魔力供給
この用語は何か
魔力供給とは、マスターからサーヴァントへ魔力を送る行為であり、その経路そのものを指す語でもある。現界し続けること自体が消費である以上、供給が続いているあいだだけサーヴァントはこの世に居られる。細れば宝具が撃てなくなり、断たれれば消える。
作中でこの語が使われるとき、話題になっているのはたいてい残量ではなく配管である。誰から誰へ、どの経路で、どれだけの太さで流れているか。だからこの語は、契約の話であり、兵站の話であり、しばしば「そのサーヴァントは誰のものか」という話になる。ホームズがトラオムで敵の正体を暴くのも、令呪の残数ではなく供給ラインの本数を数えたからだった。
カルデアは、この受け渡しに特殊な事情を抱えている。マスターは契約者として存在の楔であり続けるが、魔力そのものの大半は組織の魔力炉が肩代わりしている。個人契約の建前と、組織供給の実態が二重になっている——ここがFGOの魔力供給を、従来の聖杯戦争と最も違わせている点である。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何を送るか | サーヴァントの現界維持・スキル行使・宝具の真名解放に要する魔力 |
| 経路 | マスターとサーヴァントを結ぶ契約のパス。「魔力パス」「魔力供給ライン」とも |
| マスターの役割 | ①現世に存在を縛る楔(要石) ②魔力の供給。前者はマスター個人、後者はカルデアでは魔力炉が担う |
| 断絶時 | まず高出力の行使が不可能になり、続いて現界維持が困難になる |
| 供給断絶=即消滅か | 否。活動を落とせば当面は保つ(ネモ・プロフェッサーの例) |
| マスター以外の供給源 | カルデアの魔力炉、霊脈・本拠地、神造霊脈、常世、聖杯、礼装 |
| 例外 | セルフ供給型(コヤンスカヤ)、供給が必須でない霊基(ニトクリス)、サーヴァントがマスターになる例(ギャラハッド) |
| 理論的な整理の場 | 死想顕現界域 トラオム(ホームズによるマスターの役割の二分) |
マスターが与えているのは、二つある
魔力供給という語が理論として整理されるのは、トラオムでホームズが敵陣の異常を説明する場面である。彼はまず、サーヴァントにとってのマスターの役割は大きく分けて二つあると前置きする。ひとつは現世に存在を縛るための楔、要石。これは魔術回路と適性を持つ人間であれば果たせる。もうひとつが魔力の供給である。マスター(藤丸立香)に期待されているのは主として前者だ、と彼は言い添える。
- 〔カウントダウン〕ホームズ —「サーヴァントにとってのマスターの役割は、 大きく分けて二つある。」「一つは、現世に存在を縛るための楔(くさび)。要石。」 (この場面を読む)
この二分は、カルデアという組織の説明にそのまま使える。召喚そのものは魔力炉で補っているのだろう、というカドックの確認を受けて、ホームズはカルデアのサーヴァントの魔力供給ラインは最終的に統一されていると述べ、目の前の敵陣も同じで供給が全て同一存在から汲み取られていると指摘する。だから数千騎のサーヴァントがたった一人のマスターの下で争っている——供給ラインを数えるという手つきが、そのまま推理になっている。
- 〔カウントダウン〕ホームズ —「故にカルデアのサーヴァントの魔力供給ラインは、 最終的に統一されている。」「魔力供給が全て同一存在から汲み取られている。」 (この場面を読む)
同じ二分は、幕間でDr.ロマンの口からも出る。マスターとはそのためにいるのだ、と考えているクー・フーリン〔オルタ〕に向けて、彼はその考えを現界する魔力の供給、存在するための楔と要約し、それだけがマスターたる資格なのだと君は思っているんだね、と返す。そしてすぐに、困ったことに他にもあるのだと続けて、供給と楔だけでは説明のつかない何かがあることを示唆する。
- 〔たった二人の戦争〕Dr.ロマン —「現界する魔力の供給、 存在するための楔。」「それこそが……いや、それだけが マスターたる資格なのだと。」 (この場面を読む)
その「何か」を平たく言い切ったのがアーラシュである。魔力の供給の殆どをカルデアが担っていようと、現界の要石がどうであっても、ヒトとしてのサーヴァントはマスターと共に在る。供給の実態がどこにあるかという事務的な話と、誰のサーヴァントであるかという話は別だ、と彼は言う。カルデア方式のねじれを、この一往復がいちばん率直に扱っている。
- 〔だから私は、私として此処で死ぬ〕アーラシュ —「俺たち(サーヴァント)にとっての基点はあんた(マスター)だ。 魔力の供給だかの殆どをカルデアが担っていようと、」「現界の要石やらがどうであっても、 ヒトとしてのサーヴァントはマスターと共に在るもんだ。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 死想顕現界域 トラオム / 幕間の物語
