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分霊

分類: 世界観 / 別名・関連表記: 分け御霊、分身体

この用語は何か

分霊とは、本体から分けられた霊の一部が、独立した一個の存在として立っているものをいう。神道の「分け御霊(わけみたま)」の語がそのまま用いられ、本体が別に在り続ける点がアルターエゴオルタとの決定的な違いになる。分霊が地上に現れているあいだも、本体はどこか別の場所にいる。

Fate/Grand Order でこの語が最も頻繁に使われるのは、神霊が地上に立つための抜け道としてである。神霊は零落しているうえに存在規模が人間の使い魔の枠へ収まらず、そのままでは現界できない。そこで一側面だけを切り出して送り込む。ヘファイスティオンは原則をこう言い切る——サーヴァントとなっている以上、あくまで分霊としての枠にとどまるはずだ、と。裏返せば、サーヴァントとして現れた神は定義上つねに分霊であり、本体そのものではない。

  • 〔第5節 心のありか〕ヘファイスティオン —「サーヴァントとなっている以上、 あくまで分霊としての枠にとどまるはずだ。」 (この場面を読む
  • 〔第18節「顕れる神」〕エレシュキガル —「人理が不安定な今とはいえ、 神霊がそのまま顕現できることはほとんどない。」「顕れるのは部分的な要素で、一側面で、分霊で、 依り代にも引きずられるような不安定なもの。」 (この場面を読む

この語には値札としての側面もある。分霊であるということは、本体ではない、全部ではない、という意味だからだ。ニコラ・テスラは、神代と違って僅かなりとも権能を振るえば分霊は消滅して果てると述べ、カイニスに至っては、ここで殺したところでどうせ分霊だと切り捨てる。同じ語が、神を地上に呼ぶための唯一の手段であると同時に、その神を「虚ろの影」に格下げする根拠にもなっている。

適用範囲は神霊に限らない。惑星規模の存在から生じた妖精も、割れた聖杯が生んだ人格も、亀の本体から分かれた小さな長老も、すべて分霊と呼ばれる。本体があまりに大きく、そのままでは出て来られないとき、その一部だけが名前を持って現れる——それがこの語の指す現象である。

基本データ

項目内容
意味本体から分けられた霊の一部が、独立した個として現界したもの
別表記分け御霊(わけみたま)/分身体
本体との関係本体は別に存在し続ける。分霊が滅んでも本体は滅ばない
主な用途神霊がサーヴァントとして現界するための抜け道
原則サーヴァントになっている神は、つねに分霊の枠にとどまる(ヘファイスティオン)
制約権能を振るえば消滅する(テスラ)/依代に引きずられ不安定(エレシュキガル)
神霊以外の例妖精=惑星の分霊(オベロン)/聖杯の分霊(アイリスフィール
隣接概念疑似サーヴァント(依代に分霊を押し込めたもの)/神霊複合体(分霊が複数集まったもの)

章別解説

Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング / Lostbelt No.3 人智統合真国 シン

異聞帯編に入って最初に現れる二例は、いずれも分霊が単位として数えられる場面である。シトナイは自身の霊基を説明して、聖杯に縁深き人物を基に複数の女神が寄り合わさったハイ・サーヴァントであり、この体に女神の分霊が三柱も集まっていると誇る。マシュはこれを「複合された神霊疑似サーヴァント」と分類し直す。分霊は一体の霊基に複数同居できる——神霊複合体という形式は、この数え方の上に成立している。

シンでは始皇帝が、空想樹に吸い上げられていく虞美人を見て、天仙はもとより扶桑樹(ふそうじゅ)の分け御霊のようなものだと述べる。空想樹が扶桑樹を苗床として出現したのなら憑依もありうる、という推論の前提であり、分霊であることが「元の樹へ戻れてしまう」弱点として働く数少ない例である。

  • 〔もうひとりの女神(後編)〕シトナイ —「この霊基(からだ)に、女神の分霊が三柱も集まってるの! すごいんだから!」 (この場面を読む
  • 〔紅の月下美人〕始皇帝 —「天仙はもとより扶桑樹(ふそうじゅ)の分霊(わけみたま)のようなもの。」 (この場面を読む

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Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス

