世の反応が、大聖杯という設備の希少性を裏づける。聖杯戦争は冬木の基盤と大聖杯あってのものであり、特異点ならいざ知らず簡単に余所で執り行えるはずがない、と彼は否定にかかる。そして後段では、より痛烈な問いを投げる——悪性汚染は最初から解っていたはずなのに、なぜそんなものをアメリカに株分けしようと思ったのか。冬木の泥を種にした以上、模造品も汚染を引き継いでいる。

  • 〔第一幕 パルプ・フィールド〕エルメロイⅡ世 —「馬鹿な、あれは冬木の基盤と大聖杯あってのものだ。」 (この場面を読む
  • 〔第二幕 獅子の名は~PART2~〕エルメロイⅡ世 —「そして、トドメとばかりに大聖杯の魔力溜まり……」「何故そんなものをアメリカに株分けしようと思った?」 (この場面を読む

設置場所は市内最高層のビル「クリスタル・ヒル」の地下深く。黒幕を自称するフランソワ・プレラーティは、最高層と最深部が一点に集約した陰謀都市の根幹として最高のロケーションだと嘯く。エルキドゥは同じ場所を、元々大聖杯の泥が溜められていた場所だと言い直す。炉心と泥溜まりが同一地点として語られる数少ない場面である。

  • 〔ツリーキーパー〕フランソワ —「ここの地下深くに設置した大聖杯!」 (この場面を読む
  • 〔“あれ”がいる森〕エルキドゥ —「元々、大聖杯の泥が溜められていた場所だよ。」 (この場面を読む

この大聖杯を狙ったのが、第六特異点で円卓に滅ぼされたはずの黒獅子だった。彼は姿を現した時点から、この街の大聖杯を踏み台にし、カルデアを陥落させる礎にすると宣言していたという。混乱のなかで小聖杯に流れ込むはずだった英霊たちの魔力が、倒された神霊の力ごと奪われるという事故も起きている。

  • 〔第一幕 パルプ・フィールド〕ジャック —「奴は、我々の前に姿を現した時から」「小聖杯に流れ込む筈だった英霊達の魔力が、」 (この場面を読む

終盤、神王ラックランドは加護も反転の力も失ったのち、最後の手として大聖杯の泥そのものに願いを乗せるダ・ヴィンチは大聖杯の泥と瘴気でこの特異点を満たす気だと警告し、実際に泥は大気中まで広がる。汚染された炉心は、最後には単体で災厄の供給源として機能した。

  • 〔最終幕 偽典共鳴幻想 スノーフィールドⅡ〕神王ラックランド —「ならば……大聖杯の泥に……」 / ダ・ヴィンチ —「大聖杯の泥と瘴気で、この特異点を満たす気だ!」 (この場面を読む

なお、この章は語の使い分けが最も厳密でもある。黒獅子から奪い取った魔力塊について、地の文はわざわざ「こちらの大聖杯でも小聖杯でもない。」と断ったうえで、黒獅子本人が持ち込んだ純粋な魔力リソースの塊だと注釈を付ける。大聖杯・小聖杯・聖杯が同じ場面に並ぶと混同が起きる、という自覚が作中側にもあることが分かる。

  • 〔第一幕 パルプ・フィールド〕(地の文) —「こちらの大聖杯でも小聖杯でもない。」 (この場面を読む

→ 章別解説: 第六特異点?

