編纂事象
この用語は何か
編纂事象(へんさんじしょう)とは、無数に分岐しうる世界のうち、世界の側に本流として採用され、記録され続けている歴史のこと。プレイヤーとカルデアが属する汎人類史がこれにあたり、対義語は切り落とされた可能性=剪定事象である。単一の一本道ではなく「多少の差違はあっても未来は同じになる」世界群を指す幅のある語であり、この幅に収まらないほど外れた枝が剪定される。重要なのは、編纂事象が 固定された性質ではなく地位(座)として扱われる ことで、Lostbelt 編では異聞帯の王たちが「その座を奪い返す」ことを目標に据える。さらに終盤では、異聞帯が新たな編纂事象へ昇格する事例や、編纂事象でも剪定事象でもある領域までが現れ、二分法そのものが揺らいでいく。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正体 | 世界が本流として採用し、記録し続けている歴史(=汎人類史) |
| 別表記 | 編纂/人理編纂/編纂された人類史/編纂事象(こ の せ か い)(BBのルビ) |
| 対義語 | 剪定事象(世界に切り捨てられた可能性) |
| 単位 | 単一世界ではなく「未来が同じに収束する並行世界群」 |
| 可変性 | 座として争奪の対象になる(始皇帝)。新たに増えることもある(アヴァロン・ル・フェ) |
| 剪定事象との関係 | 分岐点までの過去は完全に共有している |
| 語の初出 | 亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国 |
FGO 本文で「編纂」を検索すると、世界論の術語としての用法のほかに、叙事詩や伝承を編纂するという通常の日本語用法(『カレワラ』『千夜一夜物語』『アーサー王伝説』『封神演義』など)が多数混ざる。本ページは前者を扱い、後者は必要な箇所でのみ触れる。
章別解説
亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国
語が初めて現れる章。使うのは敵側の天草四郎時貞である。彼は下総国という自分の世界を「泡の如くして儚き剪定事象」と切り捨てたうえで、それを滅ぼした後に カルデアの属する編纂事象まで呑み込む と宣言する。つまり編纂事象という語は、定義の説明としてではなく〈攻め込むべき本流〉の名として登場する。
- 〔最終歌 屍山血河舞台・厭離穢土(破)〕天草四郎 —「そう、我が復讐は此処で終わりはせぬ!」「カルデア在る編纂事象、正しき人理をさえ砕こうぞ!」 (この場面を読む)
- 〔最終歌 屍山血河舞台・厭離穢土(急)〕天草四郎 —「編纂事象! 正しき人理、人の歴史!」「此処を滅ぼした後には貴様らの世界を呑み込もう!」 (この場面を読む)
同じ章の終盤で、対概念としての枠組みも同時に提示される。武蔵と佐々木小次郎が斬り結ぶ場は、編纂も剪定もされない狭間として描かれ、二項対立の外側がある ことが語の初出と同時に示される。そして討たれた小次郎は、自分の一太刀を人理の座に刻まれた誰かに伝えてほしいと願う。編纂事象は〈記録が残る側〉であり、剪定事象は残らない側だという含意が、この一言に現れている。
- (地の文) —「此処は世界でもなく、事象として編纂される事もなければ」「剪定される事もない。世界と夢の狭間の、そのまた狭間。」 (この場面を読む)
- 佐々木小次郎 —「編纂事象と云ったか?」「人理に寄り添う座に刻まれた者の中に、ひとりでもいい。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国
Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング
クリプターの総意として 「人理編纂」 という語が掲げられる章。北欧異聞帯に映像で現れたキリシュタリア・ヴォーダイムは、自分たちの目的を魔術王ゲーティアと対比して説明する。ゲーティアが人理を焼却しようとしたのに対し、クリプターは焼くのではなく 書き直す。編纂という語が選ばれているのは、歴史を編集して別の版を確定させるという含意のためである。
- 〔雪と氷の城(後編)〕キリシュタリア —「魔術王は魔術―――人による人理焼却を目論んだが、」「私は違う。神による人理編纂(へんさん)を選択する。」 (この場面を読む)