細るとき、断たれるとき
供給が止まったサーヴァントに何が起きるかは、シリーズを通してほぼ一定の順序で描かれる。まず高出力の行使ができなくなり、次に現界そのものが保たなくなる。
初期の例はヘラクレスの幕間である。狂化を発動させたところでマスターが気を失い、供給が切れた——Dr.ロマンはそこから、バーサーカーが燃料切れを起こして停止したのだろうと推定する(もっともマシュの目撃証言と噛み合わず、結論は宙に浮く)。セプテムでは、力尽きかけたダレイオス三世に向けてイスカンダルが別れを告げる。この声はもう届かないかもしれない、という前置きの理由が魔力供給の枯渇である。
- 〔十三番目の試練〕Dr.ロマン —「それでバーサーカーも 燃料切れを起こして停止した、と……」 (この場面を読む)
- 〔両雄、荒野の果てに〕イスカンダル —「魔力供給の尽きかけたおぬしには、 最早、この声は届かぬかもしれんが――」 (この場面を読む)
第五特異点では、供給の遮断がそのまま牢獄として使われる(詳細は魔力の項)。奏章Ⅱの最終決戦では、逆に高出力側から異常が現れる。手応えが薄いと訴えるジャンヌ・オルタに続いて、サリエリが宝具の真名解放が叶わないと叫ぶ。原因はカリオストロの宝具による供給の遮断であり、順序としては真名解放の不能が先に来ている。
- 〔決戦/最終使徒カリオストロ〕サリエリ —「宝具の真名解放が叶わない――― 拙(まず)いぞ、マスターからの魔力供給が途絶えている!」 (この場面を読む)
トラオムでは、パスを断つこと自体が戦術として二度使われる。ひとつは物理的な切断で、霊核を貫かれたアストルフォが最後に振るった馬上槍は、源為朝の両脚の魔力供給を断つ。霊脈から塔を通じて流れ込む魔力を大量に消費していた彼にとって、それは致命傷に等しかった。もうひとつは概念的な切断で、サンチョの宝具はサーヴァントを魔術も神秘も存在しない片田舎の現実へ強制的に回帰させる。ホームズの解説では、そうなればマスターとの契約は薄れ、己を維持するための供給も叶わなくなり、単独行動スキルさえ無効化される。
- 〔騎士たちは華やかに、あるいは誰にも知られずに〕(地の文) —「アストルフォの持つ馬上槍(ラ ン ス)は、 両脚の魔力供給を断つ。」 / 源為朝 —「―――演算不可能。 ―――供給停止。」 (この場面を読む)
- 〔ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャの出立〕ホームズ —「するとマスターとの契約は薄れ、 己を維持するための魔力供給も叶わなくなる。」 (この場面を読む)
供給が「そもそも成立していない」例も同じ章にある。尸解仙として本体が死体である張角は、死体である以上マスターからの供給を受け取れない。だから分身を生み出し、その分身に分身であるという自覚を持たせないことで存在させ続けていた、とモリアーティは説明する。
- 〔そして、あなたたちは応報を見る〕モリアーティ —「ただし、死体である以上マスターからの 魔力供給が果たされていない。」 (この場面を読む)
そして、断絶が自発的な戦術になることもある。ゲッテルデメルングの終盤、オフェリアは巨人王スルトとの契約をその場で断ち切ると宣言する。魔力供給を失えば効率的な存在維持は困難になるから、第二撃までの時間が稼げる、という計算である。契約の要石が彼女の魔眼であったため、この宣言は自分の身体を差し出すことと同義だった。
- 〔此処に、ふたたびの黄昏を(後編)〕オフェリア —「魔力供給を失えば、効率的な存在維持は困難となる。 第二撃までの時間も稼げる筈です。」 (この場面を読む)
もっとも、断絶が即座の消滅を意味するわけではない。アトランティスの神代の島で土を掘ったネモ・プロフェッサーは、この土にまで魔力が浸透しているとして、首まで埋まって眠れば供給なしでもしばらく活動し続けられると述べる。環境の魔力が濃ければ、パスが細っても当座はしのげる。
- 〔焚き火に当たって、穏やかに昔話〕ネモ・プロフェッサー —「首まで埋まって眠れば、 魔力供給なしでもしばらく活動し続けられるでしょう。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド / Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング
太さが戦力になる