終章

冬木の大聖杯が、破壊対象ではなく確保すべき拠点として扱われる章である。南極でソロモンがカルデアに示す作戦はただ一つ——あの特異点へ飛んで大聖杯を押さえろ、それが成せれば南極に転移孔を繋げる、というものである。ストーム・ボーダーごとカルデアス地球へ移動する方法はそれ以外にない。

  • 〔南極〕ソロモン —「あの特異点に飛び、大聖杯を押さえろ。」 (この場面を読む

理由は、レフ・ライノールがかつて冬木からカルデアへ繋げた転移孔が、崩壊した特異点の中に残り続けているからである。マシュはこの目的地を変動座標点0号——大聖杯のある地下の大空洞と呼ぶ。この特異点でだけ存在するオルガマリーは、作戦を「『カルデアスへの路(みち)を繋げるために大聖杯を目指す』」と要約し、自分は特異点Xのプロだと言って最短ルートの案内役を買って出る。地下空洞の奥にあるのは聖杯戦争を起こすために作られた魔術炉心であり、カルデアスに繋がっている座標はそこしかない。

  • 〔原初特異点 冬木〕マシュ —「はい。目指すは変動座標点0号。」 (この場面を読む
  • 〔原初特異点 冬木〕オルガマリー —「『カルデアスへの路(みち)を繋げるために大聖杯を目指す』」 (この場面を読む
  • 〔原初特異点 冬木〕オルガマリー —「聖杯戦争を起こす為に作られた魔術炉心がある。」 (この場面を読む

それを見越して、最後の『異星の神』の使徒である監督役——ラスプーチン霊基を纏った言峰綺礼——が防衛線を敷いている。キャスターが伝える令呪の内容は『大聖杯の守護』および『カルデアからの来客の排除』の二つで、五騎のサーヴァントがそれを強制されている。大聖杯を守らせる令呪という、聖杯戦争の趣旨からすれば倒錯した運用がここで登場する。

  • 〔原初特異点 冬木〕キャスター —「令呪の内容は『大聖杯の守護』。」 (この場面を読む

祭壇まで辿り着いたオルガマリーは、崩壊しかけていた大聖杯が補強されていることを見抜く。空間だけでなく因果まで繋いだその細工を、キャスターは魔術王を名乗っただけはあると評する。マシュはこの道中で、アーサー王は汚染されてなお大聖杯を護っていたと振り返っている——壊れた炉心を守り続けた者たちの話として、シリーズの起点だった場所が回収される。

  • 〔原初特異点 冬木〕オルガマリー —「崩壊しかけていた大聖杯を補強したのね。」 (この場面を読む
  • 〔原初特異点 冬木〕マシュ —「アーサー王は汚染されてなお大聖杯を護っていました。」 (この場面を読む