分霊が「本物ではない神」の代名詞として使われる章である。キリシュタリア・ヴォーダイムが何と契約していたのかが明かされる場面で、宮本武蔵は要点をこう整理する——分霊でもない神仏と、しかも主神と契約したということか、と。人工知能はそれを満点の解答と認め、自然へ溶けた神霊でもなく分霊でもない、正真正銘の実在する主神と、完全に対等の唯一の盟友として契約していたのだと告げる。分霊は、ここでは「神と呼ばれてはいるが本体ではないもの」の総称として置かれ、キリシュタリアの異常さを測る物差しになっている。

同じ物差しは[[ゼウス]]の側からも使われる。彼は汎人類史の人間たちを、滅びでも神でもなく、滅びの化身でさえなく、その分霊たる巨人(ギガース)でさえない、あまりに小さきものだと評する。分霊はここで「格の階段の下から二段目」として数えられている。

なおカドック・ゼムルプスは、『異星の神』がまだ実体を持っていないことの証拠として、分霊にせよ端末にせよ実体があるならアルターエゴを使う必要がない、と推論する。分霊を出せるかどうかが、その神が実体を持つかどうかの判定基準になっている

  • 〔汝、星を鋤く豊穣(Ⅱ)〕武蔵 —「つまるところ…… 分霊でもない神仏と契約したって事よね?」 / 人工知能 —「キリシュタリア・ヴォーダイムは、 自然へと溶けた神霊でもなく、分霊でもない、」 (この場面を読む
  • 〔我、星を裂く雷霆(Ⅰ)〕カドック —「分霊にせよ端末にせよ、実体があるなら、 アルターエゴを使う必要がないからな。」 (この場面を読む

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地獄界曼荼羅 平安京

分霊が個体の正体を特定する語彙として使われる章である。立ちはだかる鬼の正体を加藤段蔵が読み上げる場面で、日本最大の災害竜・八岐大蛇(やまたのおろち)——時下って大明神となったモノ——の御子、一種の分霊として伝えられし個体、すなわち神霊・伊吹童子である、と結論が出る。分霊であることが、そのまま「神霊サーヴァント」という格付けの根拠になる

同じ章で、分霊を素材として使う例も現れる。蘆屋道満は、自らの左右に控える大将軍イツパパロトルと太陰神チェルノボーグを、ハイ・サーヴァントたる自分と同化した暗黒神の分霊二柱だと明かす。彼はその二騎の魂と自らの魂を、亜種空想樹・地獄界曼荼羅に呑ませていた。終盤には伊吹童子を「日本最高の災害竜・八岐大蛇の分霊と称すべき御方」と呼んでビーストの座へ押し上げようとする。分霊は、ここでは調達可能な神の部品として扱われている

  • 〔災いの竜/カミ〕段蔵 —「伊吹童子とは、御子……」「一種の分霊として伝えられし個体……」「すなわち、あれなる鬼は!」「神霊・伊吹童子!」 (この場面を読む
  • 〔災いの竜/カミ〕黄幡神・蘆屋道満 —「是(これ)こそはハイ・サーヴァントたる拙僧と同化せし、 暗黒神の分霊二柱!」 (この場面を読む

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Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ

分霊が神霊専用の語ではないことが明かされる章である。オベロンは妖精國の歪さを説明する中で、妖精とはどこまでいっても自分たちの文明を持たない惑星の分霊だったのだ、と述べる。だからこそ本来は自然と共にあり、『大母』の下に群れを作る程度の存在で済んでいた。人間社会を模倣し人間を家畜として飼った妖精國の異常さは、この本性からの逸脱として説明される。

さらに彼は汎人類史の妖精を分類し、純正の妖精とは人間の文明と関係なく星の内海に発生するもの、魔術世界で『大父』『大母』と呼ばれるものだと言い、地球の魂のようなものの分霊とでも思ってくれればいいと噛み砕く。自然を擬人化した神と同規模でありながら、神と違って人間に法を布かない——分霊という語が、神霊の下位ではなく星そのものの下位として使われた例である。

  • 〔ソールズベリー〕オベロン —「どこまでいっても妖精は“自分たちの文明”を 持たない、惑星の分霊だったんだよ。」 (この場面を読む
  • 〔グロスター(Ⅰ)〕オベロン —「この、星の内海(うちうみ)に生まれた妖精を 魔術世界では『大父』あるいは『大母』と呼ぶ。」「地球の魂……のようなもの……の分霊とでも 思ってくれればいい。」 (この場面を読む