- オフェリア —「我々クリプターはキリシュタリア様の主導によって、」「既に新たなる人理編纂(へんさん)へと着手しています。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング
Lostbelt No.3 人智統合真国 シン
この語の核心が語られる章。全 56 ヒットのうち 20 件がここに集中する。章の冒頭、クリプター会議でキリシュタリアは人理編纂を自分たちの旗印として繰り返し、汎人類史の否定を明言する。
- 〔intro.3-3〕キリシュタリア —「私は人理編纂(じんりへんさん)の名の下に」「汎人類史を否定し、新しい真理を築く。」 (この場面を読む)
だが本章の主役はもう一人の側、秦の始皇帝である。空想樹の出現によって自分の世界が剪定事象であると証明されたとき、彼は落胆せず、その事実を 座の奪還戦 に読み替えた。編纂事象が「本流である資格」という、勝ち取れるポストとして扱われ始めるのがこの瞬間である。
- 〔紅の月下美人〕始皇帝 —「良かろうさ。勝った方が編纂(へんさん)事象へと返り咲く。ああ、」「他に幾つの枝葉があろうとも朕はそのすべてを打ち砕く!」 (この場面を読む)
- 始皇帝 —「編纂(へんさん)事象の座を奪い合う大戦禍には、」「むろん項羽(こうう)もまた徴用されるものと……」 (この場面を読む)
続く決戦前の口上で、始皇帝は勝敗の基準を戦力の多寡から 人としての在り方 へずらす。彼が汎人類史を難じるのは、編纂事象を進んでいながらいとも簡単に存在証明を明け渡した(=人理焼却を許した)その脆さであり、歴史は偶然ではなく人の意思で紡がれるべきだと主張する。編纂事象という座に居座る資格を問う、という議論はここでしか行われない。
- 始皇帝 —「編纂(へんさん)事象を進んでおきながら、いとも容易く存在証明を否定」「されおった汎人類史の愚昧さ、脆弱さもまた見過ごせぬ!」 (この場面を読む)
- 始皇帝 —「この先の編纂(へんさん)事象の座を得るべきは、」「より強く、優れたる人でなければならぬ!」 (この場面を読む)
決着後、始皇帝は敗北を受け入れて座を汎人類史に委ねる。一方、真祖・虞美人は編纂も剪定もどうでもよかったと吐き捨てて暴走する。世界の格付けに意味を見出さない立場も同時に描かれている点が、この章の厚みである。最後にダ・ヴィンチが、境界積乱雲の消滅をもって編纂事象との「重複」が解消されたと報告し、異聞帯という〈重なっていた別の歴史〉が地球から剥がれたことが告げられる。
- 始皇帝 —「編纂(へんさん)事象の将来を汎人類史に委ねる。」「見事、栄華を極めてみせよ。」 (この場面を読む)
- 虞美人 —「誰が剪定(せんてい)され、誰が編纂(へんさん)されようと、」「そんな事はどうでも良かった。」 (この場面を読む)
- ダ・ヴィンチ —「境界積乱雲の消滅を確認したよ。」「これでもう、編纂(へんさん)事象との重複(スタック)は解消だ。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.3 人智統合真国 シン
Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス
クリプター・オフェリアが遺した通信記録が、編纂という語をもう一段掘り下げる。異聞帯の歴史は剪定された時点でゼロに戻り、その後の数百年〜数千年は空想樹の内部で仮想運営され、その結果が地球上に出力された——という仮説である。オフェリアはこれを歴史の編纂とは呼べないと言い、より強い語に置き換えた。編纂が 既にあるものを整理し確定させる作業 であるのに対し、異聞帯で起きているのは無から作る行為だ、という区別である。
- 〔我、星を裂く雷霆(Ⅰ)〕通信記録 —「これは歴史の編纂(へんさん)というより、創造です。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス
地獄界曼荼羅 平安京
編纂事象を 未来にも働き続ける選別 として言い直した章。実現しなかった階差機関の夢を見続けるバベッジを話題に、段蔵が人理の定めを説明する。編纂事象になれなかった明日は、片端から剪定される——過去の分類ではなく、いま毎日行われている選別なのだ、という整理である。この一言によって、編纂/剪定という対概念が静的な地図ではなく進行形の選抜であることが確定する。