→ 章別解説: 終章

読み取れる設定

  • 正体は「超抜級の魔術炉心」(確定)。オルガマリー「これが大聖杯……超抜級(ちょうばつきゅう)の魔術炉心じゃない……」。Dr.ロマンは「聖杯戦争の起点であり、原因となった魔術炉心だ。」と定義し直す。
  • 燃料はサーヴァントの魂(確定)。エルメロイⅡ世「冬木の大聖杯は戦闘で脱落した」サーヴァントを生け贄に取り込む、マリスビリー「この大聖杯に七騎のサーヴァントの魂が満ち、」「この大聖杯は英霊の魂を必要とするが、」。
  • 本来の目的は根源到達(確定)。マリスビリーの上記発言と地の文「この大聖杯という道具は根源に至る為ではなく、」——根源到達装置を個人の願望機へ転用したという経緯が示される。
  • 小聖杯が鍵として機能する(確定)。エルメロイⅡ世「実際の役目は他にある。脱落した英霊の魂を回収し、」/ただし必須ではない。臓硯「ここまで来れば小聖杯で生贄の魔力を汲(く)み取るまでもない。」
  • 五騎目の脱落で限定稼働(確定)。エルメロイⅡ世「私の経験上、大聖杯が限定的ながらも稼働を始めるのは、」——脱落数を四騎までに抑えれば儀式は成立しない。
  • 内部が独立した空間になっている(確定)。セイバーオルタ「ここは大聖杯の中であり、何処でもない断篇だ。」、Dr.ロマン「でも大聖杯の中は空間が安定していない。レイシフトを」、マシュ「大聖杯内部は特異点のようなもの、繋がりが」。
  • 内部には「管理者」の権限がある(確定)。ケイローン「大聖杯の管理者であるならば、この世界に」、ジーク「俺は大聖杯の管理者になったことで、」「なので、料理は大聖杯の管理権限を」——存在の再現・願望の処理・端末の作成まで含む。
  • 汚染・呪詛を蓄える(確定)。エルメロイⅡ世「この呪いを蓄えた大聖杯がどんな災厄をもたらすかは 歴然だろう! 世界の危機だぞ!」、エルキドゥ「元々、大聖杯の泥が溜められていた場所だよ。」、神王ラックランド「ならば……大聖杯の泥に……」。→ 聖杯の泥
  • 解体できる/消失は現界を絶つ(確定)。エルメロイⅡ世「次の代の遠坂を継ぐのは私の教え子でね。最終的には」彼女の協力で解体する、アイリスフィール「彼らは大聖杯の介在によって冬木に召喚されていた英霊よ。」——大聖杯の消失はサーヴァントの現界を維持できなくする
  • 建造者はユスティーツァを輩出したアインツベルン(確定)。マシュ「冬木市の大聖杯を造り出した稀代の魔術師、」。
  • 壊れた大聖杯では第三魔法も根源も届かない(確定)。ジーク「壊れかけた大聖杯では、第三魔法の起動どころか」。
  • 器の側に人格が宿りうる(確定)。天の衣「この大聖杯の精霊みたいなものね。」、落涙の翼のアイリスフィール「大聖杯に還った嬰児(みどりご)によって、」聖杯が仮初の人格を宿す。→ 小聖杯
  • 【推測】ギルガメッシュ「停止した機械に憎しみが宿る筈もない。」「今のは、この大聖杯を作りあげた馬鹿者の妄念だ。」という評から、大聖杯には製作者の意志が残留物として刻まれると読める。ただし他の章で追認されてはいない。

揺れ・矛盾

  • 「冬木の大聖杯」以外の大聖杯が複数存在するApocrypha/Inheritance of Glory の大聖杯(ユグドミレニアが冬木から強奪したもの)、スノーフィールドの大聖杯(泥ごと株分けした模造品)、第六天魔王・織田信長の「魔王尊大聖杯(マクスウェルリアクター)」、岸波白野の「うちの大聖杯」(ムーンセル系)、ネコアルクVの「ネコ大聖杯」など。「大聖杯」は固有名ではなく、聖杯戦争基盤の一般名として使われている。
  • どれが汚染系譜なのかは明示されない。エルメロイⅡ世は「カルデアで感知された聖杯は、アンリマユに」汚染された冬木の大聖杯とは別物だろう、と区別を試みるが、第六特異点?では「大聖杯の泥」がそのまま利用可能な資源として扱われる。章ごとに読み分けるほかない
  • の帰属。エルキドゥ「元々、大聖杯の泥が溜められていた場所だよ。」のように泥は大聖杯の産物として語られるが、泥そのものの由来(アンリマユ/この世全ての悪)は別系統で説明される。両者を接続する台詞は本文中に見当たらない。【推測】
  • 内部空間の安定度が章によって違う。特異点Fでは「でも大聖杯の中は空間が安定していない。レイシフトを」しても弾かれるとされるが、Apocrypha では長期滞在可能な再現世界として描かれる。大聖杯の状態(稼働/破損/管理者の有無)で内部の安定度が変わると読むのが自然だが、明言はない。【推測】
  • 解体の難易度が二通りに語られる。エルメロイⅡ世は本来なら一晩二晩では済まない下準備が要ると言いながら、同じ章で火力任せの荒療治を実行し、後日「天の衣」から壊し方が手ぬるかったと評される。安全に解体する手順は最後まで示されない。