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幕間の物語

この語の定義がもっとも明快に示されるのは幕間である。アストライアの幕間で、彼女は夢の中でもうひとりの自分と対面する。相手は「我もまた、アストライアです」と名乗り、アストライアは即座に事情を理解する——自分は疑似サーヴァントであり、依代に神霊の分霊を押し込めただけのものである。つまり本体となる神霊アストライアは別に存在する。現れたのはその本体であり、分霊であるあなた(私)を裁くために来たのだ、と告げられる。裁きの理由は、サーヴァントとしてマスターを護ると誓ったこと。分霊は本体から独立した意思を持ちうるが、本体はそれを是正しに来る——分霊と本体の関係が正面から劇にされた唯一の場面である。

もうひとつの系統が、神霊ではないものの分霊である。アイリスフィールは自らを「聖杯からこぼれた一種の分霊のようなもの」と説明し、エミヤは彼女を聖杯の分霊、強力な願望器の一部が如き君と呼んで、こちらの心を読むのをやめてくれと苦言を呈する。地の文は彼女とジャガーマンをまとめて「女神が如き存在の分霊、二騎の特殊なサーヴァント」と評しており、出自の異なる分霊が同じ枠で括られている

分霊同士の格付けも語られる。イシュタルはジャガーマンに対し、同じ分霊とはいえこちらはれっきとした女神、そちらはテスカトリポカのナワルであって格が違う、と言い返す。またテスラは神霊というシステムそのものへの不満として、神代と違い僅かでも権能を振るえば分霊は消滅して果てるという——分霊の力の上限が、消滅と引き換えでしか超えられないことがここで示される。伊吹童子の正体を望月千代女が「大いなる神霊・伊吹大明神の分霊! 英霊ならざる神の分け御霊」と看破する場面も幕間にある。

  • 〔裁くもの 裁かれるもの〕アストライア —「お忘れですか? この私(わたくし)は、疑似サーヴァント。 依代に神霊の分霊を押し込めただけのものです。」「つまり、本体となる神霊アストライアは 別に存在します。」 / 神霊アストライア —「分霊であるあなた(私)を裁くために、来たのです。」 (この場面を読む
  • 〔微笑む花が如き、君を〕アイリスフィール —「私は、ええ、聖杯からこぼれた一種の分霊のようなもので、」 / エミヤ —「聖杯の分霊、強力な願望器の一部が如き君にとっては、」 (この場面を読む
  • 〔夢のあとさき〕ニコラ・テスラ —「かつての神代と違い、僅かなりとも権能を振るえば 分霊なりは消滅して果てるというが―――」 (この場面を読む
  • 〔夜回り! ジャガ村先生!〕イシュタル —「同じ分霊とはいえ、こっちはれっきとした女神。 アナタはテスカトリポカのナワル。格ってものが―――」 (この場面を読む
  • 〔酔うも我、狂うも我、滾り嗤うも我なれば〕望月千代女 —「大いなる神霊・伊吹大明神の分霊! 英霊ならざる神の分け御霊(首)、神霊・伊吹童子!」 (この場面を読む

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落涙の翼

聖杯の分霊がどれほど例外的な存在なのかが説明される章である。オデュッセウス・オルタが、聖杯そのものが形を成したサーヴァントなどありうるのかと問うと、アイリスフィールは普通ならありえないと認める。大聖杯に還った嬰児によって聖杯が仮初めの人格を宿すことも、その仮初めの人格によって聖杯が分霊を生むことも、あらゆる確率を無視した奇跡そのものだ、と。ダ・ヴィンチカルデアの記録がそれを裏づけていると認め、聖杯の分霊が形を成した奇跡そのものだと言い直す。分霊は神霊の専売ではないが、聖杯が分霊を生むのは前例のない事故である

同じ章で、分霊であることの制約も語られる。ヘファイスティオンはアイリスフィールに、願望機とはいえおまえはあくまでサーヴァントになった分霊だろう、聖杯としての機能はほぼ封印していたはずだ、でなければまともな人格は保てない、と釘を刺す。そして本章のもうひとりの神——ゼウス・サバージオスと習合したテュフォンの操り手——についても、サーヴァントとなっている以上あくまで分霊の枠にとどまるはずだと判断する。それでも神霊サーヴァント級であり恐るべき相手には違いない、とダ・ヴィンチは付け加える。分霊であることは、弱いことを意味しない。