- 〔鋼日記(前編)〕段蔵 —「編纂(へんさん)事象とならない明日は、」「すべて剪定されてゆくが人理の定めにて。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 地獄界曼荼羅 平安京
Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
異聞帯が編纂事象になり得るかという問いに、作中で唯一「なる」と答えた章。ダ・ヴィンチの分析によれば、空想樹に支えられていた妖精暦のブリテンは剪定事象=異聞帯だが、空想樹が枯れた後に始まったモルガンの女王暦以降は既に異聞帯ではなく、汎人類史と同じ強度を持つ「異聞世界」になっている。ここで生まれた妖精は汎人類史でも生きられる。
- 〔決戦前夜(Ⅰ)〕ダ・ヴィンチ —「新しい『編纂事象』の一つ、と言っていい。」「ここで生まれた生命は、汎人類史でも生きていける。」 (この場面を読む)
この「一つ」という数え方は重要である。始皇帝が語った〈奪い合う唯一の座〉と、ダ・ヴィンチが語る〈複数ありうる編纂事象〉は同じ語の別の用法であり、作中で統一されていない(後述の「揺れ・矛盾」を参照)。
また本章では、妖精バーゲストがサーヴァントの仕組みを説明する際に「編纂された人類史」という表現を使う。英霊の座は編纂事象の側にある記録装置であり、そこから引き出された霊体がサーヴァントである、という理解が異聞帯の住人にも共有されていたことが分かる。なお同じ章の冒頭では、ムニエルがモルガンの伝説を紹介する場面で「アーサー王伝説が編纂されてからは」という通常の日本語用法も現れ、両方の意味が一章に同居している。
- 〔マンチェスター〕バーゲスト —「“編纂された人類史”……英霊の座という、」「時間を超越した場所から引き出された霊体。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
二分法が崩れる章。ミクトランの冥界線は、異聞帯の中にありながら汎人類史の神話によって上書きされている。マシュの計測でも人理定礎値が変動しており、その意味を問われたラスプーチンはこう答えた。編纂事象と剪定事象は排他的な区分ではなく、同時に成立しうる。実利としては、この場所ではカルデアと縁を結んだ英霊を何騎でも召喚でき、「あり得たかも知れない」縁まで引き寄せられる。
- 〔第一冥界トラトラウキ〕ラスプーチン —「編纂(へんさん)事象でもあり剪定(せんてい)事象でもある、という事だよ。」「過去と現在と未来、それらが」 (この場面を読む)
章の後半、ラスプーチンはU-オルガマリーを制止する際に「来たるべき、人理編纂の時」という言い回しを使う。クリプターの旗印だった語が、異星の神の側の予定表として引き継がれていることが分かる。
- 〔断章(Ⅲ)〕ラスプーチン —「どうか、軽はずみな行動は控えられますよう。」「―――来たるべき、人理編纂(へんさん)の時のために。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド / 奏章Ⅲ 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション
奏章Ⅱでは、巌窟王モンテ・クリストが編纂と剪定を 現実と夢幻 の対と並べて呼ぶ。ここで問題になっているのは世界の格ではなく死の不可逆性で、どんな階層の世界であっても死者は還らないという主張の補強に対概念が使われている。用語が世界論の枠を離れて修辞として機能する数少ない例である。
- 〔決戦/決別〕巌窟王モンテ・クリスト —「編纂(へんさん)と剪定。」「現実と夢幻。」 (この場面を読む)
奏章Ⅲでは、編纂事象の定義に新しい角度が加わる。岸波白野たちの出身世界は、人類が霊長の役割をアーキタイプに引き継ぎ終えた世界であり、BBはそれを ゴールした編纂事象 と呼ぶ。編纂事象であるとは「まだ続いている」ことではなく、「最後まで走り切ったと認められる」ことでもあるという含意で、剪定の基準である〈先の展望〉と裏表の関係にある。