供給は量として増減し、その増減がそのまま戦闘力になる。これを一章まるごと使って描いたのが奏章Ⅱである。東京の日常を繰り返しながら、マスターは自分の内側にあるものを取り戻していく。その進み具合を計器のように報告するのがジャンヌ・オルタで、彼女は戦闘中にマスターからの魔力供給がすっごい増えていると告げ、翌朝には顔色を見るかわりに「魔力供給バンバンきてる感じ」で体調を判定する。敵側のカリオストロも、黒い影による強化とは別に妙に効率的な魔力供給という不確定要素を感じ取っていた。
- 〔絶望王権・混沌機構〕ジャンヌ・オルタ —「ええ。多分、マスターからの魔力供給は すっごい増えてるみたい。」 (この場面を読む)
- 〔さよならは言わずに〕ジャンヌ・オルタ —「……まあ、元気そうね。 魔力供給バンバンきてる感じするし。」 (この場面を読む)
- 〔死嵐大王・殲滅妖獣〕カリオストロ —「カルデアのマスターからもたらされる、 妙に効率的な魔力供給は―――」 (この場面を読む)
供給の有無を体感として語る台詞も多い。CBC2023で無契約のまま召喚されていた高杉晋作は、召喚されたのに魔力供給もなしでは体が保たないと言って契約を持ちかけ、繋がった瞬間に「これがカルデアの魔術師君の魔力供給というわけか」と手応えを確かめる。ツングースカで仮契約を結んだ太公望も、供給があるのは何とも頼もしいと素直に評価する。リリムハーロットのドラコーに至っては、勝手に結んだ契約からの供給で消滅だけは免れたと言い、これは仮契約にすぎないからもっと寄こせと要求してくる。
- 高杉晋作 —「ふぅ……、ようやく人心地ついた。 なにせ、召喚されたらしいものの魔力供給もなしだろ?」「これがカルデアの魔術師君の魔力供給というわけか。」 (この場面を読む)
- 〔第9節 霊長の星への賛歌Ⅰ〕太公望 —「これがマスターを有した状態、ですか。 魔力供給があるというのは何とも頼もしい。」 (この場面を読む)
- 〔第1節 今は旧き辺獄の底〕ドラコー —「……おかげで首の皮一枚繋がった。 貴様からの魔力供給で消滅だけは免れる。」 (この場面を読む)
カルデアが肩代わりしている分
カルデア所属のサーヴァントにとって、マスターからの直接供給は必須条件ではない。魔力炉が現界コストを負担しているためで、その恩恵の大きさはそれが止まったときにいちばんよく分かる。
奏章Ⅲでカルデアとの通信が完全に途絶えたとき、ジナコが示す診断がそれである。英霊召喚を補助する魔力供給がなくなったため、マスター個人の魔力だけでは今までのような複数召喚は厳しい。無理をすれば三騎ほど、というのが上限で、これはマスターの不調ではなく単なるリソース不足だと彼女は言い切る。カルデアが日常的にどれだけの下駄を履かせていたかが、ここで数字めいた形で見える。同じ章のパッションリップは、僅かでもゼロではないとして、パスによる供給の継続を自分から願い出ている。
- 〔オールド・ドバイの休日(Ⅰ)〕ジナコ —「あとカルデアとの通信が完全に途絶えているから 英霊召喚を補助する魔力供給もなくなって、」「マスターさんの魔力だけじゃ 今までみたいな複数召喚は厳しくなってるっス。」 (この場面を読む)
- 〔ライオン・スカイ ~恐怖の機械化帝国~〕パッションリップ —「では引き続き、パスによる魔力供給をお願いします。 僅かな量ですが、ゼロではありませんし。」 (この場面を読む)
供給は距離と手続きの問題でもある。サーヴァントの里帰り制度を説明するダ・ヴィンチは、カルデアからの魔力供給は最小限のものになるから気楽な休暇ではないと釘を刺す。逆に、外部で戦うことになった相手には臨時の配管を引く発想も出てくる。バレンタイン2024で宝具を使ったアンドロメダに対し、彼女は安全性の高い一時魔力供給ラインを作っておこうと申し出る。配管は敷設でき、細くもでき、仮設もできる。
- 〔0.トランスポーター・サンタクロース〕ダ・ヴィンチ —「まあ、カルデアからの魔力供給は最小限のものに なるから、そう気楽なものではないけど。」 (この場面を読む)
- ダ・ヴィンチ —「そうだ、そのうちに安全性の高い 一時魔力供給ラインを作っておこう。」 (この場面を読む)
供給を注ぎ込みきった到達点が、ミクトランのニトクリスである。ストーム・ボーダーからの膨大な魔力提供によって霊基は最終的な姿になり、単独行動の機能まで付加された。その結果、彼女はマスターからの魔力供給を必須とせず、カルデアにも縛られない単独で成立するサーヴァントになっている。それでもカルデアのために戦うと宣言するところに、この場面の意味がある。同じ章のハベトロットは、いざとなればマスターからの供給でブラックバレルを撃てると心強く語り、供給が単なる維持費ではなく攻撃力の源でもあることを示す。