関連

引用元の人物

言及の多い章

引用と検証について

FGO全シナリオ(メインストーリー・イベント・幕間・バレンタイン、全151章 1,104,754行)を機械走査し、『大聖杯』および別名表記を含む発話を全件収集したうえで構成している。引用はすべてゲーム内テキストの原文(演出タグを除去した表示テキスト)であり、要約・改変を行っていない。原文中の改行は半角スペースに置き換えて一行で示した。話者名の無い地の文・システム表示は「(地の文)」と表記する。編者の解釈のうち原文から確実に読み取れないものには 【推測】 を付す。

付録: 原文引用アーカイブ

原文引用アーカイブ(機械収集・150 本)— 本文で扱わなかった言及もここに残してある

全文コンコーダンス上のヒットは 231 行(同一台詞の分岐重複を統合すると 150 行14 章)。本節にその 全 150 件 を掲載する。

特異点F 炎上汚染都市 冬木

  • キャスター —「となれば、あとは目的の確認だな。 アンタらが探しているのは間違いなく大聖杯だ。」
  • Dr.ロマン —「大聖杯……? 聞いた事がないけど、それは?」
  • キャスター —「だがまあ、大聖杯にはセイバーのヤロウが居座っている。 ヤツに汚染された残りのサーヴァントもな。」
  • Dr.ロマン —「状況は分かりました。 我々はMr.キャスターと共に大聖杯を目指します。」
  • キャスター —「大聖杯はこの奥だ。ちぃとばかり 入り組んでいるんで、はぐれないようにな。」
  • キャスター —「そろそろ大聖杯だ。 ここが最後の一休みになるが、やり残しはないな?」
  • オルガマリー —「これが大聖杯……超抜級(ちょうばつきゅう)の魔術炉心じゃない…… なんで極東の島国にこんなものがあるのよ……」
  • Dr.ロマン —「冬木の大聖杯の中心にレイシフトかぁ…… できなくもないけど、なんだってそんな事を?」
  • Dr.ロマン —「でも大聖杯の中は空間が安定していない。レイシフトを しても弾かれて戻ってくるだけだと思うけど……」
  • マシュ —「ここは……フランス? 大聖杯に跳んだハズなのに……」
  • マシュ —「大聖杯内部は特異点のようなもの、繋がりが 安定しないと言っていましたが、一体ここは―――」
  • セイバーオルタ —「ここは大聖杯の中であり、何処でもない断篇だ。 一時であれ、特異点と化した者を再現する場と思え。」
  • セイバーオルタ —「“大聖杯の中にレイシフトしろ。” よくもまあ、こんな言葉を鵜呑みにしたものだ。」
  • Dr.ロマン —「大聖杯にレイシフトしたら過去の強敵と戦えるなんて ボーナスステージみたいな話、あるワケないしね!」
  • セイバーオルタ —「次の機会がきたぞマスター。 大聖杯にレイシフトするがいい。」
  • ネロ・ブライド —「ここが大聖杯とやらがあった場所か。 ふむ……読み通りだ。ここなら極上の鍛冶場になろう。」
  • エミヤ —「結果(すがた)は違えどここは大聖杯だ。 冬木における聖杯戦争……」
  • ギルガメッシュ —「これが大聖杯とやらの末路か。 ―――フン。酷い結末を迎えたものよ。」
  • マシュ —「……あの。 ギルガメッシュさんは、大聖杯をご存じなんですか?」
  • Dr.ロマン —「いや、冬木の大聖杯は超抜級の魔術炉心だから、 最悪の場合、この街すべてが吹き飛ぶ事も有り得る。」

第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン

  • マシュ —「……冬木の大聖杯に酷似していますね。 凄まじい魔力です。」
  • ギルガメッシュ —「我(オレ)が見ているものは大聖杯の跡ではない。 これを造りあげたモノの性根を見ているのだ。」
  • マシュ —「大聖杯を造ったモノ……」
  • ギルガメッシュ —「花の魔術師マーリン。話に聞く能力が真実であれば、 あやつもこの大聖杯に染みついた執念を見抜こう。」
  • ギルガメッシュ —「停止した機械に憎しみが宿る筈もない。 今のは、この大聖杯を作りあげた馬鹿者の妄念だ。」