- 〔Wonderer〕BB —「おふたりの世界は、人類がその役割を終えた世界。」「いわばゴールした数少ない編纂(へんさん)事象。」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド / 奏章Ⅲ 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション
終章 / ???編 郷愁永巡刻盤 パスト・カルデア
終章で、編纂という語の背後にあった仕組みが機械の口から明かされる。空想樹M・スペクトラムのナビゲーターは、自らを「異聞作成方針」の装置と表示し、その機能を 編纂時に生じた余剰時空のカタログ販売 と説明する。編纂という作業には必ず切り落とした端材が伴い、それが陳列棚に並べられているという構図で、編纂と剪定が一つの工程の表裏であることが最も即物的に示される。
- 〔M・スペクトラム(開始)〕ナビゲーター —「空想樹M・スペクトラム:」「異聞作成方針(ベ ル ト メ イ キ ン グ) 編纂(へんさん)時における余剰時空の剪定閲覧(カタログ・マーケット)」 (この場面を読む)
- 〔クエーサー・ジェネシス 決断戦〕ナビゲーター —「特異人類史 の 観測 および 編纂(へんさん) が」「間に合いません」 (この場面を読む)
その後日譚にあたるパスト・カルデアでは、オルガマリーが自分たちの置かれた状態を独白する。マリス・カルデアスを止めた後、本来の歴史へ戻る前の猶予——すなわち 人理がまだ確定していない状態 に彼らはいる。編纂を「まだ終わっていない作業」として語る、シリーズで最も新しい用例である。
- 〔未来と過去〕オルガマリー —「(人理が正しく編纂(へんさん)される直前の状態で、」「このカルデア基地にいる)」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 終章 / ???編 郷愁永巡刻盤 パスト・カルデア
幕間の物語 / 第四次異聞録 冬木
用語としての整理は本編の外で行われている。ロード・エルメロイⅡ世は編纂事象と剪定事象を並べて説明し、前者を「大幹の並行世界群」=多少の差異があっても同じ未来に収束する世界群、後者を「いずれ滅びる枝葉」と定義した。編纂事象は一本の線ではなく束である という理解は、この発言に依っている。
- エルメロイⅡ世 —「貴方が言っているのは大幹の並行世界群……」「多少の差違はあっても未来は同じになる編纂(へんさん)事象と、」
始皇帝の幕間「裁定者の憂鬱」では、ダ・ヴィンチがもう一つの重要な性質を示す。剪定事象の結末は変えられないが、分岐点より前の過去は編纂事象と完全に共有されている。異聞帯の始皇帝が汎人類史へ特異点を仕掛けられたのはそのためであり、編纂事象は「侵入不能な城」ではなく、根元を共有するがゆえに突かれる余地がある。
- 〔裁定者の憂鬱〕ダ・ヴィンチ —「でも過去に遡れば、どんな剪定事象であったとしても、」「かつて編纂(へんさん)事象の流れに乗っていた時期は確実にあるわけだ。」 (この場面を読む)
- ダ・ヴィンチ —「それこそが共有された過去、剪定と編纂(へんさん)の分岐点だ。」 (この場面を読む)
深海電脳楽土 SE.RA.PH / カルデアゲート
ムーンセル由来のBBは、この語を プレイヤーがいる世界そのものの呼び名 として使う。SE.RA.PH の冒頭、助け船を出す理由を説明する場面で、守る対象を「この編纂事象の人類の皆さん」と呼ぶのがその典型である。同章の殺生院キアラは、魔神柱に多数の世界を見せられた経験を「並行世界、だったかしら。編纂事象?」と曖昧に語り、術語が魔術師の一般教養ではないことも示している。
- 〔アバンタイトル〕BB —「石油ストーブは言うまでもなくセラフィックスと」「カルデア、そしてこの編纂事象(へんさんじしょう)の人類の皆さん。」 (この場面を読む)
- 〔-閉幕-〕殺生院キアラ —「ええっと……並行世界、だったかしら。編纂事象(へんさんじしょう)?」「とにかく、そのようなむつかしい概念の。」 (この場面を読む)
カルデアゲートの「BBちゃんの反省」では、BBが自己紹介の中でムーンセルの世界を「こことは違う編纂事象」と呼び、さらにカルデアが扱う情報量の説明で編纂事象と剪定事象へ意訳ルビを振る。編纂事象=この世界、剪定事象=もしもの世界 という対応が、作中でもっとも平易に示される箇所である。