- 〔死の国へ〕ニトクリス —「マスターからの魔力供給は必須ではなく、 カルデアに縛られてもいない。まったくの自由です。」 (この場面を読む)
- 〔黄金樹海〕ハベトロット —「いざとなればマスターからの魔力供給で ブラックバレルを撃つ事だってできるからね。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 奏章Ⅲ 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション / Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
マスターを持たない者たち
原則の外にいる例も、作中には一通り揃っている。もっとも露骨なのがコヤンスカヤで、テスカトリポカに敗れた言い訳として自分はマスターがいないセルフ魔力供給だ、条件が互角なら負けていないと主張する。もっともゴルドルフは、あの危険なサーヴァントに魔力提供をする冒険野郎はカルデアにいないと切り返している。
- 〔エピローグ〕コヤンスカヤ —「私(わたくし)はマスターがいないセルフ魔力供給です! 条件が互角であれば負けておりません!」 (この場面を読む)
逆に、契約が間に合わなかった側もいる。キングプロテアはマスターと契約をして魔力のパスを繋げる前にミクトランへ落ちてしまった、と自分の状況を説明する。パスは自動的に生えるものではなく、繋ぐ機会を逃せば繋がらない。
- キングプロテア —「マスターと契約をして魔力のパスを繋(つな)げる前に ミクトランに落ちてしまいました。」 (この場面を読む)
サーヴァントがマスターの側に回る例が、奏章Ⅳの回想に出てくる。人理に弾かれて消滅しかけていたリリスに対し、ギャラハッドは魔力譲渡のためあっさりマスター契約を行った。地の文はここで原則を確認する——マスターは召喚された世界の楔となるべき存在であり、サーヴァントでは通常そうなり得ない。ギャラハッドが例外でいられたのは、彼がこの世界のゲートキーパーだったからである。
- 〔訣別の時〕(地の文) —「いともあっさり魔力譲渡のため、 マスター契約を行った。」「マスターは召喚された世界の楔(くさび)となるべき存在。 サーヴァントでは、通常そうなり得ない。」 (この場面を読む)
人ではないものが供給元になる例も多い。オリュンポスの神造霊脈は超絶の魔力供給をもたらす不可視の魔力網であり、デ・アルカの敵サーヴァントは射程を超えると魔力供給源である本拠地から再スタートする。ナガサキでは、令呪による強化だけでは説明がつかない出力を見たエルメロイⅡ世が常世からの供給を疑い、チェイテ・リャンシャンボーでは梁山泊の結成そのものが儀式となって、姿を見せない何者かへの供給が成立していると看破される。供給ラインを逆に辿れば、隠れている主が見つかる——この使い方は探偵役の定番手順になっている。
- 〔いずれ等しき魂たちよ(Ⅳ)〕プロメテウス=ヘファイストス —「神造霊脈は超絶の魔力供給をもたらす 不可視の魔力網だが、未完成ゆえ、穴が多いのだよ。」 (この場面を読む)
- 〔第五節『官軍、大反撃のこと』〕モレー —「姿を現さない何者かへの、 魔力供給が成立する。」 (この場面を読む)
- 〔第8節 わたしのなかの星〕エルメロイⅡ世 —「令呪による強化……いや、それだけじゃない。 常世からの魔力供給も受けているのか……?」 (この場面を読む)
送り方 ── 儀式は要るのか
では魔力はどうやって送るのか。この問いに正面から答えた場面は少なく、しかも答えたのは冗談の後始末としてだった。廃棄少女幻想でイリヤとルビーが「効率のよい魔力供給テクニック」を持ち出し、マシュを巻き込んで一悶着起こしたあと、通信に出たDr.ロマンはマシュとマスターの契約はイレギュラーなケースだが、これまで同様、特別な儀式は不要なはずだと釘を刺す。よほど消耗したときには令呪を使え、というのが正規の手順である。カルデア方式では、魔力の受け渡しに接触も儀式も要らない——本編で最も明確にそう言われているのが、この場面である。
- 〔4ier!!! 雪華とハチミツの国【Ⅱ】〕エレナ —「さあてね? 原始的な魔力供給について、一悶着(ひともんちゃく)あって。」 / Dr.ロマン —「ん? 契約者からの魔力供給手段だって?」「これまで同様、特別な儀式は不要なはずだ。 よほど魔力を消耗した際には、令呪を―――。」 (この場面を読む)