終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン

  • マリスビリー —「この大聖杯に七騎のサーヴァントの魂が満ち、 根源に至るための魔術炉心に灯が灯(とも)る。」
  • マリスビリー —「協力者であり、功労者である君を大聖杯に捧げる気はない。 令呪も使わない。そもそも君には通じない。」
  • マリスビリー —「私は大聖杯を起動させない。 第三魔法など、どうでもいい。」
  • マリスビリー —「この大聖杯と同じだ、キャスター。 理論こそ完成したが、肝心の“動かすための燃料”がない。」
  • マリスビリー —「この大聖杯は英霊の魂を必要とするが、 私のカルデアスはもっと現実的な問題だ。」
  • (地の文) —「奇蹟を実践するのは彼の生涯の仕事だ。 それは大聖杯(たにんのて)で叶えていいものではない。」
  • (地の文) —「この大聖杯という道具は根源に至る為ではなく、 『個人』の願いを叶える為に使おうと。」
  • Dr.ロマン —「冬木の大聖杯を覚えているかい? 聖杯戦争の起点であり、原因となった魔術炉心だ。」

Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング

  • ムニエル —「まるで魔力炉心だ! ロンドンで見た大聖杯、 アングルボダに匹敵する怪物だぞ……!」
  • マシュ —「冬木市の大聖杯を造り出した稀代の魔術師、 ユスティーツァ師を輩出した家として知られています。」

奏章Ⅲ 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション

  • 岸波白野 —「あるいは、うちの大聖杯がバグって 俺たちを別の世界に転移させてしまったのか。」

終章

  • ソロモン —「あの特異点に飛び、大聖杯を押さえろ。 それが成せれば、後は私がこの南極に転移孔(ゲ ー ト)を繋げる。」
  • マシュ —「はい。目指すは変動座標点0号。 大聖杯のある地下の大空洞ですね!」
  • オルガマリー —「『カルデアスへの路(みち)を繋げるために大聖杯を目指す』 作戦はそれだけよね?」
  • オルガマリー —「貴方たちを最短距離で、安全に、 大聖杯まで案内してあげようじゃない!」
  • (地の文) —「大聖杯のある地下空洞まではここを西に……」
  • キャスター —「令呪の内容は『大聖杯の守護』。 および『カルデアからの来客の排除』だ。」
  • キャスター —「コイツらは放置しておくと後ろから刺される。 大聖杯に向かう前に各個撃破していこうや。」
  • キャスター —「肝心のマリスビリーの姿がないのは拍子抜けだが、 今は大聖杯を押さえるのが先だ。」
  • マシュ —「それは……確かにその通りです……。 アーサー王は汚染されてなお大聖杯を護っていました。」
  • オルガマリー —「ここから天然の洞穴を下っていって、 洞穴の終わりにある広場を抜けた先に大聖杯―――」
  • オルガマリー —「中に入ったらもう休みは無しで 大聖杯まで駆け抜ける事になる。」
  • キャスター —「テメエが大聖杯に陣取っていた理由――― なぜこの特異点を護っていたのか、ってヤツ。」
  • セイバーオルタ —「歪(ゆが)まされた冬木の聖杯戦争はこれで終わる。 振り返らず大聖杯に向かえ。」
  • オルガマリー —「崩壊しかけていた大聖杯を補強したのね。 それより見て。あの柱の上。」

幕間の物語

  • (地の文) —「……大聖杯!」
  • ダ・ヴィンチ —「あれは……ゼロ事件の時にこの大聖杯で 観測されたサーヴァントか……?」
  • シェヘラザード —「地下大空洞に秘されていた大聖杯。」

スペース・ファンタズムーン アナザー・クリスマス

  • ネコアルクV —「そしてあそこで煮立ってるお城がネコ大聖杯。 諸君の欲望でもうグッツグツです。」
  • ジーク —「マスター、報告する。 信じがたいが、アレは大聖杯級の魔力炉心だ。」