  • 〔第4節 テュフォン・ネオス〕アイリスフィール —「仮初(かりそめ)の人格によって、聖杯が分霊を生むことも、 あらゆる確率を無視した、途方もない奇跡そのものよ。」 / ダ・ヴィンチ —「聖杯の分霊が形を成した、奇跡そのもの。 彼女は本当に、そういうサーヴァントなんだ。」 (この場面を読む
  • 〔第5節 心のありか〕ヘファイスティオン —「本当か? 願望機とはいえ、 おまえはあくまでサーヴァントになった分霊だろう。」「聖杯としての機能はほぼ封印していたはずだ。 でなければ、まともな人格は保てない。」 (この場面を読む

→ 章別解説: 落涙の翼

所在不明水域タートルアイランド

分霊という語が神霊以外へ適用の可否を問われる場面である。島そのものである巨大な亀の「長老」は、本体は目覚めぬ眠りについており、代わりに本体から分かれた小さな自分がここにいるのだと説明する。ラムダはそれを聞いて、ならばあなたは神霊における分霊とか、頭脳体といったものかと尋ねる。長老は自分自身のこともあやふやだと答え、分類は保留のまま終わる

同じ章の終盤、エレシュキガルが歪神ダゴンを前にして、この語の一般則を述べる。人理が不安定な今であっても神霊がそのまま顕現できることはほとんどなく、顕れるのは部分的な要素で、一側面で、分霊で、依代にも引きずられるような不安定なものだ、と。分霊とは「本体の全部が来られないときに来る不完全な何か」の総称であるという、本編で最も踏み込んだ規定である。

  • 〔第1節「姉妹と無垢なる者たち」〕長老 —「代わりにスモールサイズになった、 本体から分かれたワシがここにおる、というわけよ。」 / ラムダ —「ならアナタは……神霊における分霊とか、 頭脳体といったものかしら?」 (この場面を読む

→ 章別解説: 所在不明水域タートルアイランド

春の終わりに君を待つ / アフタータイム・バレンタイン2026 ~お母さんチョコの謎~

分霊が運用上の面倒として現れるのが近年のイベントである。「春の終わりに君を待つ」では、カルデアのデメテル霊基グラフが観測不能になる。オルガマリーは原因を、カルデアのデメテルと特異点のデメテルが情報として混ざっているのだろうと診断し、その理由を神霊サーヴァントは伝承の習合や分霊の概念が濃いから、互いの情報や存在が混じりがちだと説明する。のちに聖杯がふたつに割れて特異点が二重化し、デメテルも二柱になっていたことが判明すると、彼女は神霊の規模なら分霊は作りやすいと納得する。分霊は「同一人物が複数いる」状態を正当化する装置でもある

バレンタイン2026では、イアソンが召喚されたデメテルを見て、[[アルテミス]]やアポロンのような脱法召喚ではなく分霊の召喚か、と評する。そしてカイニスは戦いの途中で興を醒まし、ここで殺したところでどうせ分霊だ、神など現実のどこにもいない、英霊と似たような神霊が何をイキっていようが虚ろの影ではないか、と言い捨てて去る。分霊であるという一点が、その存在を殺す価値もないものへ格下げする——この語の持つ冷たい側面が最も端的に出た台詞である。

  • 〔第1節『カルデニアへようこそ!』〕オルガマリー —「神霊サーヴァントは伝承の習合や分霊の概念が濃いから、 互いの情報や存在が混じりがちだもの。」 (この場面を読む
  • 〔第4節『嘆きの女神』〕オルガマリー —「話としてはむしろわかりやすい部類よね。 神霊の規模なら分霊はつくりやすいでしょうし。」 (この場面を読む
  • 〔4節「お母さんチョコ現る!」〕カイニス —「ここで殺したってどうせ分霊だ。 ってかそもそも、神なんざ現実の何処にもいやしねえ。」「英霊だかと似たような、神霊だ。 何をイキってようが虚ろの影じゃねえか。」 (この場面を読む