- 〔BBちゃんの反省〕BB —「こことは違う編纂事象(せ か い の は な し)―――」 (この場面を読む)
- BB —「とくにカルデアでは編纂事象(こ の せ か い)の事件だけでなく」「剪定事象(もしものせかい)での事件もあったり、」 (この場面を読む)
→ 章別解説: 深海電脳楽土 SE.RA.PH / カルデアゲート
読み取れる設定
- 編纂事象=世界が本流として採用し続けている歴史。剪定事象と対になる概念(ダ・ヴィンチ/エルメロイⅡ世/段蔵の発話)。
- 剪定事象と編纂事象は分岐点までの過去を共有する(ダ・ヴィンチ「それこそが共有された過去、剪定と編纂(へんさん)の分岐点だ」)。
- 編纂事象は「多少の差違はあっても未来は同じになる」世界群であり、単一の一本道ではなく幅を持つ(エルメロイⅡ世)。
- 編纂事象の地位は入れ替え可能。異聞帯側は「勝った方が編纂(へんさん)事象へと返り咲く。ああ、」と目的にできる(始皇帝)。
- 段蔵は「編纂(へんさん)事象とならない明日は、」「すべて剪定されてゆくが人理の定めにて」と述べ、未来もまた常時この選別を受け続けていると示す。
- アヴァロン・ル・フェで生まれた生命について、ダ・ヴィンチは「新しい『編纂事象』の一つ、と言っていい」と述べる。異聞帯由来の存在が編纂事象側へ組み込まれる例。
- 【推測】ラスプーチンの「編纂(へんさん)事象でもあり剪定(せんてい)事象でもある、という事だよ」は、両属性が同時に成立しうる特殊状態の存在を示唆するが、作中で理論的な説明は与えられていない。
- 編纂は「作る」ではない(確定): オリュンポスの通信記録は、異聞帯の成立を指して「これは歴史の編纂(へんさん)というより、創造です。」と述べる。編纂=既存のものを整理・確定する作業、創造=無から作る行為、という区別が置かれている。
- 英霊の座は編纂事象の側にある(確定): バーゲストは「“編纂された人類史”……英霊の座という、」「時間を超越した場所から引き出された霊体。」とサーヴァントを説明する。→ 英霊の座
- 終わった世界も編纂事象たりうる(確定): 奏章ⅢのBBは、霊長の継承を終えた岸波白野の世界を「いわばゴールした数少ない編纂(へんさん)事象。」と呼ぶ。継続中であることは条件ではない。
- 【推測】BBが「編纂事象(せ か い の は な し)」「編纂事象(こ の せ か い)」とルビを振る用法から、プレイヤー視点の〈この世界〉=編纂事象という等式が意図されている。
- なお「編纂」単独の語は、叙事詩や伝承の編纂(『カレワラ』『千夜一夜物語』『アーサー王伝説』)という通常の日本語用法でも頻出する。世界論の術語としての用法とは区別が必要。
揺れ・矛盾
- 〈編纂事象の座〉の可算性:始皇帝は「編纂(へんさん)事象の座を奪い合う」「編纂(へんさん)事象へと返り咲く」と、座は一つで奪い合うものとして語る。一方ダ・ヴィンチはアヴァロン・ル・フェを指して「新しい『編纂事象』の一つ」と述べ、複数存在しうる書き方をする。同じ語が〈唯一の本流の座〉と〈本流に属する世界の一つ〉の両方で使われている。
- 編纂事象と剪定事象の排他性:段蔵やダ・ヴィンチの説明では両者は排他的だが、ラスプーチンは「編纂(へんさん)事象でもあり剪定(せんてい)事象でもある」と述べる。下総国では「事象として編纂される事もなければ」「剪定される事もない」第三の領域も提示されており、二分法は絶対ではない。
- 表記の揺れ:ルビは「へんさん」(大半)、「じんりへんさん」(Lostbelt No.3 のキリシュタリア)、「へんさんじしょう」(SE.RA.PH)と章によって振り方が異なる。BBのみ「せ か い の は な し」「こ の せ か い」という意訳ルビを用いる。
関連
- 剪定事象 — 対概念。世界に切り落とされた可能性
- 汎人類史 / 人理 / 並行世界
- 英霊の座 — 「編纂された人類史」から霊体を引き出す場所 (この場面を読む)
- 人理定礎・汎人類史まわりの用語(FGO用語集)
- 異聞帯(ロストベルト)
- 特異点
- 人理
- Lostbelt No.3 人智統合真国 シン
- 亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国