もっとも、それで話が終わらないのがアインツベルンの姉妹である。クロエ・フォン・アインツベルンは魔力の供給量を増やせたら回転率が上がるという戦力強化の相談としてこの話を始め、結論としてはイリヤという「効率的な魔力供給源」を見つけ、いない時はこれまで通りマスターに頼ると宣言する。イベント側では、食事やチョコレートを供給手段として扱う軽い用法も定着している。
- 〔クロエのおやつ〕クロエ —「魔力の供給量を増やせたら回転率が上がって みんなの助けになるでしょ?」「イリヤがいない時はこれまで通り。 魔力供給お願いね、マスター?」 (この場面を読む)
- 〔第四節『鉄のように、鋼のように』〕キルケー —「じゃあ、食事で魔力供給いっとく? 具体的に言うと……!」 (この場面を読む)
正規の代替手段として明示されているのは礼装による外部魔力供給である。クリスマス2018で消耗したサーヴァントを保護したマシュは、栄養的にはパンと水を、魔術的には礼装による外部供給をと説明する。より乱暴な手として、聖杯を渡してしまう例もある。バレンタイン2022でカレンは、いかにサーヴァントといえど魔力供給の問題は常に付きまとう、何の策もなく単独行動を続ければ消滅は避けられないと述べ、だから出発前に聖杯を一本持たせておいたと明かした。
- マシュ —「栄養的にはパンと水を。 魔術的には礼装による外部魔力供給を。」 (この場面を読む)
- 〔プロローグ Back To The Night〕カレン —「ええ、いかにサーヴァントといえど、 魔力供給の問題は常に付きまといます。」「何の策もなく単独行動を続けていては、 消滅は避けられません。」 (この場面を読む)
流量を増やす側の特殊技能も、一例だけ言語化されている。カルデアン・フロラリアでエレシュキガル・オルタは、マスターが魔力譲渡の効果を増幅させる能力を持っていたと分析し、自分という大本をどうこうするのではなく出口の流れを最適化している、ホースのノズルに付けるブースターのようなものだと説明する。マスター側の性質が供給効率に影響しうる、と明言される数少ない場面である。
- エレシュキガル・オルタ —「アナタは、私の支援……主として 魔力譲渡の効果を増幅させる能力を持っていた。」 (この場面を読む)
そして、供給源そのものが奪い合いの対象になる。廃棄少女幻想でメイヴの領地が名前ごと書き換わったとき、番犬のクーちゃんはそれを領土の移譲、魔力供給源の再分割と呼んで珍しくもないと言い放つ。魔力供給は個人の契約であると同時に、陣地の取り合いでもある。
- 〔4ier!!! 雪華とハチミツの国【Ⅲ】〕クーちゃん —「領土の移譲。魔力供給源(リソース)の再分割だ。珍しかぁねえよ。 ふざけた国名にはうんざりだがな。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 廃棄少女幻想 エンド・サクリファイス / 幕間の物語
読み取れる設定
- マスターの役割は二つ(確定): 「一つは、現世に存在を縛るための楔(くさび)。要石。」+魔力の供給。前者は魔術回路と適性を持つ者なら果たせる(ホームズ/トラオム)。Dr.ロマンも幕間で「現界する魔力の供給、 存在するための楔。」と同じ二分を用いる。
- カルデアでは供給ラインが統一されている(確定): 「故にカルデアのサーヴァントの魔力供給ラインは、 最終的に統一されている。」(ホームズ)。実務上の供給元はマスター個人ではなく魔力炉であり、通信が途絶すると英霊召喚を補助する供給も失われる(ジナコ/奏章Ⅲ)。
- 断絶の症状には順序がある(確定): まず宝具の真名解放など高出力の行使が不可能になり(サリエリ/奏章Ⅱ)、続いて現界維持が困難になる(オフェリア/ゲッテルデメルング)。
- 供給断絶=即消滅ではない(確定): 「首まで埋まって眠れば、 魔力供給なしでもしばらく活動し続けられるでしょう。」(ネモ・プロフェッサー)のように、環境魔力が濃ければ活動を落として保たせられる。
- 量として増減する(確定): 「ええ。多分、マスターからの魔力供給は すっごい増えてるみたい。」(ジャンヌ・オルタ)、「カルデアのマスターからもたらされる、 妙に効率的な魔力供給は―――」(カリオストロ)。マスター側の性質が譲渡効率を増幅する例もある(エレシュキガル・オルタ)。
- 儀式は不要(確定): カルデア方式の供給に特別な儀式は要らず、消耗時には令呪を用いる(Dr.ロマン/廃棄少女幻想)。ただしマシュとの契約は「イレギュラーなケース」と断られている。
- 供給源はマスターに限らない(確定): カルデアの魔力炉、神造霊脈(「神造霊脈は超絶の魔力供給をもたらす 不可視の魔力網だが、未完成ゆえ、穴が多いのだよ。」)、常世(ナガサキ)、本拠地(デ・アルカ)、霊脈、聖杯(カレン)、礼装(マシュ)。