→ 章別解説: 春の終わりに君を待つアフタータイム・バレンタイン2026 ~お母さんチョコの謎~

カルデアゲート

分霊であることが「戦ってよい理由」になる場面である。夢の中で[[アルテミス]]と対峙したスカサハは、この月の女神の分霊もまた死に見放された残骸だと評し、ディルムッド・オディナは古き月の女神が人を狂わせ疫病を撒く残酷な側面を持つと補足する。神と戦うという事態に怯むマシュへ、スカサハは言い放つ——分霊であろうと神霊は神霊に他ならぬ、と。そのうえで、まるで人間のような分霊など悪趣味にも程があると罵って斬りかかる。マシュは自分に言い聞かせるように「いえ、でも分霊だからっ。」と踏みとどまる。

同じ語が、一方では神を斬るのを正当化する免罪符として、他方ではそれでも神であるという警告として、同じ会話の中で二度使われている。分霊という語の両義性がもっとも短い距離で現れた場面である。

  • 〔エピソードIII 最後の導き〕スカサハ —「是なる月の女神の分霊もまた、死に見放された残骸よ。」「ともあれだ。分霊であろうと神霊は神霊に他ならぬ!」「殺すぞ、アルテミス! まるで人間のような分霊なぞ悪趣味にも程がある!」 / マシュ —「…………神、と、戦う。神霊。 いえ、でも分霊だからっ。」 (この場面を読む

→ 章別解説: カルデアゲート

読み取れる設定

  • 定義(確定):本体から分けられた霊。本体は別に存在し続ける。「つまり、本体となる神霊アストライアは 別に存在します。」(アストライア)
  • サーヴァント化の原則(確定):「サーヴァントとなっている以上、 あくまで分霊としての枠にとどまるはずだ。」(ヘファイスティオン)。神がサーヴァントとして現界している時点で、それは本体ではない。
  • 疑似サーヴァントの内実(確定):「依代に神霊の分霊を押し込めただけのものです。」(アストライア)。→ 神霊
  • 顕現の一般則(確定):エレシュキガル「顕れるのは部分的な要素で、一側面で、分霊で、 依り代にも引きずられるような不安定なもの。」
  • 制約(確定):権能の行使は消滅を招く。「僅かなりとも権能を振るえば 分霊なりは消滅して果てるというが―――」(テスラ)。→ 権能
  • 複数化(確定):一つの霊基に分霊が複数同居しうる(シトナイ「女神の分霊が三柱も集まってるの!」)。神霊の規模なら分霊は作りやすく、同一神が複数存在しうる(オルガマリー)。
  • 神霊以外への適用(確定):妖精=「惑星の分霊」「地球の魂……のようなもの……の分霊」(オベロン)。聖杯=「聖杯からこぼれた一種の分霊のようなもの」(アイリスフィール)。
  • 【推測】 「分霊であること」は、格下げの根拠(カイニス「どうせ分霊だ。」)としても、なお神であることの確認(スカサハ「分霊であろうと神霊は神霊に他ならぬ!」)としても使われる。作中の評価は、話者が神を倒す側か、神を運用する側かで反転している。

揺れ・矛盾

  • 分霊の強さの評価が話者によって正反対になる。 テスラとカイニスは分霊を「権能を振るえば消える」「虚ろの影」として低く見るが、スカサハは「分霊であろうと神霊は神霊に他ならぬ!」と断じ、ダ・ヴィンチも分霊の枠にとどまる相手を「だとしても、神霊サーヴァント級だ。 恐るべき相手には違いない。」と評する。上限の低さと絶対値の高さが、それぞれ別の文脈で強調されている。
  • 「分霊」と「分身」「別側面」の境界が曖昧である。 太公望コヤンスカヤについて「妲己の別側面や分霊の亜種」という言い方をし、哪吒玉藻の前の分身を見て「分身!? 分霊!?」と両者を並べて驚く。作中に厳密な区別の説明は無い。
  • 聖杯の分霊は前例のない事故として扱われる。 アイリスフィールの成立は「あらゆる確率を無視した、途方もない奇跡そのものよ。」と説明されるが、他方でエミヤは彼女を当然のように「聖杯の分霊」と呼ぶ。例外であることと、名前が既にあることが並存している。
  • 長老(タートルアイランド)の分類は保留されたままである。 ラムダの「神霊における分霊とか、 頭脳体といったものかしら?」という問いに対し、長老は自分でも分からないと答えるにとどまり、作中で確定しない。