落涙の翼

  • アイリスフィール —「大聖杯に還った嬰児(みどりご)によって、 聖杯が仮初(かりそめ)の人格を宿すことも、」

第四次異聞録 冬木

  • エルメロイⅡ世 —「カルデアで感知された聖杯は、アンリマユに 汚染された冬木の大聖杯とはまた別の代物だろう。」
  • エルメロイⅡ世 —「ああ、そこだったな。冬木の大聖杯は戦闘で脱落した サーヴァントを生け贄として取り込み完成する。」
  • エルメロイⅡ世 —「私の経験上、大聖杯が限定的ながらも稼働を始めるのは、 七騎のうち五騎目のサーヴァントが敗退した後だ。」
  • エルメロイⅡ世 —「次の代の遠坂を継ぐのは私の教え子でね。最終的には 彼女の協力を得てここの大聖杯を解体する訳だが……。」
  • エルメロイⅡ世 —「実際の役目は他にある。脱落した英霊の魂を回収し、 大聖杯を開く『鍵』としての役目を果たす小聖杯。」
  • エルメロイⅡ世 —「今回の冬木の儀式は過去や未来のそれと違って、 まず間違いなく成功し、大聖杯の起動に至る。」
  • アイリスフィール —「まさか、そんな……大聖杯が反英雄に 汚染されてるですって!?」
  • アサシン? —「大聖杯の解体……そこまで根本的な解決法を予(あらかじ)め 知っていたのなら、なぜ最初から実行しなかった?」
  • エルメロイⅡ世 —「うまくライダー陣営を懐柔できていたなら、 こうして大聖杯に手を出す必要もなかったわけだ。」
  • エルメロイⅡ世 —「だから今回は大聖杯の解体は 選択肢から除外していたのだがな……。」
  • エルメロイⅡ世 —「どうかねアインツベルン? ここまで来れば歴然だろう。 大聖杯の放つ魔力が変質していると。」
  • エルメロイⅡ世 —「まさかまだ聖杯戦争を継続するつもりか? 大聖杯が放つ呪詛(じゅそ)に満ちた魔力が分からないのか?」
  • エルメロイⅡ世 —「この呪いを蓄えた大聖杯がどんな災厄をもたらすかは 歴然だろう! 世界の危機だぞ!」
  • 臓硯 —「大聖杯の解体に荷担するなど……貴様らは我ら御三家の 悲願を忘れるまでに失墜したか?」
  • 臓硯 —「だが、この大聖杯にだけは指一本触れさせぬぞ、小童(こわっぱ)ども。 これは我らが古き夢の結晶。断じて譲りはせぬ!」
  • 臓硯 —「ここまで来れば小聖杯で生贄の魔力を汲(く)み取るまでもない。 直接に大聖杯に注ぎ込む。我が生涯最後の術式をもって!」
  • マシュ —「マスター! 大聖杯から誰か……人が出てきます!」
  • (地の文) —「大聖杯の中身と戦ってる」
  • アイリスフィール —「彼らは大聖杯の介在によって冬木に召喚されていた英霊よ。 その大聖杯が消失した今、現界は保てない……。」
  • アイリスフィール —「そもそも、この手で大聖杯を壊してしまった身で、 おめおめとアインツベルンに戻れるはずもないし……。」
  • ??? —「アンタらはアレだろ? 抑止力の兄ちゃんと一緒に大聖杯を壊したヤツらだろ?」
  • 天の衣 —「平たく言ってしまうと、 この大聖杯の精霊みたいなものね。」