- 死体・非人格でも成立しない(確定): 「ただし、死体である以上マスターからの 魔力供給が果たされていない。」(モリアーティ/トラオム)。張角はそのため分身を用いた。
- パスは物理的に切れる(確定): アストルフォの馬上槍は「両脚の魔力供給を断つ」(トラオム地の文)。サンチョの宝具は概念的に契約を薄れさせて同じ結果を出す。
- 語の使い分け(確定に近い): 「魔力供給」は行為と量、「魔力譲渡」はマスター契約に伴う移転(奏章Ⅳ「いともあっさり魔力譲渡のため、 マスター契約を行った。」)、「魔力パス」は経路(ゴッホ「あらゆる魔力パスを封じられると、」)。
- 【推測】三語(供給/譲渡/パス)は同一機構の別側面を指すと読めるが、作中で用語として整理された場面はない。
揺れ・矛盾
- カルデア方式の説明が二通りある。トラオムでホームズは供給源をマスター個人ではなくカルデアという系に帰す。一方、多くの場面では「マスターからの魔力供給」と個人契約として語られる。両者は矛盾するというより階層が違うが、作中で統一的な整理はされない。アーラシュの「魔力の供給だかの殆どをカルデアが担っていようと、」以下の台詞が、この二重性をもっとも意識的に扱っている。
- 必須性の揺れ。ニトクリス/コヤンスカヤのように魔力供給が「必須ではない」個体が明言される一方、カレンのように「魔力供給の問題は常に付きまといます。」と普遍的制約として語る場面もある。前者はストーム・ボーダーからの大量供給や単独行動スキルという条件付きで成立しており、原則そのものが覆されているわけではない。
- 儀式の要否。Dr.ロマンは「特別な儀式は不要なはずだ。」と断言するが、同じ場面でマシュとマスターの契約は「イレギュラーなケース」だと留保が付く。他のサーヴァントについても同じかどうかは明言されない。
- 軽い用法との落差。イベントシナリオでは食事・チョコレート・接触などを「魔力供給」の手段として扱う軽い用法(キルケー、クロエ、アマゾネス・ドットコムの給料ルビなど)があり、本編の術理的用法と語感が大きく異なる。作中でこの二つが同じ機構なのかは説明されない。
関連
- 魔力(大源・小源) — 送られている資源そのもの。カルデアの魔力炉の解説もこちら
- 魔術回路 — 供給する側の器官。マスターの資格でもある
- マスター — 楔であり、供給者である立場
- サーヴァント / 現界 / 霊基 — 供給を受け取り、消費し続ける側
- 令呪 — 消耗時に用いる正規の切り札
- 単独行動 — 供給が細っても現界を保つ性質
- 使い魔 / 霊基再臨
- 礼装 — 外部魔力供給の手段
- 霊脈 / 聖杯 — マスター以外の供給源
- カルデア / ストーム・ボーダー — 魔力炉の所在
- 聖杯戦争 — 個人契約が原則である比較対象
- エーテル — 供給される魔力そのものの分類。
- 召喚システム(03-Concepts)
- 魔術理論(03-Concepts)
- 章別解説: 死想顕現界域 トラオム / 廃棄少女幻想 エンド・サクリファイス / 奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド
引用元の人物
- レオナルド・ダ・ヴィンチ — 本ページ引用 5 件の話者
- マシュ・キリエライト — 本ページ引用 4 件の話者
- シャーロック・ホームズ — 本ページ引用 3 件の話者
- クロエ・フォン・アインツベルン — 本ページ引用 3 件の話者
言及の多い章
- 第六特異点? — この章に言及 18 件
- 廃棄少女幻想 エンド・サクリファイス — この章に言及 9 件
- 幕間の物語 — この章に言及 5 件
- 奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド — この章に言及 4 件
- Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン — この章に言及 3 件
- 奏章Ⅰ 虚数羅針内界 ペーパームーン — この章に言及 3 件
- 第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム — この章に言及 2 件
付録: 原文引用アーカイブ
原文引用アーカイブ(機械収集・63 本)— 本文で扱わなかった言及もここに残してある
全文コンコーダンス tools/data/concordance/lines.jsonl(全150war+バレンタイン、1,104,754行)を全走査した結果。検索語 魔力供給・魔力譲渡・魔力パス。