関連

典拠について

本ページで 鉤括弧「」に入れた文字列は、すべて FGO のシナリオ本文(演出タグを除去した表示テキスト)からの逐語引用である。原文の改行は半角スペースに置換して一行に連結している。ルビは 語(よみ) の形で原文どおり残した。

付録: 原文引用アーカイブ

原文引用アーカイブ(機械収集・51 本)— 本文で扱わなかった言及もここに残してある
出典と数え方

全文コンコーダンス tools/data/concordance/lines.jsonl(全150war+バレンタイン、1,104,754行)を全走査した結果。検索語 分霊分身体。 引用は演出タグを除去した表示テキストそのまま。同一章・同一話者で完全に同一の発話が重複する場合は1件に統合している。チョコレート名の章はバレンタイン・シナリオ。

該当発話 51件 / 23章。全件を以下に掲載

Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング

  • シトナイ —「この霊基(からだ)に、女神の分霊が三柱も集まってるの! すごいんだから!」

Lostbelt No.3 人智統合真国 シン

  • 始皇帝 —「天仙はもとより扶桑樹(ふそうじゅ)の分霊(わけみたま)のようなもの。」

Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス

  • 武蔵 —「つまるところ…… 分霊でもない神仏と契約したって事よね?」
  • 人工知能 —「キリシュタリア・ヴォーダイムは、 自然へと溶けた神霊でもなく、分霊でもない、」
  • カドック —「分霊にせよ端末にせよ、実体があるなら、 アルターエゴを使う必要がないからな。」
  • ゼウス —「滅びの化身でさえなく、 その分霊たる巨人(ギガース)でさえない。」

地獄界曼荼羅 平安京

  • 段蔵 —「一種の分霊として伝えられし個体……」
  • 黄幡神・蘆屋道満 —「是(これ)こそはハイ・サーヴァントたる拙僧と同化せし、 暗黒神の分霊二柱!」
  • 黄幡神・蘆屋道満 —「日本三大化生が一角たる酒呑童子の別側面にして、 日本最高の災害竜・八岐大蛇(やまたのおろち)の分霊と称すべき御方。」

Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ

  • オベロン —「どこまでいっても妖精は“自分たちの文明”を 持たない、惑星の分霊だったんだよ。」
  • オベロン —「地球の魂……のようなもの……の分霊とでも 思ってくれればいい。」

奏章Ⅰ 虚数羅針内界 ペーパームーン

  • ドゥリーヨダナ —「さすがにそれはまずいぞ。依り代ごしの分霊とはいえ、 シヴァの神妃を敵に回すのは……!」

奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔 イド

  • ニトクリス・オルタ —「たとえアヌビス神の加護があろうと、 たとえアヌビス神の分霊重なろうと、」

幕間の物語

  • ニコラ・テスラ —「かつての神代と違い、僅かなりとも権能を振るえば 分霊なりは消滅して果てるというが―――」
  • イシュタル —「同じ分霊とはいえ、こっちはれっきとした女神。 アナタはテスカトリポカのナワル。格ってものが―――」
  • 哪吒 —「分身!? 分霊!? ―――是(いえす)!」
  • アイリスフィール —「聖杯がどうという話ではないのよ。 私は、ええ、聖杯からこぼれた一種の分霊のようなもので、」
  • (地の文) —「女神が如き存在の分霊、二騎の特殊なサーヴァント。 厄介なモノに目を付けられてしまったな。」
  • エミヤ —「それから、此方(こちら)の心を読むのも止めてくれないか。 聖杯の分霊、強力な願望器の一部が如き君にとっては、」
  • 望月千代女 —「大いなる神霊・伊吹大明神の分霊! 英霊ならざる神の分け御霊(首)、神霊・伊吹童子!」
  • アストライア —「お忘れですか? この私(わたくし)は、疑似サーヴァント。 依代に神霊の分霊を押し込めただけのものです。」
  • 神霊アストライア —「分霊であるあなた(私)を裁くために、来たのです。」