- キリシュタリア・ヴォーダイム
- 始皇帝
引用元の人物
- BB — 本ページ引用 5 件の話者
- レオナルド・ダ・ヴィンチ — 本ページ引用 4 件の話者
言及の多い章
- カルデアゲート — この章に言及 22 件
- 深海電脳楽土 SE.RA.PH — この章に言及 4 件
- Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ — この章に言及 3 件
- Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング — この章に言及 2 件
- Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン — この章に言及 2 件
- 終章 — この章に言及 2 件
付録: 原文引用アーカイブ
原文引用アーカイブ(機械収集・39 本)— 本文で扱わなかった言及もここに残してある
章の時系列順に列挙する。話者名は本文中の表示名。引用は演出タグを除去した表示テキストをそのまま用いている。
第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム
- Dr.ロマン — 「魔術協会とはあまり関わらず、独自のスタンス、」「独自の力だけで神秘学を編纂した才女だとか――」
終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン
- ロマニ・アーキマン — 「人々を見守る為に編纂(へんさん)されながら、」「人々の未来を奪う選択をした魔術式よ。」
亜種特異点Ⅱ 伝承地底世界 アガルタ
- シェヘラザード — 「のちに『千夜一夜物語』と呼ばれるようになった概念の正体。」「であれば、私にその内容の編纂(へんさん)権がなくては困ります……。」
亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国
- 天草四郎 — 「そう、我が復讐は此処で終わりはせぬ!」「カルデア在る編纂事象、正しき人理をさえ砕こうぞ!」
- 天草四郎 — 「編纂事象! 正しき人理、人の歴史!」「此処を滅ぼした後には貴様らの世界を呑み込もう!」
- (地の文・システム表示) — 「此処は世界でもなく、事象として編纂される事もなければ」「剪定される事もない。世界と夢の狭間の、そのまた狭間。」
- 佐々木小次郎 — 「編纂事象と云ったか?」「人理に寄り添う座に刻まれた者の中に、ひとりでもいい。」
Lostbelt No.1 永久凍土帝国 アナスタシア
- (地の文・システム表示) — 「―――それは奇跡を引き起こすため、」「複雑巧緻に編纂(へんさん)された術式の紋様。」
Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング
- キリシュタリア — 「魔術王は魔術―――人による人理焼却を目論んだが、」「私は違う。神による人理編纂(へんさん)を選択する。」
- オフェリア — 「我々クリプターはキリシュタリア様の主導によって、」「既に新たなる人理編纂(へんさん)へと着手しています。」
Lostbelt No.3 人智統合真国 シン
- キリシュタリア — 「我々の人理編纂(じんりへんさん)には決して手を出してこまい、と」「放置していたが……」
- キリシュタリア — 「私は人理編纂(じんりへんさん)の名の下に」「汎人類史を否定し、新しい真理を築く。」
- 始皇帝 — 「良かろうさ。勝った方が編纂(へんさん)事象へと返り咲く。ああ、」「他に幾つの枝葉があろうとも朕はそのすべてを打ち砕く!」
- 始皇帝 — 「編纂(へんさん)事象を進んでおきながら、いとも容易く存在証明を否定」「されおった汎人類史の愚昧さ、脆弱さもまた見過ごせぬ!」
- 始皇帝 — 「編纂(へんさん)事象の地球に居座る上で、どちらの『人(ヒト)』が」「より相応しいか……もはや問答による判定は不毛だ。」
- ダ・ヴィンチ — 「境界積乱雲の消滅を確認したよ。」「これでもう、編纂(へんさん)事象との重複(スタック)は解消だ。」
(この章の該当発話は計 10 件。上記のほか 4 件)
Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス
- 通信記録 — 「これは歴史の編纂(へんさん)というより、創造です。」
地獄界曼荼羅 平安京
- 段蔵 — 「編纂(へんさん)事象とならない明日は、」「すべて剪定されてゆくが人理の定めにて。」
Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
- ムニエル — 「アーサー王伝説が編纂(へんさん)されてからは」「アーサー王に敵対する悪女とされた。」
- ダ・ヴィンチ — 「新しい『編纂事象』の一つ、と言っていい。」「ここで生まれた生命は、汎人類史でも生きていける。」
- バーゲスト — 「“編纂された人類史”……英霊の座という、」「時間を超越した場所から引き出された霊体。」
Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
- ラスプーチン — 「編纂(へんさん)事象でもあり剪定(せんてい)事象でもある、という事だよ。」
- ラスプーチン — 「どうか、軽はずみな行動は控えられますよう。」「―――来たるべき、人理編纂(へんさん)の時のために。」
奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド
- 巌窟王モンテ・クリスト — 「編纂(へんさん)と剪定。」「現実と夢幻。」
奏章Ⅲ 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション
- BB — 「おふたりの世界は、人類がその役割を終えた世界。」「いわばゴールした数少ない編纂(へんさん)事象。」
終章
- ナビゲーター — 「空想樹M・スペクトラム:」「異聞作成方針(ベ ル ト メ イ キ ン グ) 編纂(へんさん)時における余剰時空の剪定閲覧(カタログ・マーケット)」
- ナビゲーター — 「特異人類史 の 観測 および 編纂(へんさん) が」「間に合いません」
???編 郷愁永巡刻盤 パスト・カルデア
- オルガマリー — 「(人理が正しく編纂(へんさん)される直前の状態で、」「このカルデア基地にいる)」
幕間の物語
- ダ・ヴィンチ — 「でも過去に遡れば、どんな剪定事象であったとしても、」「かつて編纂(へんさん)事象の流れに乗っていた時期は確実にあるわけだ。」「それこそが共有された過去、剪定と編纂(へんさん)の分岐点だ。」
ポホヨラのクリスマス・イブ 夢見るサンタとくるみ割り人形
- ダ・ヴィンチ — 「民族叙事詩『カレワラ』として伝承群が編纂(へんさん)された」「18~19世紀以降のことなんだ。」「そう。だけど本来伝わっていた叙事詩と」「編纂(へんさん)された『カレワラ』は大なり小なり異なっている。」
第四次異聞録 冬木
- エルメロイⅡ世 — 「貴方が言っているのは大幹の並行世界群……」「多少の差違はあっても未来は同じになる編纂(へんさん)事象と、」
人外跋扈怪界
- 牛若丸 — 「なにしろ、後に足柄山の金太郎として」「編纂されたほどの武勇ですので!」
深海電脳楽土 SE.RA.PH
- BB — 「石油ストーブは言うまでもなくセラフィックスと」「カルデア、そしてこの編纂事象(へんさんじしょう)の人類の皆さん。」
- 殺生院キアラ — 「ええっと……並行世界、だったかしら。編纂事象(へんさんじしょう)?」「とにかく、そのようなむつかしい概念の。」
深海電脳楽土 SE.RA.PH
- BB — 「石油ストーブは言うまでもなくセラフィックスと」「カルデア、そしてこの編纂事象(へんさんじしょう)の人類の皆さん。」
- 殺生院キアラ — 「ええっと……並行世界、だったかしら。編纂事象(へんさんじしょう)?」「とにかく、そのようなむつかしい概念の。」
蒼輝銀河番組 セイバーウォーズ4.8
- ??? — 「それを宇宙最高峰の学府・クロックタワーの」「名誉教授が独自に解読・編纂(へんさん)・編集・意訳し、」
カルデアゲート
- BB — 「こことは違う編纂事象(せ か い の は な し)―――」
- BB — 「とくにカルデアでは編纂事象(こ の せ か い)の事件だけでなく」「剪定事象(もしものせかい)での事件もあったり、」