引用は演出タグを除去した表示テキストそのまま。同一章・同一話者で完全に同一の発話が重複する場合は1件に統合している。チョコレート名の章はバレンタイン・シナリオ。
該当発話 63件 / 33章。全件を以下に掲載
特異点F 炎上汚染都市 冬木
- Dr.ロマン —「じゃあ、「狂化」を発動した段階でマスター君 からの魔力供給が切れてたんだね。」
第二特異点 永続狂気帝国 セプテム
- イスカンダル —「魔力供給の尽きかけたおぬしには、 最早、この声は届かぬかもしれんが――」
第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム
- マシュ —「マスターからの魔力供給がほぼ断たれています。 牢から脱出する力さえありません……」
- ジェロニモ —「そら、牢を解放した。 これで魔力供給も復活するだろう。」
終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン
- ダ・ヴィンチ —「その拠点から玉座に向けられていた 魔力供給がストップしている!」
Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング
- マシュ —「魔力供給とは異なるようですが、 恐らくナポレオンさんが、何らかの魔術的効果を―――」
- オフェリア —「魔力供給を失えば、効率的な存在維持は困難となる。 第二撃までの時間も稼げる筈です。」
Lostbelt No.4 創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ
- アスクレピオス —「彼からの潤沢な魔力供給と僕の医療技術で、 言うまでもなくおまえの傷は完璧に治したが……」
Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス
- ネモ・プロフェッサー —「首まで埋まって眠れば、 魔力供給なしでもしばらく活動し続けられるでしょう。」
Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス
- プロメテウス=ヘファイストス —「神造霊脈は超絶の魔力供給をもたらす 不可視の魔力網だが、未完成ゆえ、穴が多いのだよ。」
死想顕現界域 トラオム
- ホームズ —「故にカルデアのサーヴァントの魔力供給ラインは、 最終的に統一されている。」
- ホームズ —「こちらも同じだ。 魔力供給が全て同一存在から汲み取られている。」
- ホームズ —「するとマスターとの契約は薄れ、 己を維持するための魔力供給も叶わなくなる。」
- (地の文) —「アストルフォの持つ馬上槍(ラ ン ス)は、 両脚の魔力供給を断つ。」
- モリアーティ —「ただし、死体である以上マスターからの 魔力供給が果たされていない。」
Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
- ニトクリス —「マスターからの魔力供給は必須ではなく、 カルデアに縛られてもいない。まったくの自由です。」
- ハベトロット —「いざとなればマスターからの魔力供給で ブラックバレルを撃つ事だってできるからね。」
- コヤンスカヤ —「私(わたくし)はマスターがいないセルフ魔力供給です! 条件が互角であれば負けておりません!」
奏章Ⅰ 虚数羅針内界 ペーパームーン
- カーマ —「これは……魔力供給を受けたような感じですが……?」
- セイバー —「(まだ精神が安定していない――― 魔力供給がスムーズにいくとは限らない)」
- シオン —「まずい。不用意にカーリーの魔力供給ラインと 繋がっているために、」
奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド
- ジャンヌ・オルタ —「ええ。多分、マスターからの魔力供給は すっごい増えてるみたい。」
- カリオストロ —「カルデアのマスターからもたらされる、 妙に効率的な魔力供給は―――」
- ジャンヌ・オルタ —「……まあ、元気そうね。 魔力供給バンバンきてる感じするし。」
- サリエリ —「宝具の真名解放が叶わない――― 拙(まず)いぞ、マスターからの魔力供給が途絶えている!」
奏章Ⅲ 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション
- ジナコ —「あとカルデアとの通信が完全に途絶えているから 英霊召喚を補助する魔力供給もなくなって、」
- パッションリップ —「では引き続き、パスによる魔力供給をお願いします。 僅かな量ですが、ゼロではありませんし。」