クリスマス2017

  • アルテラサンタ —「ネルガル神の権能を依り代にしてカタチをなした。 ……いわばネルガルの分霊だ。」

小野小町古今抄 ~雪消月のキラキラ蓮華~

  • ダ・ヴィンチ —「分霊や憑依なんかじゃない…… 神霊本体の現界と同規模の……」

落涙の翼

  • アイリスフィール —「仮初(かりそめ)の人格によって、聖杯が分霊を生むことも、 あらゆる確率を無視した、途方もない奇跡そのものよ。」
  • ダ・ヴィンチ —「聖杯の分霊が形を成した、奇跡そのもの。 彼女は本当に、そういうサーヴァントなんだ。」
  • ヘファイスティオン —「本当か? 願望機とはいえ、 おまえはあくまでサーヴァントになった分霊だろう。」
  • ヘファイスティオン —「サーヴァントとなっている以上、 あくまで分霊としての枠にとどまるはずだ。」

カルデアン・フロラリア あなたの花が咲く頃に

  • ダ・ヴィンチ —「わらしはそれらの化身や分霊…… なのかもしれないな。」
  • オルガマリー —「神の分霊…… でも、印象はどちらかというと幼生よね?」

アフタータイム・バレンタイン2026 ~お母さんチョコの謎~

  • マシュ —「極東圏からは伊吹大明神(八 岐 大 蛇)の分霊・伊吹童子に、 牛頭天王(ご ず て ん の う)の子たる丑御前、」
  • イアソン(46) —「アルテミスやアポロンみたいな 脱法召喚じゃなくて、分霊の召喚ときたか。」
  • カイニス(60) —「ここで殺したってどうせ分霊だ。 ってかそもそも、神なんざ現実の何処にもいやしねえ。」

凹型虚数怪理 イマジナリ・トレンチ

  • 楊貴妃B —「私の神性スキルには分霊系の権能が含まれているのですが これは文字通り神霊の奇跡顕現で(急に早口なユゥユゥ)」

カルデア・サマーアドベンチャー! ~夢追う少年と夢見る少女~

  • 煉獄 —「経緯は不明だが、いわゆる神霊における力の分割……。 分霊に近い存在という訳だ。」
  • 煉獄 —「主のマスターよ、どうして俺が主の霊基を得てここに 分霊として現界したのか今わかった。」

非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ

  • 太公望 —「タマモヴィッチ・コヤンスカヤは、 金色白面たる妲己の別側面や分霊の亜種、」
  • 太公望 —「まず確実に――― 彼女は妲己の別側面や分霊ではなく、」

所在不明水域タートルアイランド

  • ラムダ —「ならアナタは……神霊における分霊とか、 頭脳体といったものかしら?」
  • エレシュキガル —「顕れるのは部分的な要素で、一側面で、分霊で、 依り代にも引きずられるような不安定なもの。」

連続活劇神話 ミシシッピ・ミササイザーズ

  • 大黒天 —「なれど我らが主、大黒天は国造りの神なれば、 分霊の下っ端鼠(ねずみ)といえども嗜(たしな)みがございまして―――」

北極魔園観光アークティック・サマーワールド

  • レディ・アヴァロン —「……なるほどなるほど。 伊吹童子。日本の大明神の分霊、だったかな。」

蛇竜這行大地ランドサーペント

  • ダ・ヴィンチ —「八岐大蛇(やまたのおろち)といえば災害竜にして神霊、 その分霊だから当然といえば当然か。」

完結南瓜惑星ハロウィンプラネット

  • ユニヴァース・アポロン —「姉妹だからね。キングエリザの。 四本目の首……分霊というべきかな?」

春の終わりに君を待つ

  • オルガマリー —「神霊サーヴァントは伝承の習合や分霊の概念が濃いから、 互いの情報や存在が混じりがちだもの。」
  • オルガマリー —「話としてはむしろわかりやすい部類よね。 神霊の規模なら分霊はつくりやすいでしょうし。」
  • (地の文) —「だって、その一滴は、父の分霊そのものだ。 それをデメテル様に預けるということは。」

カルデアゲート

  • スカサハ —「その獣には分かっているのやもしれぬぞ。さよう、 是なる月の女神の分霊もまた、死に見放された残骸よ。」
  • スカサハ —「ともあれだ。分霊であろうと神霊は神霊に他ならぬ!」
  • スカサハ —「殺すぞ、アルテミス! まるで人間のような分霊なぞ悪趣味にも程がある!」
  • マシュ —「…………神、と、戦う。神霊。 いえ、でも分霊だからっ。」