Apocrypha/Inheritance of Glory

  • ケイローン —「この聖杯大戦は、冬木の大聖杯の緊急システムを 利用した十四騎の争い。」
  • ケイローン —「勝者となり、大聖杯を所有したのは あのファヴニール、ということになるようです。」
  • ケイローン —「彼は邪竜ファヴニール。 この大聖杯の管理者と呼ぶべき存在のようです。」
  • ケイローン —「さて、管理者が願っているのは、 この大聖杯の戦闘シミュレーションを停止させること。」
  • ケイローン —「大聖杯の管理者であるならば、この世界に 我々を再現することも不可能ではないでしょう。」
  • ジーク —「この大聖杯は、あの聖杯大戦を戦ったサーヴァントが 命懸けで求めた大切なもの。」
  • ジーク —「うん、不安なんだ。 この大聖杯は大切にしなければいけないから。」
  • シェイクスピア —「おっと、こんにちは! ほほう、貴方が大聖杯の管理者。」
  • ジーク —「大聖杯の管理者としての権限を、 まさか料理に使うとは思わなかった。」
  • ジーク —「なので、料理は大聖杯の管理権限を 使い、願望を叶えるという形で何とかした。」
  • ジーク —「大聖杯の管理者としての権限で、 あなたを元の世界に送還するつもりだ。」
  • アタランテ —「ここが大聖杯の内側だというのなら、 私は何をすればいい?」
  • ケイローン —「戦い、大聖杯を守る……ということでしょう。 現実においては、我々は敵だったようですが。」
  • ジーク —「……大丈夫だ。 大聖杯の支配率が、少し揺らいだらしい。」
  • ジーク —「大聖杯が、俺以外の誰かの手に渡る。」
  • ジーク —「この大聖杯で望みを叶えようとした サーヴァントがいる。」
  • ジーク —「俺は大聖杯の管理者になったことで、 色々なものを知ってしまった。」
  • ジーク —「でも、最終的に大聖杯を獲得したのは俺だった。」
  • ジーク —「可能か不可能かじゃなくて。 俺は大聖杯を管理するという役割がある。」
  • クサントス —「で、大聖杯の中で聖杯大戦の シミュレーションゲームを行っている相手は―――」
  • ジーク —「……大聖杯を求めているのが、 この三騎という可能性もある。」
  • ジーク —「もし、大聖杯を誰より求めている者がいるとすれば、 それは―――」
  • ジーク —「この大聖杯に残った願いは叶えてはならなかったが、 どんな願いよりも気高いもの。」
  • セミラミス —「あの男は、大聖杯の前で 我らを待っている。」
  • (地の文) —「大聖杯の願望を強制停止させ、 願望介入のために必要な戦闘回数試算―――」
  • ジーク —「聖杯大戦で俺とある神父を除けば、 マスターとして一番大聖杯に肉薄したのが彼だ。」
  • ジーク —「六十年大聖杯を秘匿し、 研究を続けた魔術師。」
  • ジーク —「“黒”のランサー、ヴラド三世のマスターであり、 最後には彼を裏切ってまで、大聖杯を求めた―――」
  • ダーニック —「そして! 私から、人類から大聖杯を簒奪(さんだつ)したホムンクルスも!」
  • ジーク —「……自我が壊れかけてなお、 大聖杯を求めるのか?」
  • ダーニック —「この大聖杯を誰より欲し、 誰より望んだのは、この私だ!」
  • ジーク —「吸血鬼ですらない怪物に成り果てた彼は、 その体で大聖杯に到達する寸前―――」
  • ジーク —「サーヴァントは死亡しても、 すぐに無色の魔力となって大聖杯へ取り込まれる。」
  • ジーク —「壊れかけた大聖杯では、第三魔法の起動どころか 根源に到達することもできない。」
  • ダーニック —「大聖杯の基幹システムの八七%は、 私が占拠している。」
  • ダーニック —「死んでいようと、生きていようと関係はない。 私は大聖杯を求め、大聖杯を支配する。」
  • ダーニック —「私が大聖杯を支配する限り――― 貴様たちは死なず、消えることもない。」
  • ダーニック —「必ずこの大聖杯から抜け出し、 貴様たちを受肉させると!」
  • ダーニック —「疑似・大聖杯……接続!」
  • ジーク —「まさか……大聖杯の中で、 大聖杯を再現する気か!?」
  • ジーク —「大聖杯の管理者として、 俺はあなたを討つ!」
  • ケイローン —「大聖杯の疑似体が参考にしているのは、 我々の戦闘データ。」
  • ヴラド三世 —「そしてあの大聖杯がなくとも、 必ずや魔法に到達するだろう。」
  • ジーク —「この世界も消えていく。 大聖杯も安定した状態に戻った。」
  • 邪竜 —「大聖杯の管理者として、 先ほど作成した“端末”を流用しよう。」