奏章Ⅳ 人類裁決法廷 トリニティ・メタトロニオス
- (地の文) —「いともあっさり魔力譲渡のため、 マスター契約を行った。」
幕間の物語
- (地の文) —「あくまで魔力供給でしかないから大丈夫」
- マシュ —「単なる魔力供給の一手段に過ぎません。はい。 ですので問題ありません。」
- (地の文) —「効率的な魔力供給源が見つかったね」
- クロエ —「イリヤがいない時はこれまで通り。 魔力供給お願いね、マスター?」
- ゴッホ —「ウフフ、いえ、あの、あらゆる魔力パスを封じられると、 ただの小娘的な体力しかないゴッホは瀕死なのですが!?」
クリスマス2018
- マシュ —「栄養的にはパンと水を。 魔術的には礼装による外部魔力供給を。」
ペンテシレイアイベント
- アマゾネスCEO —「今後、アマゾネス・ドットコムは、 配達員に更なる魔力供給(き ゅ う り ょ う)向上を約束する!」
ホワイトデー2020
- キルケー —「じゃあ、食事で魔力供給いっとく? 具体的に言うと……!」
バレンタイン2022
- カレン —「ええ、いかにサーヴァントといえど、 魔力供給の問題は常に付きまといます。」
好漢酒宴要塞 チェイテ・リャンシャンボー
- モレー —「姿を現さない何者かへの、 魔力供給が成立する。」
CBC2023 カルデア重工物語 ~君と僕のBtoB~
- 高杉晋作 —「ふぅ……、ようやく人心地ついた。 なにせ、召喚されたらしいものの魔力供給もなしだろ?」
- 高杉晋作 —「これがカルデアの魔術師君の魔力供給というわけか。」
クリスマス2023
- ダ・ヴィンチ —「まあ、カルデアからの魔力供給は最小限のものに なるから、そう気楽なものではないけど。」
バレンタイン2024 ~チョコレート・リバーのその先に~
- ダ・ヴィンチ —「そうだ、そのうちに安全性の高い 一時魔力供給ラインを作っておこう。」
カルデアン・フロラリア あなたの花が咲く頃に
- エレシュキガル・オルタ —「アナタは、私の支援……主として 魔力譲渡の効果を増幅させる能力を持っていた。」
廃棄少女幻想 エンド・サクリファイス
- ルビー —「あらー? どういうわけか魔力供給が安定しませんねぇ。」
- ルビー —「(キュピーン☆)そうとわかったら!? 魔力供給ですねー!! レッツチャージ!!☆」
- ルビー —「こうみえてイリヤさんは、 効率のよい魔力供給テクニックにお詳しいんですよー?」
- (地の文) —「魔力供給する」
- (地の文) —「魔力供給しない」
- エレナ —「さあてね? 原始的な魔力供給について、一悶着(ひともんちゃく)あって。」
- Dr.ロマン —「ん? 契約者からの魔力供給手段だって?」
- クーちゃん —「領土の移譲。魔力供給源(リソース)の再分割だ。珍しかぁねえよ。 ふざけた国名にはうんざりだがな。」
- クロエ —「―――あ、そうだ。 ときどき魔力供給のほうもよろしくね?」
幻想蒐集領域 パッチワーク・ロンドン
- アストライア —「受け入れなさい。マスターとしての魔力供給はもとより、 相手の狙いはあなたでしょう?」
三千信長世界 デ・アルカ
- 坂本龍馬 —「射程距離を超えるとリセットされて、 魔力供給源である本拠地から」
- マックスウェル —「はい、私が魔力供給させていただいております。 あ、ご安心を、こちら私の自前ですので。」
凹型虚数怪理 イマジナリ・トレンチ
- ネモ・プロフェッサー —「こちら電算室でーす。第3射の発動確認、 魔力供給も安定してます。着弾観測どーでしょうか?」
砂漠童話儀式チェイテ・シンデレラ
- クロエ —「ダブルで魔力供給してもらえるなら さすがに満腹になっちゃうわねえ……。」
非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ
- 太公望 —「これがマスターを有した状態、ですか。 魔力供給があるというのは何とも頼もしい。」
螺旋証明世界 リリムハーロット
- ドラコー —「……おかげで首の皮一枚繋がった。 貴様からの魔力供給で消滅だけは免れる。」
- セタンタ —「(マスターからの魔力供給が必要なんだし 当たり前といや当たり前、か……?)」
超絶鎖国御領 ナガサキ
- エルメロイⅡ世 —「令呪による強化……いや、それだけじゃない。 常世からの魔力供給も受けているのか……?」
第六特異点?
- ダ・ヴィンチ —「ある意味、敵陣の『黒い獅子心王』と対になってる形だね。 向こうも本陣の魔力供給源が残っているわけだし。」
- ダ・ヴィンチ —「ジャック……。そうか、報告にあった、 魔力供給地点で出会った勢力というのはキミたちか。」