極東乖離結界「帝都」

  • 第六天魔王・織田信長 —「貴様を滅し、この魔王尊大聖杯(マクスウェルリアクター)を使い、 すべての歴史を我が天下へと塗り替えん!」

第六特異点?

  • (地の文) —「冬木の土地から大聖杯の『泥』を盗み出して、その一部を 『人』と見立て、科学的に――そして魔術的に培養する。」
  • (地の文) —「そう、再現など不可能な筈だったのに、なんの冗談か―― 冬木の大聖杯に似た『何か』は完成した。してしまった。」
  • エルメロイⅡ世 —「馬鹿な、あれは冬木の基盤と大聖杯あってのものだ。 特異点ならいざ知らず、簡単に余所で執り行える筈が……。」
  • ジャック —「奴は、我々の前に姿を現した時から この街の大聖杯を踏み台にすると言ってのけた。」
  • (地の文) —「こちらの大聖杯でも小聖杯でもない。」
  • (地の文) —「向こうとしては、もう要らないものだろう。 何しろ、こちらの大聖杯を手中にしたのだから。」
  • フランソワ —「ここの地下深くに設置した大聖杯!」
  • エルキドゥ —「元々、大聖杯の泥が溜められていた場所だよ。」
  • エルメロイⅡ世 —「そして、トドメとばかりに大聖杯の魔力溜まり…… しかも、悪性に汚染されている状態のものだ。」
  • エルメロイⅡ世 —「何しろ、スノーフィールドの大聖杯を その手中に収めているのだからな。」
  • エルキドゥ —「地下の大聖杯部分に行くにも、大樹の上層に行くにも、 まずは大樹に大きな傷を与える必要がある。」
  • エルキドゥ —「纏(まと)めて相打ちになった所で、 大聖杯を黒獅子に狙われたんだ。」
  • ダ・ヴィンチ —「更にはスノーフィールドの『大聖杯』……」
  • プトレマイオス —「……大聖杯の泥か。 失った神気の代わりとするつもりのようだ。」
  • 神王ラックランド —「ならば……大聖杯の泥に…… 穢(けが)れた願望機に、余の願いをそのまま乗せるだけの事。」
  • エルキドゥ —「大聖杯さ。スノーフィールドの地下のね。」
  • エルキドゥ —「……この大聖杯の泥を、吸い上げる為にね。」
  • エフェメロス —「加護を失って尚も 大聖杯の泥を吸い上げるとはな。」
  • 獅子心王 —「お前の身体に根付いた枝を打ち払わねば、 その身は大聖杯の泥に喰らい尽くされる。」
  • ダ・ヴィンチ —「大聖杯の魔力だ……!!」
  • ダ・ヴィンチ —「大聖杯の泥と瘴気で、この特異点を満たす気だ!」
  • ダ・ヴィンチ —「大聖杯の魔力は、大気中の物も含めて綺麗に消滅した。」
  • 神王ラックランド —「大聖杯の泥も、神々の力も、無常の果実も消え失せたか。」

カルデアゲート

  • 天草四郎 —「冬木の大聖杯には遥かに及びませんが、 半端に似ている分だけ、性質(タチ)が悪い。」
  • マシュ —「冬木の大聖杯をご存知なんですか?」
  • ダ・ヴィンチ —「もしもその話が本当だとするなら、ほら。あれだよ! 冬木の特異点! 大聖杯前!」